00 [字][S] 新 円環戦士ウロヴォロス(脚本)
〇渋谷のスクランブル交差点
戦え! ウロヴォロス!!
迫るグノーシス! 悪の軍団!
信じろ正義の力 −パワー−
守れ僕らの夢 −明日−
悪の野望を打ち砕け!
蒸着! ラピス・フィロソフィカス!
貫け装甲! オリハルコン!
どんな夢も叶うさ OH YEAH
心に沁みるエメラルドブルー
征け! 明日のため
戰え! みんなのため
嗚呼 ウロヴォロス・・・
嗚呼 ウロヴォロス・・・
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〇野外球場
昭和九九年。夏。俺は甲子園のマウンドに立っていた。
アナウンサー「打ったーっ!」
アナウンサー「4番十(つなし)逆転満塁ホームラーンッ!!」
〇競技場の通用口
真央「おめでとう。陽ちゃん」
陽「真央も、応援ありがとう」
月(ライト)「陽・・・・・・」
陽「月(ライト)!」
月(ライト)「ホームラン、凄かった・・・・・・」
陽「月が毎日練習に付き合ってくれたお陰だよ!」
月(ライト)「マネージャーの僕には、それくらいしか出来ないからね」
陽「それくらいって・・・・・・ あんなに付き合ってくれるのは幼馴染のお前だけだよ」
真央「あの・・・・・・ 二人はこれからどうするの?」
陽「ん? 取敢えず結果を先生達に報告して、それから打ち上げの準備・・・・・・」
月(ライト)「いや、将来的な話じゃないの?」
真央「う、うん。そう。陽ちゃんはプロになるとして・・・・・・」
真央「月君はどうするの?」
月(ライト)「僕は・・・・・・」
陽「なっ! 何だ!?」
月(ライト)「観客席の方からだ!」
〇野球場の座席
怪人「ゲハハハッ!」
怪人「ゲハ! ゲハ!」
陽「何だ、あの化け物は・・・・・・」
月(ライト)「グノーシスの怪人!?」
真央「グノーシスって、最近噂になってる秘密結社ってやつ!?」
怪人「ゲハ!?」
月(ライト)「危ないっ! 真央ちゃん!!」
陽「くっ!」
陽「ぐ、あ・・・・・・」
月(ライト)「陽!」
真央「陽ちゃん!」
怪人「ゲハァ?」
月(ライト)「真央ちゃん! 逃げろ!」
真央「でも陽ちゃんが・・・・・・」
月(ライト)「陽の事はいい! 僕が時間が稼ぐからその隙に・・・・・・」
月(ライト)「くっ!」
真央「月君・・・・・・」
怪人「ゲハハハ!」
真央「ああ・・・・・・ どうすればいいの・・・・・・」
????「くそっ! 間に合わなかったか!」
????「ええいっ!」
〇黒
陽(ここは・・・・・・ どこだ?)
陽(俺は死んだのか?)
陽(月も真央も守れずに・・・・・・)
陽(くそっ! 身体中が痛い)
陽(頭が割れる様だ・・・・・・)
陽「嗚呼・・・・・・」
〇地下実験室
陽「ああああっ!!」
陽「って、生きてる?」
陽「ここはどこだ?」
????「騒がしい男だ」
陽「あんたは?」
パラケルスス「パラケルスス。とでも名乗っておこう」
陽「パラ・・・・・・ 何者だ?」
パラケルスス「元グノーシスの研究者だ」
陽「グノーシス・・・・・・」
陽「そうだ! 月は? 真央はどうなった?」
パラケルスス「誰の事を言っているのかわからんが、儂が助けたのは、君だけだ」
陽「そんな・・・・・・」
陽「パラじいさん、あんた元グノーシスって言ったよな?」
パラケルスス「パラじ・・・・・・ ああ、そうだ」
パラケルスス「連中に嫌気がさしてな。今は追われる身だ」
陽「やつらは、グノーシスって何なんだ? あの化け物は?」
パラケルスス「落ち着け」
パラケルスス「グノーシスは古代からある秘密結社だ」
パラケルスス「錬金術と現代科学のチカラを用いて、世界征服を企んどる」
陽「錬金術?」
