PROLOGUE(脚本)
〇要塞の廊下
10年前 魔王城 廊下
謎の女性「・・・・・・ごめんない もう こうするしか手はないの」
謎の少年「どうして? いや いやだよ お母さんもいっしょに逃げよう?」
謎の女性「それはできないわ 私が開いた”ゲート”を 自分で通ることはできないもの」
謎の少年「そんな なら僕も行かない 一人でなんていきたくない」
謎の女性「お願い そんなことを言わないで 私はあなたに生きていてほしいの お願いだから 何があっても命を大切にするって約束して」
謎の女性「お母さんとの最後の約束 ・・・お願い!!」
謎の少年「・・・うん 分かった 絶対に何があっても 命を大切にする お母さんと約束する」
マカイジン・サタヌス「向こうに 王女と王子がいたぞ なんとしても逃がすな」
マカイジン・ゴブル「逃さない 俺の手で つぶす!!」
マカイジン・イフ「燃やしつくす」
謎の女性「もう 時間がないわ 今すぐ ゲートを開く そこに飛び込むのよ いいわね」
謎の少年「うん ・・・分かった お母さん 僕は絶対に命を大切にする そして この世界を絶対に平和にしてみせるから」
謎の女性「ええ あなたはお父さんとお母さんの子 絶対に優しさを忘れないで 離れていても 愛しているわ」
謎の少年「お母さん 大好きだよ 愛してる ・・・・・・またね」
謎の女性「・・・・・・愛しているわ ジン」
マカイジン・サタヌス「見つけたぞ 王女様 ・・・王子は 逃したのか まぁ 良いだろう」
マカイジン・サタヌス「貴女とあの男を殺し 私がこの世界の 真の王となる 死ね!!」
謎の女性(・・・・・・愛しているわ ジン 絶対に 強く 優しく 生きて・・・)
〇教室
私立九十九学園 2年1組教室
キーンコーンカーンコーン
青柳 桜「ねえねえ 仁くん 今日の放課後って 予定とかある?」
龍崎 仁「いや 今日は道場もないし他にも予定はないかな」
青柳 桜「そっか でも仁くんってすごいよね 幼い頃からずっとトレーニングしてるもんね」
龍崎 仁「いや 全然凄くなんかないよ やればやるだけ 身についてるなぁって実感できるのが好きなだけだからね」
青柳 桜「えーっ それを続けられるのがすごいんだよ!! でもそっか だから仁くんは勉強もできるんだね」
龍崎 仁「いやいや 桜ちゃんの方がよっぽど勉強できるでしょ? この間の中間テストだって クラスで1番だったんだし」
龍崎 仁「幼なじみとして鼻が高いよ」
青柳 桜「そんなに褒められたら 照れちゃうよ それでさ 今日特に予定ないんだったら 私と付き合ってよ!!」
龍崎 仁「えっ 付き合ってって・・・」
青柳 桜「えっ ・・・あっ 違うよ いや 違くもないんだけど違うよ 買い物!! ・・・そう買い物に付き合ってってこと!!」
龍崎 仁「そ そっか・・・ そうだよね・・・ なんか 勘違いしちゃった はは・・・」
青柳 桜「じゃあ 今日の放課後 いっしょに買い物に付き合ってくれるってことで良いかな?」
龍崎 仁「うん オッケーだよ あっ そろそろ休み時間も終わるね じゃ 放課後楽しみにしてるね」
〇SHIBUYA109
商業ビル周辺
龍崎 仁「そういえばさ 買い物って何を買うんだ? どこに行くかも聞いてなかったよ」
青柳 桜「うん スマホのカバーが壊れちゃったから 新しいのにしようと思うんだ」
龍崎 仁「それは良いね でも・・・俺がいっしょに行く意味ってあったかな?」
青柳 桜「えーっ あるよぉ~」
青柳 桜「仁くん センス良いから選んでもらおうと思ってるんだ~」
龍崎 仁「マジか ・・・それは責任重大だな」
青柳 桜「そうですよ~ 仁くんの責任は重いのです なんちゃって」
龍崎 仁「ところで 天気悪くなってきたね お目当てのお店ってまだ遠い?」
青柳 桜「わわわ 本当だ でも もうすぐそこだよ ほら あのビルの中に・・・」
青柳 桜「キャーーーッ!!」
〇SHIBUYA109
キャーッ!!
何 何なの?
