狂愛リフレイン

gaia

3話 ループ❷ 後編(脚本)

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〇住宅地の坂道
雄太「番幅神社?」
まつり「そうそう、縁結びの神社で有名なんだけどさ」
雄太「あぁ、あいつがよく通ってたな」
まつり「あいつって?」
雄太「それは......」
まつり「......」
雄太「どうした?」
まつり「えへへ、なんでもない」
雄太「なんだよ」
まつり「私、これから番幅神社に用があるんだ」
雄太「え?」
まつり「噂が、本当か確かめてくるんだ......」
雄太「どういうことだよ」
まつり「先帰ってて!」
  ダッと水溜りを飛び越えて行ってしまったまつり。
  1.追いかける←
  2.追いかけない
雄太「まつり、なんか様子がおかしかった」
雄太「追いかけよう!」

〇古びた神社
雄太「まつりーーー!」
  番幅神社の階段を上がるまつりに、俺は大きな声で呼びかけた。
まつり「雄太!?」
まつり「どうしたの?」
  くるりと後ろを振り返ったまつりは、心底驚いた様子で俺を見ていた。
雄太「どうしたの?じゃないだろ!」
雄太「お前の様子がおかしかったから追いかけてきたんだろ! 傘だって俺に押しつけやがって!」
  まつりは、自分の傘を持っているらしかった。
雄太「お前、傘もう一本持ってたのか?」
まつり「......」
まつり「......うん」
雄太「よかった、心配したよ」
雄太「急に走り出すんだもんな」
  やっと階段を上がってまつりの隣に並ぶと、まつりはきょとんとしながら俺の横顔を見つめている。
まつり「え?」
雄太「なんだよ」
まつり「私、傘2本持ってたんだよ 置き傘と、折り畳みと」
雄太「しっかり者のお前ならそれくらい普通だろ」
まつり「最初から2本あるんだから1本渡せばいいのにって思わない?」
雄太「何言ってんだよ、俺は別にまつりと相合傘するの嫌じゃなかったし」
まつり「......」
まつり「......私ね、そういうずるいところあるのよ」
まつり「ただの純粋な女の子ってわけじゃない」
まつり「そういうこともする女なんだよ」
雄太「よくわからないけど、俺は別にそんなことでまつりを嫌いにはならないよ」
まつり「......」
まつり「えへへ」
まつり「私ね、雄太のそういうところが......」
  傘を刺していて、まつりの横顔を見ていて──
  俺は全く前を見ていなかった。
  ドンッ!
まつり「あっ」
  まつりの軽い体は、一番上の階段に上がる直前、何者かに突き飛ばされ人形のように下へと転がって行った。
雄太「まつ......!」
  相手の顔を見ることなんかより俺は、階段から落ちていくまつりの方へ一心不乱に走り出そうとした。
  しかし、まつりを突き落としたソイツは、そんな俺の背中を容赦なく押したのだ。
  ドンッ!
雄太「まつり......!」
  年数が経つにつれ削られたごつごつとした岩へと俺の顔はダイブした。激痛に襲われながらも俺の頭に浮かぶのはまつりの顔。
  ゴロゴロと硬い岩を転がりながら、なんとか犯人の顔を見ようとした。
  しかし、頭から血が流れていてうまく目が開けられない。
  番幅神社の本当の意味を......思い知らせてやる......
  犯人は、確かにそう言った。
雄太「それは、一体どういう意味なんだよ......」
  薄れゆく意識の中俺の横を通り過ぎたソイツは、ぎらりと光るものを持っていた。
雄太「ま......待て......やめろ......それで」
雄太「それで......何をするつもりだ......」
  大丈夫......繰り返すから
  犯人はそう言って、俺より少し下の方でぐったりしているまつりに近づいていくのがわかった。
雄太「やめろーーーー!!」
  また繰り返すんだ......ゲームのように......
  そう犯人が言ったのを最後に、俺の意識は途絶えた......
  番幅神社は縁結びの神社だ......番幅神社の本当の意味......?
  俺は、全身の痛みに苛まれながら真っ赤に染まったまつりに手を伸ばした。

次のエピソード:4話 過去

コメント

  • 縁結びの神社であるこの場所と、繰り返しが起こってしまう理由が気になってきますね。そして、雄太はこの悲劇を繰り返して心が壊れてしまわないのか心配になります。

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