第四話「犬命救・・・助!?」(脚本)
〇豪華な部屋
その日は突然訪れた・・・
騎士領の中でもかなり力を持つ貴族からの依頼
しかし母様はその日体調を崩していた
病気は私の使える回復魔法では治せない
母様の側にいるか
貴族のもとに行くか
悩んだ挙げ句に私が出した結論は・・・
1人で貴族の所へ行く事だった
だが・・・
母様の喜ぶ顔を想像しながら
意気揚々と帰ってきた私を待っていたのは
荒らされた家と
冷たくなった母様だった・・・
これが私の短い人生の中で犯した
最大の間違いだ
〇英国風の部屋
前回のあらすじ・・・
人間掃除機の神官様が出会ったのは
犬様だった
幽霊様には悪いと思いつつ
犬様を拾ってきた神官様だったが・・・
目を離した隙に
犬様は謎の2人組に連れさられ・・・た?
ガーベラ「ただいま戻りました・・・」
ミカノチ「オカエ・・・」
ミカノチ「何かあったネ?」
ガーベラ「犬様が・・・」
ミカノチ「サッキの犬がどうしたネ?」
???(アキラ)「犬さんがいなくなったんです」
ガーベラ「私が食べ物に夢中になっていたばかりに・・・」
???(アキラ)(夢中になってる自覚はあったんだ・・・)
ガーベラ「幽霊様 今何か失礼な事考えませんでした?」
???(アキラ)「エスパー!?」
???(アキラ)「ご、ごめんなさい」
???(アキラ)「まぁ俺も全然見ていなかったので ガーベラさんだけのせいじゃないですよ」
ミカノチ「そもそも」
ミカノチ「フツウニ飼い主の所に帰ったんじゃないネ?」
ガーベラ「それは・・・」
ガーベラ「確かにそうかも知れませんね」
ガーベラ「それなら少しは気が楽です」
ミカノチ「ジャアこれからの事について話し合うネ」
???(アキラ)「はい」
ミカノチ「ワガナカまで四日掛かるところガ トウゾク騒ぎの馬車に送って貰ったお陰デ」
ミカノチ「フツカまで短縮出来たネ」
???(アキラ)「二日も!?」
ミカノチ「コノ、ギチトの町なら ワガナカ行きの駅馬車があるネ」
ミカノチ「ソレニさえ乗れれば後は寝てても着くヨ」
ミカノチ「サッキ信仰騎士の所に行った時ニ キョウノ夕方に馬車が出るのも確認済みネ」
ミカノチ「ツイデに3人分の切符も購入したヨ」
???(アキラ)「手際が良い! ミカノチさん凄いです!」
ミカノチ「デモ・・・」
???(アキラ)「でも?」
ミカノチ「ドンナに手際が良くてモ」
ミカノチ「アノ、キキョウって娘には 喋りかけないで下さい イワレたネ」
???(アキラ)「行動とメンタルの落差!」
???(アキラ)「さらっと凄いことしてるのに メンタル何処に落としてきたんですか・・・」
???(アキラ)「ガーベラさんも何とか言ってあげ・・・」
ガーベラ「あっ、申し訳ありません 何でしょうか?」
???(アキラ)(さっきからずっと悲しそうだな)
???(アキラ)(やっぱり犬さんの事が気になって・・・)
???(アキラ)「ミカノチさんがワガナカ行きの馬車の切符を 購入してくれたみたいです」
ガーベラ「そう・・・なんですか」
ガーベラ「それは良かったです」
???(アキラ)(良かったっていう笑顔には見えないな)
???(アキラ)(とりあえず雰囲気を変えるために 一番気になってた事を聞いてみるか)
???(アキラ)「ガーベラさん」
ガーベラ「はい?」
???(アキラ)「以前にボディから漏れ出たソウルは 少しずつ消滅していくと言いましたよね?」
ガーベラ「そうですね」
???(アキラ)「なら今の俺はどうなるんですか?」
ガーベラ「それは・・・」
ガーベラ「正直な所、分からないのです」
???(アキラ)「でも俺のソウルは今のこの体に すっぽりと収まってるんですよね?」
???(アキラ)「それなら少なくとも 俺が消滅する事はなくなったんじゃ?」
ガーベラ「いえ、実際はボディがあっても ソウル自体はほんの少しですが消えていきます」
???(アキラ)「え?」