燃えてる 街が燃えてる
助けてーっ
青柳 桜「何? 何がおきたの? 突然 空から炎が降ってきて・・・」
青柳 桜「ねぇ 仁くん大丈夫かな? 私 怖い・・・」
龍崎 仁(この炎は 間違えるはずがない あの日 僕たちの住む城を燃やしたものと同じ・・・)
龍崎 仁(魔界の火だ!!)
青柳 桜「・・・くん 仁くん!!」
龍崎 仁「ごっ ごめん!! 考えごとをしていた」
龍崎 仁「ここにいたら危険だ!! まずは逃げよう!!」
青柳 桜「うっ・・・うん」
青柳 桜「怖い 怖いよう 仁くん・・・」
龍崎 仁「大丈夫 きっと大丈夫だよ」
龍崎 仁(まさか やつらがこんなに早く こっちに来るなんてな)
???「脆い 脆いな こちらの世界は」
龍崎 仁「危ないっ!!」
青柳 桜「きゃっ!!」
龍崎 仁「・・・怪我してない? 桜ちゃん」
青柳 桜「うっ ・・・うん ・・・でも仁くんこそ 怪我してるよ?」
龍崎 仁「俺は平気だよ でも そんなことより・・・」
マカイジン・イフ「燃えろ 燃えつきろ!!」
青柳 桜「なっ 何? あの化け物は?」
龍崎 仁「・・・あいつは マカイジン 異世界に住む魔界の住人だよ」
マカイジン・イフ「ほう 貴様は私を知っているのか?」
マカイジン・イフ「私はマカイジン・イフ 炎を司る魔人にして この世界を燃やしつくす者!!」
マカイジン・イフ「なぜこの私を知っているのか知らんが 2人まとめて 燃えつきろ!!」
青柳 桜「キャーーーッ!!」
〇SHIBUYA109
マカイジン・イフ「やはり人間は脆い この私の炎を受けて生き延びることは不可能だ!!」
???「いや お前の炎ではもう誰も燃やしつくすことはできないな!!」
マカイジン・イフ「なに? この俺の炎を受けて生きていられるだと?」
マカイジン・イフ「さては 貴様 人間ではないな?」
???「ああ 俺もマカイジン ・・・いや いずれ貴様らを滅ぼし魔界の王となる者」
マカイオー・ジン「魔界と地球の平和を守る者 マカイオー・ジン!!」
マカイジン・イフ「マカイオーだと? ・・・その名は 我が主のみに許された称号!! 貴様 許さんぞ!!」
マカイオー・ジン「違う!! 俺はお前の主とやらを マカイオーとは認めない!!」
青柳 桜「・・・・・・ねえ 姿は変わっても あなたは仁くんなんだよね?」
マカイオー・ジン「・・・うん 隠していて 黙っていて ごめん・・・ でもこれが 俺のもう一つの姿なんだ・・・」
マカイオー・ジン「桜ちゃんを怖がらせるつもりはなかったんだ・・・ こんな怪人のような姿 きっと嫌だよね・・・」
青柳 桜「ううん 怖くなんかないよ だって また私を助けてくれたんだもの どんなに姿が変わっても 仁くんは仁くんだよ」
マカイオー・ジン「・・・ありがとう あとで ちゃんと話すから」
マカイオー・ジン「まずは あいつを倒してからだ!! 桜ちゃんは 安全なところに逃げてて!!」
青柳 桜「うん 仁くん またあとでね!! 絶対に自分の命を大切にしてね!!」
マカイオー・ジン(命を大切にしてね・・・か 母さんだけじゃなくて 桜ちゃんとも約束した以上 絶対に守らないとな!!)
マカイジン・イフ「あの女に遺言は残せたか? まあ お前を燃やした後ですぐに燃やしてしまうがな!!」
マカイオー・ジン「そんなことはさせない!! もう俺は大切な人の命を取りこぼしたりはしない!!」
マカイジン・イフ「・・・そうか お前はあの日逃げ延びた元王子か ついてるな」
マカイジン・イフ「あの日燃やしつくすことができなかったのは 心残りだったからなぁ!!」
マカイオー・ジン「そんな攻撃をくらうものか!!」
マカイジン・イフ「・・・なんというスピードだ!! まるで当たりはしない!? ならばもっと高火力で!!」
マカイジン・イフ「やったか!?」
マカイオー・ジン「・・・・・・そんなものか? ならば こちらからもいくぞ!!」
マカイジン・イフ「・・・ぐっ」
マカイオー・ジン「うおぉぉぉぉ!!!!」
マカイジン・イフ「ぐっ・・・・・・ぐわあぁぁぁ!!」
マカイオー・ジン「この世界を 俺の故郷のようにはさせない!! この俺が守りぬいてみせる!!」
マカイオー・ジン「お前を絶対に許さない!! これで終わりだ!!」
マカイオー・ジン(・・・父さん 母さん 俺に力を貸してくれ!!)