パラケルスス「簡単に言えば、卑金属を貴金属に変える技術。だが・・・・・・」
パラケルスス「その本質は生命の創造や、不老不死にある」
陽「不老不死だって? そんなバカな話が・・・・・・」
パラケルスス「あるのだよ。実際君は一度死んだ」
陽「え?」
陽「・・・・・・」
陽「本当だ。心臓が動いていない・・・・・・」
陽「信じられない」
パラケルスス「だが事実だ」
パラケルスス「心臓の替わりに『賢者の石』を埋め込んだ。今は無限のチカラによって生かされている状態だ」
陽「無限のチカラ・・・・・・」
パラケルスス「済まない。君を化け物に変えてしまった。だがこうするしか助ける方法がなかった」
陽「化け物・・・・・・」
パラケルスス「球場を襲撃した化け物がいただろう?」
パラケルスス「君はあれと同じ存在になった」
陽「そんな、でも・・・・・・」
パラケルスス「辛うじて人間の姿は保っている。しかし・・・・・・」
パラケルスス「曲げてみたまえ」
陽「いや、金属バットですよ? そんな事簡単に・・・・・・」
陽「嘘だろ・・・・・・」
パラケルスス「本当にすまない」
陽(そうか。もう俺は人間じゃないのか・・・・・・)
陽(こんなの絶対ドーピングを疑われる・・・・・・ 野球は引退か・・・・・・)
陽(それどころか日常生活も・・・・・・)
陽「ううぅ・・・・・・」
〇地下実験室
パラケルスス「そうか。幼馴染の二人が・・・・・・」
陽「はい。無事でしょうか?」
パラケルスス「何せあの惨状だからな。確実な事は言えないが、」
パラケルスス「君の言う特徴の者はいなかったと思う」
陽「じゃあ・・・・・・」
パラケルスス「生きている可能性はある。だが・・・・・・」
陽「だが?」
パラケルスス「グノーシスは怪人を造る為に、優れた肉体を持つ者を探している」
パラケルスス「二人がいなくなったとすると・・・・・・」
陽「連れ去られた?」
パラケルスス「かも知れん」
陽「・・・・・・」
陽「グノーシスはどこに?」
パラケルスス「戦う気か? 折角助かった命だぞ」
陽「だって二人を助けなきゃ」
パラケルスス「・・・・・・」
パラケルスス「わかった。だが二人を助けたら、すぐに逃げるんだ」
パラケルスス「グノーシスは君一人でどうにかなる相手じゃない」
陽「はい!」
〇山間の田舎道
陽(待ってろよ。月。真央)
陽(必ず助けてやるからな!)
〇けもの道
〇ボロボロの吊り橋
〇岩山
陽「出たなグノーシス!」
陽「錬金! 蒸着!」
アイオン「円環戦士! ウロヴォロス!」
アイオン「アイオン!!」
アイオン「はぁーっ!」
アイオン「てやぁっ!!」
怪人「ゲハ!」
アイオン「お前はあの時のっ!」
アイオン「言え! 月と真央はどうした!」
怪人「ゲハァ?」
アイオン「ちっ!」
アイオン「錬金!」
アイオン「オリハルコン・ブレイド!」
怪人「ゲハッ!?」
アイオン「答えろ! 月と真央はどうした!」
怪人「ゲ、ゲハァ・・・・・・」
アイオン「!?」
怪人「グ、グノーシスに・・・・・・ 栄光あれーっ!」
アイオン「くそ・・・・・・」
〇地下に続く階段
アイオン(ここがグノーシスの秘密基地)
アイオン(待ってろよ。月。真央)
〇近未来の通路
アイオン(静かだ・・・・・・)
アイオン(月と真央は一体どこに・・・・・・)
アイオン「月!?」
月(ライト)「ひぃっ!」
アイオン「待ってくれ! 俺だ!」
月(ライト)「え? 陽?」
陽「ああ。そうだ。助けに来たぞ」
月(ライト)「助けに? 今の姿は?」
陽「よくわからんけど、賢者の石? っていうので変身出来る様になった」
月(ライト)「賢者の石・・・・・・」
陽「真央を知らないか?」
陽「早く脱出しよう」
月(ライト)「脱出? どうして?」
陽「どうしてって・・・・・・」
陽「こんな所にいちゃ危険だろう」