ガーベラ「ソウルだけで行動していた幽霊様と比べると 微々たるものですが生きている限りは・・・」
ガーベラ「他にも魔法を使ったり、心に深い傷を負ったり ソウルが減ったり消える要因は沢山あります」
???(アキラ)「じゃあこの世界の人たちは 直ぐに亡くなってしまうんじゃ?」
ガーベラ「そうはならないのです」
???(アキラ)「どうして?」
ガーベラ「それはボディとソウルが お互いを補い合うからです」
???(アキラ)「補い合う?」
ガーベラ「ボディが傷を負った場合 回復魔法や療養する事などでそれは治ります」
ガーベラ「なら傷を負う前の状態にどう戻っているのか?」
???(アキラ)「ただ傷が塞がったって事なんじゃ?」
ガーベラ「いいえ」
ガーベラ「ボディが傷を負う前の状態に戻るのは ソウルに刻まれたボディの記憶があるからです」
???(アキラ)「記憶・・・」
ガーベラ「ソウルに刻まれた傷付く前のボディの記憶」
ガーベラ「ボディはそのソウルにある記憶を元に 回復魔法や療養などを経て」
ガーベラ「傷付く前の本来のボディに修復されるのです」
???(アキラ)(ソウルの中にボディのデータのバックアップ があるみたいな感じか?)
ガーベラ「それはソウルの場合も同様です」
ガーベラ「ソウルが失われた時 ボディに刻まれたソウルの記憶を元に」
ガーベラ「療養などを経て 失われる前のソウルの姿に戻るのです」
???(アキラ)(なるほど)
???(アキラ)(ボディの中にもソウルの データのバックアップがあると・・・)
ガーベラ「そこで先程の話に戻るのですが 幽霊様は現在・・・」
ガーベラ「幽霊様自身のソウルと」
ガーベラ「別の人間のボディ」
ガーベラ「それらが同居している状態です」
ガーベラ「なので失ったソウルが元に戻るか もしくは戻ったとしても正常な状態なのか」
ガーベラ「私にも分からないのです」
???(アキラ)「本来ならソウルを補ってくれる筈のボディが 別人のものだから」
???(アキラ)「例えソウルがボディの中に収まっていても 今後どうなるか分からないって事ですね?」
ガーベラ「はい」
???(アキラ)(はぁ・・・)
???(アキラ)(結局俺の状況はソウルだけだった時と 大して変わってないって事か)
???(アキラ)(まぁ、でもどちらにしても・・・)
???(アキラ)「俺決めました」
???(アキラ)「どうするのか、どうなるのかは まだ分からないですけど・・・」
???(アキラ)「ワガナカに辿り着いて 蘇生魔法で生き返る事が出来たら」
???(アキラ)「この体を信仰領の中央都市まで 持っていこうと思います」
ミカノチ「ソレハ本気で言ってるネ?」
???(アキラ)「はい」
???(アキラ)「元々この体に入ってしまった時から 考えてました」
???(アキラ)「この体が誰なのかは分からないですが・・・ 運搬専門の馬車に無理矢理乗ってまで」
???(アキラ)「この体の持ち主が行こうとしていた 信仰領の中央都市」
???(アキラ)「きっとそこにはこの体の持ち主が そこまでして会いたかった誰かがいる筈」
???(アキラ)「だからその人にこの体を届けてあげたいんです」
???(アキラ)「この体の持ち主がそれを望んでいるかは 俺には分かりませんが」
???(アキラ)「それが、意図的ではないとはいえ」
???(アキラ)「この体を借りてしまった俺が出来る 最低限の事だと思うんです」
「・・・・・・」
???(アキラ)「どうしました?」
ミカノチ「トンだお人好しネ」
ガーベラ「私はとても良い提案だと思います」
ガーベラ「残念ながら私はその旅に 同行は出来ませんが・・・」
ガーベラ「ワガナカまでは幽霊様を絶対に送り届けます」
???(アキラ)「ありがとうございます」
ガーベラ「ミカノチ様?」
ミカノチ「ハァ・・・」
ミカノチ「ドチラにしてもワガナカまでノ アンナイの料金は神官に貰ってるネ」
