第52話 さらば!メタルナイト(脚本)
〇謁見の間
メタルナイト「ついに追い詰めたぞ!ビースト大首領!」
メタルナイト「世界征服の野望もここまでだ!」
ビースト大首領「ふはははは・・・」
ビースト大首領「私は追い詰められてなどいない」
ビースト大首領「おまえがここに誘い込まれたのだ!」
メタルナイト「何っ!?」
ビースト大首領「私の・・・本当の姿を見せてやるっ!!」
メタルナイト「これが・・・ビースト大首領の正体!」
キングビースト「キングビーストの姿になった私は・・・」
キングビースト「無敵だぁーーー!」
メタルナイト「俺は負けない!」
メタルナイト「平和を願う人々のために必ずおまえを倒す!」
メタルナイト「アルティメットファイナルナイトスラッシャァーー!」
キングビースト「百獣絶滅撃!!」
メタルナイト「うおおおおおお!」
キングビースト「ガアアアアアア!」
〇地球
世界征服を企んだ秘密結社ビーストはメタルナイトの活躍で壊滅した。
しかし、侵略の本拠地だった日本にはビーストに改造された怪人3000体が残った。
大首領の死と共に彼らの洗脳は解けたが、怪人を元の人間に戻すことは出来なかった。
日本政府は犯罪被害者として受け入れる怪人特別法を制定
全ての怪人は『人間』として扱われる事になった。
大首領と共に大爆発に巻き込まれたメタルナイトは現在も行方不明である。
〇工事現場
現場監督「なんだ!?今の音は? トラックが脱輪してる!」
トラック運転手「す、すいません 溝に気がつかなくて」
現場監督「怪我がなくて良かったが・・・ トラックを引き上げるのは大変だぞ」
現場監督「・・・そうだ! ゴウくん、ちょっとこっち来てくれるか?」
貝谷ゴウ「はい、なんでしょう?」
現場監督「ゴウくんは怪人だったよね?」
貝谷ゴウ「ええ、そうですがそれが何か?」
現場監督「良かった! このトラック、引き上げてくれないかな?」
貝谷ゴウ「ええっ?」
現場監督「怪人は変身すると強くなるんでしょ?」
貝谷ゴウ「いやぁ・・・まあそうですけど 俺には無理っすよ」
現場監督「困るよ〜 なんとかさ、ちょっとやってみてよ〜」
貝谷ゴウ「じゃあ、やってみますけど・・・ 期待しないで下さいね」
貝谷ゴウ「変身・・・」
ゴウ怪人態「フシュウウ・・・」
現場監督「おお!すごい! これならいけそうだ」
ゴウ怪人態「ウオオオオオオオ!」
怪人になったゴウはトラックを力いっぱい引っ張り上げた。
現場監督「トラック、全然動いてないけど全力でやってる?」
ゴウ怪人態「ハァ、ハァ、だ、だめだ・・・」
現場監督「え?ダメ? 怪人なのにどうして」
ゴウ怪人態「俺は怪人になっても3倍くらいの力しか出ないんスよ」
現場監督「なんだよ〜 見掛け倒しかぁ・・・」
蓮見秋人「わっはっはっは! プーパのゴウには無理だよなぁ」
ゴウ怪人態「蓮見さん!」
現場監督「ぷ、プーパ・・・?」
蓮見秋人「監督、こいつは怪人の赤ちゃんみたいなもんさ」
現場監督「怪人の赤ちゃん?」
蓮見秋人「プーパは素体怪人 人間と怪人の中間てとこだな」
蓮見秋人「トラックは俺が持ち上げてやるよ」
蓮見秋人「はぁぁぁ・・・!」
ハサミギラファー「ギィーラァー!」
現場監督「うわ!強そう!」
貝谷ゴウ「蓮見さんの変身するハサミギラファーは パワー重視の怪人なんですよ」
ハサミギラファー「危ねぇからどいてな!」
ハサミギラファー「ギィーラァー!!」
ハサミギラファーはトラックを軽々と持ち上げた。
ハサミギラファー「ふーっ、こんなもんだな」
現場監督「いや〜助かったよ! すごい力だね!さすが怪人!」
蓮見秋人「おう!パワーなら任せときな」
貝谷ゴウ「やっぱ、蓮見さんはすごいっすね!」
蓮見秋人「まあ変身すりゃあのくらいはな」
蓮見秋人「本当は怪人の力なんて無い方がいいんだが」
貝谷ゴウ「え?」
蓮見秋人「『狂い咲き』の件は知ってるだろ?」
貝谷ゴウ「はい、俺たちの体に埋め込まれた怪人細胞が暴走するあれですよね」