月(ライト)「・・・・・・」
月(ライト)「そんな事はないよ。安全だし・・・・・・」
月(ライト)「素晴らしい場所だよ!」
陽「え?」
月(ライト)「錬金! 蒸着!」
デミウルゴス「円環戦士ウロヴォロス!」
デミウルゴス「デミウルゴス!!」
陽「そ、そんな、月まで・・・・・・」
デミウルゴス「いいなぁ、陽は賢者の石で・・・・・・」
デミウルゴス「見えるか? この胸の緑色」
デミウルゴス「『愚者の石』って言うらしいぜ?」
陽「愚者の石・・・・・・」
デミウルゴス「愚か者の石だ。笑えるだろ?」
デミウルゴス「お前は賢き者の石・・・・・・」
デミウルゴス「いつもそうだ・・・・・・」
デミウルゴス「当たり前の様に、与えられ、恵まれ・・・・・・」
デミウルゴス「持たざる者の気持ちなんて考えもしない!」
陽「何を言ってるんだ、月・・・・・・」
デミウルゴス「ずっとお前が憎かった・・・・・・」
デミウルゴス「勉強も、スポーツも、俺の努力なんてなかったみたいに、簡単に追い抜いて行きやがる!」
陽「それは・・・・・・」
デミウルゴス「楽しかったか? 俺を踏み台にして!」
デミウルゴス「自分より弱い奴がいて安心だったか?」
デミウルゴス「優越感たっぷりだっただろうよっ!」
デミウルゴス「お前が活躍する度、俺がどれだけ惨めだったか。無様だったか・・・・・・」
デミウルゴス「お前にはわからんだろうっ!!」
陽「やめろっ! 月!」
アイオン「くっ!」
アイオン「やめろ! やめてくれ! 月!」
アイオン「お前を助けに来たんだ! 真央を見つけて一緒に帰ろう!」
デミウルゴス「助ける? ・・・・・・だと?」
デミウルゴス「そうやってお前は俺を見下して!」
デミウルゴス「どうして俺がお前に助けられなきゃいけないんだ!!」
アイオン「くっ!」
デミウルゴス「いいなぁ、おい。剣まで出せるのか?」
デミウルゴス「俺なんか素手だぜ?」
アイオン「ぐあぁ・・・・・・」
デミウルゴス「立てよ。俺が味わった苦しみは、こんなもんじゃない」
デミウルゴス「真央ちゃんの事もそうだ」
デミウルゴス「俺はずっと好きだったのに・・・・・・」
デミウルゴス「いつもお前ばかり・・・・・・」
アイオン「違う! 月、それは・・・・・・」
デミウルゴス「煩い! 俺はこのチカラで全てを取り戻す!!」
デミウルゴス「うおおおおおおおおっ!!!」
デミウルゴス「アルカ・・・・・・ エストォォォッ!!」
真央「やめてぇぇぇぇっ!!!」
アイオン「真央っ!」
デミウルゴス「!?」
〇近未来の通路
陽「真央・・・・・・」
月(ライト)「真央ちゃん!」
真央「お願い・・・・・・」
真央「もう、やめて、二人共・・・・・・」
月(ライト)「どうして! どうしてだよ真央ちゃん!」
真央「二人が・・・・・・ 戦うなんて・・・・・・」
真央「いや、だから・・・・・・」
真央「私のせいで・・・・・・」
真央「私に勇気が、なかったから・・・・・・」
月(ライト)「勇気?」
陽「真央は、ずっとお前の事が好きだったんだよ・・・・・・ 月」
月(ライト)「なっ!? いや、でも・・・・・・」
真央「陽ちゃん、酷い」
真央「言わないでって・・・・・・ 言ったのに・・・・・・」
陽「ずっとお前の事が好きで・・・・・・ でも言えなくて・・・・・・」
陽「俺に相談してたんだ」
月(ライト)「そんな・・・・・・」
真央「ごめんなさい・・・・・・」
真央「怖かったの」
真央「三人の関係が、壊れるのが・・・・・・」
真央「ううん・・・・・・ 違う・・・・・・」
真央「怖かったの・・・・・・ 振られるのが・・・・・・」
真央「拒絶されるのが・・・・・・」
真央「だから、ずっと・・・・・・ 言えなく、て・・・・・・」