ミカノチ「ツイテその後どうするかは幽霊の自由ヨ」
ミカノチ「だから・・・」
ミカノチ「我に付いてくればワガナカの半分をやろう」
???(アキラ)「土地の譲渡!?」
???(アキラ)「ただ案内するだけにして下さい・・・」
〇英国風の部屋
???(アキラ)「ガーベラさ・・・」
???(アキラ)(話が終わってからも ずっと元気がなさそうだな)
???(アキラ)(やっぱり犬さんの事が・・・)
???(アキラ)「ミカノチさん」
ミカノチ「ソロソロ馬車の時間ネ」
ミカノチ「神官」
ガーベラ「は、はい」
ミカノチ「ソロソロ馬車の時間ヨ?」
ガーベラ「そう・・・ですか・・・」
ガーベラ「では、行きましょうか」
???(アキラ)「はぁ・・・」
???(アキラ)「ガーベラさん」
ガーベラ「はい」
???(アキラ)「俺言いましたよね?」
ガーベラ「何の話でしょう?」
???(アキラ)「俺に遠慮なんかしないで下さい」
ガーベラ「それは・・・」
???(アキラ)「俺はガーベラさんがいなかったら 何にも分からないまま」
???(アキラ)「そのまま消えてしまっていたかも知れません」
???(アキラ)「自分が誰なのか 記憶は相変わらず戻ってませんが」
???(アキラ)「自分の状況や この世界の事を少しは知れたり」
???(アキラ)「今この場にいるのもガーベラさんのお陰です」
???(アキラ)「だから・・・」
???(アキラ)「どうしたいのかハッキリ教えて下さい」
ガーベラ「・・・」
ガーベラ「私は・・・」
ガーベラ「犬様が何処にいるのか・・・ 知りたい・・・です」
ガーベラ「もし飼い主の元に戻れているのなら・・・ それを直接確認したいです」
???(アキラ)「・・・」
???(アキラ)「なら犬さんを探しに行きましょうか」
ミカノチ「ホンキネ?」
ミカノチ「イマ探しに行ったら馬車に乗れないヨ?」
ミカノチ「ソレでもいいネ?」
???(アキラ)「盗賊騒ぎの馬車のお陰で 少しは時間が出来ましたし」
???(アキラ)「それにさっきの話からこの状態ならもう少し 消滅までの期限も余裕があると思うので」
???(アキラ)「俺は大丈夫だと思います」
ミカノチ「ソレだって確かな数字や情報じゃないヨ?」
ミカノチ「ホントウにそれでいいネ?」
???(アキラ)「はい」
ミカノチ「・・・」
???(アキラ)「ガーベラさん 犬さんを探しに行きましょう」
ガーベラ「幽霊様・・・」
ガーベラ「ありがとうございます」
???(アキラ)「じゃあ早速・・・」
ミカノチ「・・・」
ミカノチ「コノ広い町からあの犬1匹ヲ サガスのに何時間掛かると思うネ?」
???(アキラ)「それでも探しに行きます」
ミカノチ「ソウイウ意味じゃないネ」
ミカノチ「千里眼」
ミカノチ「ミツけたネ」
ガーベラ「本当ですか!」
???(アキラ)(今ミカノチさんの目 一瞬金色になってなかったか?)
ミカノチ「バショはこれに描き込んだヨ」
ミカノチ「ココに二人分用意したからそれぞれ持ってくネ」
ガーベラ「ミカノチ様ありがとうございます」
???(アキラ)「あっガーベラさん待っ・・・」
ミカノチ「幽霊」
???(アキラ)「はい?」
ミカノチ「帰って来たら話したい事がある」
???(アキラ)「分かりました」
???(アキラ)「じゃあ行ってきます」
ミカノチ「・・・」
〇中東の街
???(アキラ)(ガーベラさん速いな もう姿が見えない)
???(アキラ)(ミカノチさんの話って何なんだろう?)
???(アキラ)(あの人たまに片言じゃなくなるんだよな・・・)
???(アキラ)「というかこの地図・・・」
???(アキラ)「ココって・・・」
???(アキラ)「何処ネ!?」
???(アキラ)(まぁ、とりあえずで行くしかないか)
???(アキラ)(この角を曲がって・・・)
???(アキラ)「あっ、ごめんなさ・・・」
???(アキラ)「え?」
続く・・・