恋のラリーはのらりくらりー(脚本)
〇体育館の中
──2022年3月31日
明日、日本人の成人年齢は男女ともに18歳になる。
今日は女性が16歳で結婚できる最後の日。
川上たかし「こはる!! 俺と結婚してくれ!」
川下こはる「・・・卓球の練習は?」
川上たかし「今日の練習メニューは、 ①ウォーミングアップ ②婚姻 ③スマッシュの打ち込み この3つだ。気合い入れろ!」
川下こはる「気合いで婚姻はムリだよ・・・ だいたいウチまだ16だよ?」
川上たかし「ダメ・・・なのか・・・?」
川下こはる「バカ・・・なのね・・・?」
川上たかし「今日じゃなきゃダメなんだ──」
〇更衣室
川上たかし「・・・マジか」
岡田くみ「うん。 コーチと話してるとこ聞こえたって子がいて・・・」
岡田くみ「アンタは知っておいた方がいいと思うから」
川上たかし「サンキュ。 ・・・ちょっと顔洗ってくる」
川上たかし「こはるに、4月から中国で卓球留学の話か」
〇体育館の中
ジョナサン「ウォーミングアップを制する者は、試合を制す! 手を抜くな!気合を入れろ!!」
ジョナサンは、元エクアドル代表の卓球選手だ。
オリンピック3連覇を成し遂げたこの男に憧れ、たかしはラケットを手にした。
ジョナサン「腰を伸ばせ腑抜けども!!」
川下こはる「はい!!」
川上たかし「婚姻!!」
「この男の後ろにピンポン球はない。
あるとしたら、それは球ではなく、弾だ」
──────────川上たかし──
ジョナサン「たかし! 貴様は4月からプロの選手なんだぞ! 自覚が足りん!! 肩甲骨をもっと回せ!!」
川上たかし「婚姻!!!」
川下こはる「ちょっと! たかしふざけすぎだよ。 さっきから婚姻って言ってるでしょ!?」
川上たかし「こはる... 俺は真剣だ。 ...俺と結婚してくれ」
川下こはる「ちょっ/// コーチもいるんだから!!」
ジョナサン「...なるほど。 たかし...侍になったな... ここからは自主練だ。好きにするといい。 エクアドルで会おう」
川上たかし「ありがとうワトソン」
川下こはる「ジョナサンでしょ! 吹き出しもジョナサンだったし! ・・・だよね?」
川上たかし「明日、2022年4月1日から女性の成人年齢が引き上げられることは知ってるよな? 18歳以上から大人と認められるんだ」
川下こはる「つまり、16歳のわたしは今日結婚しないと、あと2年待たなきゃいけなくなるってことね。 2年は長いなぁ」
川上たかし「そういうことだ。 だからな──」
川下こはる「私と結婚してください」
川上たかし「よく言えました。 ・・・って!ええ!?」
川下こはる「女は度胸、でしょ。 わ、わたしだって2年待つのって耐えられないし。 け、結婚してください!!」
川下こはる「ジョナサンコーチ!!!!!」
ジョナサン「心の底から嬉しく思うよ。 ジョナサンもこはるを愛している。 さぁエクアドルへ行こう。マイハニー」
川上たかし「・・・おめでとうこはる。ワトソン。 オリンピックで会おう」
ー2030年ー
エクアドルオリンピック卓球
こはる×ジョナサンペアはダブルスで快進撃を続け金メダルを手にした。
たかしの卓球はまだまだつづく。
くまグミ先生の次回作にご期待ください。
ーーーーーーーーーーーーーーfinーーーー
最初から最後までの怒涛の展開❗️こういう作品好きです🤣
たかしの最初から勢いのある感じが個人的凄く好きです
えー!そんなー!と思わず声がでそうなフィナーレでした。彼女のしたたかぶりが少し気に触ってしまいましたが、女性の方が精神年齢は遥かに上なのでしょうね。