④第2ステージ・フレーズ紹介(脚本)
〇おしゃれな教室
山里先生「第2ステージでは、紹介役から各フレーズを紹介してもらいます。 と言っても・・・まだ、どんな本から見つけたかは内緒だよ」
山里先生「どうしてそのフレーズにしたのか、それに決めた理由や気持ちを話してほしいんだ」
山里先生「じゃあまず、(ア)の紹介役の崎本、どうしてこのフレーズになったか、簡単に説明してもらえるかい?」
めぐる「はい・・・」
しかし、めぐるとしては困ってしまう。
なにしろ(ア)のフレーズを選んだのはめぐるではない。戸橋くんなのだ。
めぐる「えーと・・・戸橋くんがこのフレーズを選んだ理由・・・特になかったかなー、って思います」
教室のあちこちで失笑が涌いた。
めぐるの曖昧な喋り方が笑えるらしい。
それならと、めぐるは一通り話してしまうことにした。
めぐる「ほんと、たまたまだったんですよ。 戸橋くん、本棚もろくに見ないで1冊とって、ぱっとページを開いて・・・」
めぐる「「これにする!」って指さしたの。 たまたまそれが、(ア)のフレーズでした!」
(ア)
その宝石を見ただけで
少女は魔女にかわってしまった
めぐる「・・・でも、いいフレーズですよね。 私、ぱっと見た時、いいなって思ったんです。戸橋くんより私の方が気に入っちゃいました!」
めぐる「・・・って感じで、いいですか?」
最後は山里先生への質問になった。
先生はにっこり笑って拍手してくれた。
山里先生「オッケーオッケー。いい感じでフレーズの紹介になったと思います。 戸橋と偶然が導いた、運命的なフレーズだったってわけだ!」
「他の紹介役の3人も、今みたいに話してくれればいいからね。 じゃ、次は(イ)のフレーズを見つけてくれた島津、よろしく!」
(イ)
やってもいないのに、無理って言うな
島津「えーと、このフレーズは・・・・・・ ある小説の、後書きからとりました」
島津「好きな小説なんで、そこからフレーズを見つけよう、って思ってたんだけど、読み返してるうちに、これが一番カッコいいと思って」
島津「後書きによると・・・ この一言があったから、その小説が書けたみたいです。だからある意味、小説を生みだしたフレーズかなーと」
島津「そう考えたら、これしかないなって思えてきました。 以上でーす」
山里先生「はい、ありがとう。 次は(ウ)のフレーズだね。紹介役は・・・へえ、小板橋だったのか。 じゃあよろしく!」
小板橋「どーもー。ご紹介にあずかりました、小板橋でーす」
小板橋さんがおどけた声で挨拶すると拍手が涌いた。
明るい性格で、クラスでも人気が高い人なのだ。
小板橋「先生はさっき、どんな本かは内緒って言ってたけど・・・ あたしが選んだフレーズ、ネタバレです! すばり本のタイトルだもん!」
(ウ)
トンカツの丸かじり
小板橋「ほら、うちって食堂やってるでしょ? お客さんが食事中に読めるように、店の隅に本棚が置いてあるんです」
小板橋「だいたいは雑誌とか漫画とかが置いてあるんだけど、中には字だけの本もあります。ってか、挿絵のイラストくらいは入ってるけどね」
小板橋「フレーズ探しの宿題が出た時、そういう本から何か見つけようって思ったの。 でもその本棚を眺めてるうちに、気づいたんです!」
小板橋「なんだ、このタイトルでいいじゃん。このまんまで面白いじゃんって。 トンカツ丸かじりなんて、豪快でいいよねー」
小板橋「そんなわけで、この(ウ)のフレーズは、本を開かないで決めたフレーズです!」
小板橋「だから、さっき第一印象で何人かに選んでもらえて嬉しかった。わりとイージーに決めたのに選んでもらえたーって」
小板橋「でも戸橋はもっとイージーに選んでたの? それで票も多いって悔しい! (ウ)に投票してくれた人、ありがと! 次は勝とうね!」
紹介の最後も拍手でしめくくられた。
小板橋さんの人気のせいか、なんだかアイドルグループの人気投票みたいな雰囲気になった。
山里先生「それじゃ最後に残った、(エ)のフレーズ。これの紹介役は掛井ってことだね。よろしく!」
掛井「あの・・・さっき小板橋さんの話を聞いてて戸惑ったんですけど、フレーズって、漫画から選んでもよかったんですよね?」
山里先生「ああ、もちろん。漫画だっていいんだよ。 とにかく本から見つけたフレーズなら、漫画だって絵本だって写真集だっていいんだ」
掛井「よかった。ちょっと不安になっちゃった。 えっと、これは大好きな漫画の台詞です!」
(エ)
昨日から学び
今日に生き
明日に期待する
今日の午後は休もう
掛井「もともと好きな漫画で好きなキャラだったので選びました。よろしくお願いしまーす」
掛井さんの話は短かった。
でも顔はにこにこしたままで、本当にその漫画やそのフレーズが好きなことは伝わってくる。
山里先生「さあ、4人の紹介役からフレーズを紹介してもらったところで、第2投票。 それぞれの紹介を踏まえて、一つ選んでください!」