貝谷ゴウ「最近、暴れ出す怪人が増えた原因だとか」
蓮見秋人「狂い咲きが発症したら理性は消えて心まで怪物になるんだ」
蓮見秋人「今はまだ人を襲ってないからいいが」
蓮見秋人「もし人を襲えば俺ら怪人の居場所は無くなっちまう」
蓮見秋人「変身も出来るだけしない方がいい」
蓮見秋人「怪人を怖がってる奴らはたくさんいるからな」
貝谷ゴウ「はい」
蓮見秋人「こういう時こそ、怪人を止めるヒーローが必要なんだがなぁ」
蓮見秋人「メタルナイトはやっぱり死んだのかね」
貝谷ゴウ「そうかも知れません」
蓮見秋人「ところで、明日の怪人定期検査はどうする? 一緒に行くか?」
貝谷ゴウ「そうっすね よろしくお願いします」
〇病院の診察室
怪人専門医「はい、特に異常はないみたいね」
貝谷ゴウ「ありがとうございます」
怪人専門医「もう知ってると思うけど」
怪人専門医「『狂い咲き』の原因は分かってないから」
怪人専門医「無闇に変身しないようにしてくださいね」
貝谷ゴウ「わかりました」
怪人専門医「一応、怪人細胞安定剤を注射しておくわね」
〇病院の待合室
貝谷ゴウ「お待たせしました」
蓮見秋人「おう!どうだった?」
貝谷ゴウ「異常はないそうです」
蓮見秋人「俺もだ!お互い良かったな」
蓮見秋人「うっ・・・」
貝谷ゴウ「どうかしましたか?」
蓮見秋人「逃げろ・・・」
貝谷ゴウ「えっ?」
蓮見秋人「いいから!早く、逃げ・・・ロ・・・」
蓮見秋人「ううああアアアア!」
ハサミギラファー「ギ・・・ギ・・・ ギィーラァァァー!」
貝谷ゴウ「は、蓮見さん!まさか『狂い咲き』!」
職員「きゃああああ!」
職員「か、怪人!?変身してるぞ!」
ハサミギラファー「ギィーラァ!!」
ハサミギラファーは手当たり次第に暴れ出した!
貝谷ゴウ「俺じゃどうしようもない! 誰か呼ばないと!」
ハサミギラファー「ギギィーラァーファー!!!」
職員「い、いや、やめて・・・こないで」
ハサミギラファー「ギギギィー!」
職員「誰か!誰か、助けてぇぇ!」
何者かがハサミギラファーを蹴り飛ばした!
ハサミギラファー「ギィ!?」
職員「メ、メタルナイト!」
職員「メタルナイトが助けに来てくれた!」
メタルナイト「ここは俺に任せて早く逃げるんだ」
職員「はい!」
ハサミギラファー「ギィーラー!」
メタルナイト「・・・いくぞ」
メタルナイト「ナイトスラッシュ・・・!」
ハサミギラファー「グワァァァァ!」
職員「メタルナイトが怪人を倒した!」
職員「ありがとう!メタルナイト!」
職員「行ってしまった・・・」
蓮見秋人「うう・・・」
貝谷ゴウ「大丈夫ですか!?」
蓮見秋人「俺はいったい・・・」
怪人専門医「大丈夫?すぐに治療の準備をするわ!」
貝谷ゴウ「なぜ蓮見さんが突然「狂い咲き」したんだ?」
貝谷ゴウ「怪人細胞に異常はなかったはずじゃ・・・」
〇散らかった部屋
数日後・・・
貝谷ゴウ「蓮見さん、命に別状がなくて良かった」
貝谷ゴウ「退屈だから見舞いに来いってあの人らしい」
〇病院の待合室
貝谷ゴウ「誰かもいない・・・?」
〇病院の廊下
貝谷ゴウ「みんな何処に行ったんだ?」
貝谷ゴウ「!!」
オニトカゲス「カーゲー!」
貝谷ゴウ「か、怪人!?」
アーマースパイダー「グモモモモ・・・」
サイコクック「コケケケケケ!」
貝谷ゴウ「おい、どうしたんだ!?」
サイコクック「コケーケケケケ!」
貝谷ゴウ「うわっ! まさか「狂い咲き」か!?」
貝谷ゴウ「こうなったらやるしかない・・・!」
ゴウ怪人態「うおおおお!」
〇研究所の中枢
メタルナイト「病院の奥にこんな場所が」
ドクロムシャ「ムーシャッシャシャ!」
ドクロムシャ「やはり生きていたか、メタルナイト!」
メタルナイト「話ができるということは・・・ 狂い咲きじゃないのか!?」
ドクロムシャ「ムシャシャシャ・・・ 俺は自分の意思で変身しているのだ!」
怪人専門医「た、助けて! 病院が怪人達に占拠されて・・・」
メタルナイト「何が目的だ! 秘密結社ビーストは壊滅した もう戦う必要はないんだ」