マカイオー・ジン「必殺 魔拳デーモン!!」
マカイジン・イフ「ぐっぐわぁぁぁ!! こんなやつに こんなやつにぃ!!」
〇SHIBUYA109
マカイオー・ジン「倒せた・・・ 俺は 母さんや父さんの敵を討てたのか!? でも・・・」
マカイオー・ジン(俺は ちゃんと守れるのだろうか? 俺にとって もう一つの故郷ともいえるこの世界を・・・)
青柳 桜「仁くーん!!」
マカイオー・ジン「桜ちゃん 良かった 怪我してない?」
青柳 桜「うん 仁くんが守ってくれたから あの怪物を倒してくれたのも 見てたよ」
青柳 桜「・・・その かっこよかった!!」
龍崎 仁「ありがとう!!」
青柳 桜「わわっ いつもの仁くんに戻った!!」
龍崎 仁「うん こっちも俺にとっては本当の姿であることに変わりはないからね!!」
青柳 桜「うん どっちの姿でも仁くんは私にとって大切な人には変わらないよ」
龍崎 仁「あっ ありがとう・・・」
青柳 桜「ねえ 落ち着いたらさ 買い物 また付き合ってよね」
龍崎 仁「もちろん!! よろこんで!!」
龍崎 仁(うん この笑顔は俺が守ったんだ これからも 絶対に大切な命を守りぬいてみせる!!)
〇闇の要塞
魔王城
マカイオー・サタヌス「・・・・・・ほう 異世界への侵攻の先兵として送った イフが葬られた・・・だと!?」
マカイジン・ゴブル「・・・・・・はい 向こうの世界には こちらの世界以上に強い者がいるのかもしれません」
マカイオー・サタヌス「・・・もしかしたら あの日取り逃がした王子が 我らへの復讐の機会を伺っていたのかもしれぬな!!」
マカイジン・ゴブル「なんですって!? だとしたら 取り逃がした我らの責任 ぜひ私に侵攻をお許しください!!」
???「いや その任務は俺の方が適任だ!!」
マカイオー・サタヌス「ふっ 来たか マカイジン・チカ!!」
マカイジン・チカ「もし・・・ジンが生きているというなら この俺が息の根を止めてやる!!」
マカイジン・チカ「実の兄である この俺の手で!!」
〇警察署の入口
警察署
龍崎 巧「とうとう このときがきてしまった!! 異世界からの襲撃が 今日発生した!!」
龍崎 巧「まだ情報は伏せさせているが いつまで隠しとおせるものでもない!! 何しろ 大勢の民間人に目撃されている」
龍崎 巧「一般人の間に魔界の存在が漏れるのも時間の問題だろう・・・ このままでは パニックになりかねん!!」
青柳 忍「何を言ってるんですか? 奴らが来ることは かなり前から想定できていたことですよ」
青柳 忍「そのための準備もできているではないですか!!」
青柳 忍「魔神装甲!!」
龍崎 巧「そうだ!! 私たちの世界を守ることは 私たち警察の仕事だ!!」
魔神装甲 壱型「魔界からの襲撃者とやら 覚悟しておけ!! この俺の力で 撃墜してみせる!!」
〇華やかな寮
こうして
魔界からの逃亡者マカイオー・ジンの
両親を殺され故郷を奪われた復讐と
世界を守るための戦いが幕をあけた!!
しかし もしかしたら
この物語は 世界中どこにでもありふれた
若者たちの 青春の物語なのかもしれない
まさかジンに実の兄がいたなんて、ラストで驚かされました。いずれ兄弟の戦いのシーンがあるのかと思うと切ないです。チカはなぜ魔王側の味方につくことになったのか。新たな疑問が湧いてきました。
桜ちゃんの仁くんに対するリスペクトというか、偏見のなさが本当に純粋で素晴らしいなぁと思いました。仁くんもお母さんとの約束を心に留めて、一生懸命過ごしていてえらいですね。
母との悲しい別れがこんなにもジン君を大きく成長させたのですね、感動です。一般男子の姿においても、桜ちゃんのように理解ある素敵なガールフレンドを得て、まさに彼こそが世に平和を取り戻してくれる戦士のように感じました。