エピソード4 双子のオーラ(脚本)
〇応接室
スピリチュアル探偵GENJI「おはよう」
謎の男パトソン「おはよう」
スピリチュアル探偵GENJI「なんで今日もパジャマなんだ?」
謎の男パトソン「これが昨日と同じパジャマに見えるのか?」
スピリチュアル探偵GENJI「見える」
謎の男パトソン「昨日と違うパジャマだ」
スピリチュアル探偵GENJI「この話はあとにしよう。 お客様が来たようだ」
相談者「よろしくお願いいたします!! バイト前に来ました!」
相談者「双子の姉の方、ミクルです」
相談者「双子の妹のタマキです」
スピリチュアル探偵GENJI「よろしくお願いいたします。 お二人からの相談ですね?」
相談者「はい!! 聞いてください!」
相談者「この間、二人で占い屋さんで、オーラ占いをしてもらったんです」
相談者「私は赤でした」
相談者「私は青でした! でも納得できなくて」
スピリチュアル探偵GENJI「なぜですか?」
相談者「私のオーラは赤でなく、青だと思うんです」
相談者「私のオーラは青でなく、赤だと思うんです」
相談者「なんかオーラ占いしてから、ずっとモヤモヤしちゃって」
相談者「オーラ占いが間違えてると思うんです!正しい判定をしてほしいんです! 探偵さんに頼むのは変かもしれないけど」
スピリチュアル探偵GENJI「大丈夫です。 私は探偵ではなく、スピリチュアル探偵ですから」
スピリチュアル探偵GENJI「ではこらからスピリチュアル再確認に入ります」
〇水中
目を閉じてください
あなたたちのオーラを再確認します
色を確認する前に言っておきます
オーラはあなたから放たれるただの色であって、あなた自身ではないです
オーラの色が何色であってもあなたの過去や未来には何も関係ありません
オーラはオーラです
相談者「・・・・・・!」
もしもオーラがどうしても必要なら、オーラのオーラにあなたがなればいいんです
あなた自身を思う存分放ってください
相談者「うっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
相談者「・・・・・・オーラの色の再確認、もうしなくてもいいです!」
相談者「私もです」
分かりました。
では、目を開けて下さい
相談者「はい」
相談者「なんか、すっきりしました! 本当にありがとうございました!」
相談者「私もです。 ありがとうございました!!」
〇応接室
謎の男パトソン「二人とも元気に帰っていって良かったな」
スピリチュアル探偵GENJI「そうだな」
謎の男パトソン「彼女たちの本当の悩みに気付いていたんだろ?」
スピリチュアル探偵GENJI「なんのことだ?」
謎の男パトソン「またそうやって・・・・・・!! しらこいがすぎるわ!」
謎の男パトソン「彼女たちが、オーラ占いの結果に満足しなかったのは、自分の色と違っていたからだろ?」
謎の男パトソン「二人はアイドルの卵で、メンバーカラーと、オーラの色が違うことが、どうしても気に入らなかったんだろう」
謎の男パトソン「『アイドルにはオーラが必要』という言葉を『アイドルにはメンカラと同じオーラが必要』と解釈してしまったから」
謎の男パトソン「その流れで、メンバーカラーの色とオーラの色が、同じであればアイドルとして活躍できる、と思いこんでしまった」
謎の男パトソン「君はその思い込みから解放したんだ」
スピリチュアル探偵GENJI「彼女たちが、自分で気付いたんだよ」
謎の男パトソン「『オーラのオーラになればいい』か」
謎の男パトソン「もっとオーラも自分も自由でいいことに気付いたんだな」
謎の男パトソン「肩の力がぬけつつ、ある種の力が加わって、 素敵なアイドルになりそうだな」
スピリチュアル探偵GENJI「スピリチュアルなパワーが、ね」
謎の男パトソン「そうなのかな」
スピリチュアル探偵GENJI「それより、なぜ今日もパジャマなんだ?」
謎の男パトソン「昨夜、パジャマで家に帰っただろう? そのまま眠る訳にいかず、新しいパジャマに着替えて寝た」
謎の男パトソン「朝、脱ぎ捨てたパジャマを見て、もう着替え終わってると勘違いして、このまま出掛けてしまったんだ」
謎の男パトソン「トラップに引っ掛かってしまったわけさ」
スピリチュアル探偵GENJI「単に寝惚けが過ぎていたたんだろ」
謎の男パトソン「おっ、次の方がいらっしゃったようだよ」