真央「うぅ・・・・・・」
月(ライト)「真央ちゃん!」
陽「喋っちゃダメだ!」
真央「嫌い、だった・・・・・・ そんな自分が・・・・・・」
真央「月君は」
真央「がんばり屋さんで、優しくて・・・・・・」
真央「なのに、私は・・・・・・」
真央「何も出来なくて・・・・・・ 言えなくて・・・・・・」
真央「うっ!」
月(ライト)「真央ちゃん!!」
陽「待て・・・・・・ 何か変だ・・・・・・」
真央「嫌い・・・・・・」
真央「自分がきらイ・・・・・・」
真央「こんナわタシは・・・・・・」
真央「キライなの」
真央「レンキン・・・・・・ ジョウチャク・・・・・・」
ヴァルヴェロ「円環戦士・・・・・・ ヴァルヴェロ・・・・・・」
「な、に・・・・・・」
ヴァルヴェロ「キライ」
ヴァルヴェロ「じぶんがきらい。みんなもきらい・・・・・・」
陽「くっ!」
陽「畜生! 真央まで怪人になっちまうなんて!」
陽「何とかしないと!」
月(ライト)「その前に俺達が殺される!」
陽「・・・・・・」
陽「チカラを合わせるぞ、月!」
陽「俺達二人なら!」
月(ライト)「ふざけるな! 誰がお前なんかと!」
陽「俺の事は嫌いでもいい!」
陽「真央を助けるんだっ!」
月(ライト)「・・・・・・」
月(ライト)「勘違いするなよ?」
月(ライト)「真央ちゃんを助ける為だ」
月(ライト)「お前とはいずれ決着をつける!」
陽「ああ!」
「円環戦士!」
「ウロヴォロス!!」
アイオン「元に戻ってくれ! 真央!」
デミウルゴス「君が好きなんだっ! 真央ちゃん!!」
ヴァルヴェロ「いや・・・・・・」
ヴァルヴェロ「いやぁぁぁぁ!!」
アイオン「俺達を信じろ!」
デミウルゴス「君は独りじゃない!」
「俺達がついてる!!」
ヴァルヴェロ「ああ・・・・・・ あああああぁぁぁぁ!!」
ヴァルヴェロ「わたしは・・・・・・ わたしは・・・・・・」
デミウルゴス「君は真央ちゃんだ」
アイオン「俺達が好きな真央だ」
アイオン「お前がお前を嫌いでも!」
デミウルゴス「俺達はっ!」
「大好きだっ!!!」
ヴァルヴェロ「ああああああああっ!!!」
〇学校の屋上
真央「あ、来たよ」
陽「いや〜すまん、すまん。遅くなった」
真央「もう〜陽ってば。一生に一回の卒業式だよ」
月(ライト)「陽は人気者だからな」
陽「違うって。パラじいさんの所だよ」
月(ライト)「そうか。お前もか・・・・・・」
陽「ああ。まだグノーシスを全部やっつけた訳じゃないからな」
陽「って、お前、も?」
真央「私達も戦う事にしたの」
陽「真央まで・・・・・・」
真央「また三人一緒だね」
月(ライト)「俺はやめろって言ったんだけどな」
陽「う、う〜ん・・・・・・」
陽「ま、良いんじゃないか?」
陽「何とかなるよ」
「俺達三人なら!!」
〇黒
原作・原案
在日ミグランス人
イラスト提供
神絵師様
スペシャルサンクス
フォロワーの皆様
提供
TapNovel
後半に行くにつれて、どんどんテンポが良くなっていき、さくさく読めました!
高校生の青春! 三角関係!
いいですね✨✨
いつまでも3人一緒に戦うのかな。
読了が遅くなりました!
自分がやりたかったこと、全部やってるー!!
すごい早い段階で、全部すでにやられたー!!
最高に“特撮”でした!ヾ(o≧∀≦o)ノ゙
めちゃめちゃ楽しかったです!
『こういうシーンは外せないよなぁ』が全部入ってて、CMや提供の演出まで凝ってて、タップノベルで出来る“エンタメ”の全てがこの作品に集約されていると思います!!
“THE・特撮ヒーロー”ここにあり!大好きな作品です!
楽しく読めました😊出だしは一瞬怪人のことを忘れそうなほんわか展開だったのに、ガッチリ怪人ストーリー✨演出が凝っていてあっという間に読み終えました😁