異世界転死の幽霊様

要 九十九

第六話「真っ向勝・・・負!?」(脚本)

異世界転死の幽霊様

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〇結婚式場の廊下
  これは後から聞いた話ではあるが・・・
  元々、私が住んでいたのが騎士領と信仰領の
  境界線近くだった事もあり
  回復魔法を使える少女の話はこちらでも
  噂になっていたらしい
  教会の皆様は私に優しく
  そもそも、誰かの為に何かをするのが
  好きな私は直ぐに馴染む事が出来た
  新しい魔法を学んだり
  大教会の書庫で様々な本を読んだり
  色々な事をしている内にあっという間に
  時間が経っていった
  これを聞かれたら
  神官長様に怒られるかも知れないが
  私は最初、太陽神様なんて信じていなかった
  本当に神様がいるなら
  何で母様を助けてくれなかったのか
  そう厳しく問い詰めそうに
  なりそうだったからだ
  しかし・・・
  大教会の書庫で
  異世界人の方に関する本を読んで
  その召喚に太陽神様が
  関わっている事を知った時
  私は初めて太陽神様を信じる事が出来た
  それと同時に・・・
  この世界に沢山いる筈の異世界人の方達とも
  一度は会ってみたいと強く思った
  そんな毎日を過ごしている間に
  数年が経った・・・

〇中東の街
  前回のあらすじ・・・
  神官様は犬様を見つけ
  無事に助け出す事が出来るかと思われたが
  犬様を捕まえていた仲間の1人に
  気絶させられてしまう
  それと同時刻・・・
  宿屋で寂しさに1人泣く案内人様もいる中
  幽霊様は突如襲ってきた暗殺者と戦・・・う?
アキラ(痛い!)
アキラ(そう言えばガーベラさんの魔法も 多少の痛みはあったよな?)
アキラ(てことはあのナイフも魔法か何かで?)
アキラ「何か武器は?」
アキラ「いつものしかない!」
アキラ「危ない」
アキラ(石がなかったら頭から真っ二つだったぞ!)
アキラ(こいつ一切躊躇がない!)
アキラ(本気で殺しに来てる!?)
アキラ(どうする? 一旦逃げてガーベラさんと合流・・・)
アキラ(・・・)
  盗賊騒ぎの時みたいに
  また一度逃げ出す?
  あの体を放置して?
  本当にそれでいいのか?
アキラ(くそっ!考えてる余裕もない!)

〇中東の街
アキラ「はぁ・・・はぁ・・・」
アキラ(あいつの様子は?)
アキラ(俺を探してるみたいだな)
アキラ(今のうちに武器の補充を・・・)
アキラ(あれ?)
アキラ(何処でも拾えるし・・・)
アキラ(石って結構強くね?)
アキラ(いや、そんなことより!)
アキラ(どうする?)
アキラ(俺の姿が見える以上 不意打ちは無理だろうし・・・)
アキラ(あの動きどう見ても この間戦った盗賊たちより良かった気が)
アキラ(それに確か・・・)
  というかガーベラさんには
  俺がどういう風に見えてたんですか?
  えっと・・・
  人間火柱?
アキラ(俺のソウルがそんな風に見えてるなら あいつに見つかるのも時間の問題だ)
アキラ(やっぱり逃げた方がいいのか?)
アキラ(・・・)
  生きるために俺も戦います
アキラ(盗賊騒ぎの時だって)
アキラ(生きる為に戦うなんて 偉そうな事言ったけど・・・)
アキラ(本当は怖くて仕方なかった)
アキラ(体もなくて、記憶すらない こんな死んだような状況)
アキラ(俺は本当に生きてると言えるのか?)
アキラ(死んでるならこのまま逃げたって誰も・・・)
アキラ(・・・)
アキラ(うん?)
アキラ(何かおかしくないか?)
アキラ(やっぱりまだ俺を探してる?)
アキラ(俺のソウルがガーベラさんの 言ってたみたいに見えるなら)
アキラ(こんなに近い距離にいたら 既に見つかっててもおかしくない筈・・・)
アキラ(なのに気付かれてすらいない?)
アキラ(そう言えばあいつ)
アキラ(俺があの体から出てきた事にも 気付いていなかった)
アキラ(もしかして・・・)
アキラ(ソウルの見え方にも個人差がある?)
アキラ「・・・」
アキラ(まだ分からない事の方が多いけど、もし 俺の予想通りならチャンスはある・・・かも?)
アキラ(何よりあいつには さっきから言ってやりたい事がある)
アキラ「それなら!」

〇中東の街
  本当は逃げ出したい気持ちはまだある
  だけど今は、それよりも・・・
暗殺者「あの化け物何処行った!」
暗殺者「諦めて自ら出てきたか」
アキラ「あんたに1つ言いたい事がある・・・」
暗殺者「何だ?最後に聞いてやるぞ」
アキラ「大事な・・・」
アキラ「借り物の体を!」
アキラ「何、傷付けてくれてんだ!!」
暗殺者「石?馬鹿め! 外れて・・・」
アキラ「囮だよ」
暗殺者「ぐっ」
暗殺者「何だ?また消えた?」
暗殺者(俺ですらハッキリ見えるあのソウル量 魔法でも使わない限り遠くには行ってない筈だ)
暗殺者(とりあえず挑発して・・・)
暗殺者「石一発顔に当てたぐらいで いい気になりやがって!」
暗殺者「さっさと出てこい化け物!」
???(アキラ)「顔に当てたのも囮だよ」
???(アキラ)「本命は・・・」
???(アキラ)「この体の近くに投げた一投目だ」
  逃げ出したい・・・
  今は、そんな気持ちよりも
  借りているこの体を傷付けられた
  怒りの方が遥かに勝っていた
???(アキラ)「はー、少しはスッキリしたな!」
???(アキラ)「もう一度この体に戻れるかは賭けだったけど 何とかなって良かった・・・」
???(アキラ)「というか・・・ やっぱり石って最強じゃね?」
???(アキラ)「痛っ!」
???(アキラ)(ナイフの傷口から 結構な血がまだ出てるな・・・)
???(アキラ)(これは早くガーベラさんに合流して 回復魔法を掛けて貰わないとヤバいかも?)
???(アキラ)(いやでもこの間の話だと俺のソウルが 入ってるこの体、回復魔法効くのか?)
???(アキラ)(うーん・・・)
???(アキラ)(考えても分からないし とりあえず、ガーベラさんの所に行くか)
???(アキラ)(そういや・・・)
???(アキラ)「ガーベラさん、犬さんに会えたかな・・・?」

〇牢獄
いぬ「わんっ!わんっ!わんっ!」
いぬ「わんっ!わ・・・」
男「うるせぇ」
いぬ「きゃん!」
男「さてと・・・」
男「この女~、今すぐ・・・」
男「殺すか」
  続く・・・

次のエピソード:第七話「出血多・・・量!?」

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