ドクロムシャ「うるさい!俺たち怪人がいる限りビーストは不滅だ!」
メタルナイト「戦うしかないのか・・・!」
ドクロムシャ「おっと、この女がどうなってもいいのか?」
怪人専門医「いやぁ!助けて!」
メタルナイト「くっ・・・卑怯な手を」
ドクロムシャ「変身を解け!メタルナイト そうすれば、この女は逃してやる」
メタルナイト「・・・わかった」
怪人専門医「あなたが・・・メタルナイトだったのね」
貝谷ゴウ「約束通り人質を離せ!」
ドクロムシャ「ムーシャッシャシャ! ほら、行け!」
怪人専門医「きゃあ!」
貝谷ゴウ「無事で良かったです」
怪人専門医「まさか、怪人になりすましているとはねぇ」
貝谷ゴウ「えっ?」
貝谷ゴウ「な、何を・・・」
デスコルピオ「ドククク!私はデスコルピオ! 偉大なるビーストの大幹部だ!」
貝谷ゴウ「俺に・・・何をした?」
デスコルピオ「私は対メタルナイト用に調整された大怪人」
デスコルピオ「おまえに打ったのはメタルナイト用の猛毒!」
デスコルピオ「貴様のメタル細胞に反応し数分で死に至る! ドークックック!」
貝谷ゴウ「「狂い咲き」はおまえの仕業か・・・!」
デスコルピオ「そうだ! 怪人の「狂い咲き」は私の毒による暴走! ドークックックッ!」
貝谷ゴウ「何故、今さらこんなことを? 組織は壊滅したんだ!」
デスコルピオ「なぜ、我々が人間に管理されなければならないのだ?」
貝谷ゴウ「何っ?」
デスコルピオ「より優秀な生物が支配者になるのが自然の摂理!」
デスコルピオ「私達は同志と「新生ビースト」を結成し、全人類に宣戦布告する!」
デスコルピオ「怪人が堂々と生きていける世界の為にな!!」
貝谷ゴウ「そんなことはさせない!」
貝谷ゴウ「怪人だって人間だ。 人間同士に優劣などないんだ!」
デスコルピオ「うるさい! 毒で死ぬおまえに何が・・・」
デスコルピオ「おかしい・・・ そろそろ死んでもおかしくない時間だ」
貝谷ゴウ「残念だったな」
デスコルピオ「なぜだ! 何故、メタル細胞破壊毒が効かないのだ!?」
貝谷ゴウ「本物のメタルナイトなら死んでいたかもな」
貝谷ゴウ「俺はメタルナイトじゃない」
ゴウ怪人態「俺は怪人だ! メタルナイト用の毒は効かない!」
デスコルピオ「な、何故だ! さっきの姿は確かにメタルナイトだった!」
デスコルピオ「怪人なら健康診断の時に打っておいた私の毒で「狂い咲き」に感染するはずだ!」
ゴウ怪人態「俺はピープ ピープは怪人細胞が通常の怪人と違う」
ゴウ怪人態「そして俺はもう一段階変身する」
ゴウ怪人態「うおおおおお!変身!」
デスコルピオ「その姿、やはりメタルナイト!」
ビーストナイト「敢えて名乗るなら ニセメタルナイト いや、ビーストナイト・・・ってところか」
デスコルピオ「ビーストナイト・・・? まさか、おまえはビースト製メタルナイト計画の!?」
ビーストナイト「そうだ、メタルナイトと同じ力を持つ怪人を作ろうとした実験の結果産まれたのが俺だ」
デスコルピオ「そんなバカな! あれは被験者がメタル細胞の力に耐えられず成功しなかったはず」
ビーストナイト「生身の人間ではな しかし、人間の3倍の強度を持つピープなら耐えられる」
ビーストナイト「メタルナイトの力を持つ怪人 それが俺だ!」
ビーストナイト「怪人細胞を持つ俺にメタルナイト用の毒は効かない」
ビーストナイト「そして、メタル細胞のおかげで 「狂い咲き」に感染することもない」
ビーストナイト「おまえの毒は俺には効かない!」
デスコルピオ「クッ!小癪な! ドクロムシャ、やってしまえ!」
ドクロムシャ「ムシャシャシャア!」
ビーストナイト「ビーストナイトスラッシュ!」
ドクロムシャ「ぐああああ!」
デスコルピオ「なにっ!ドクロムシャが一撃で!」
ビーストナイト「次はおまえの番だ!」
デスコルピオ「死ね!メタルナイトの亡霊め! デススティンガー!」
ビーストナイト「アルティメットファイナルスラッシュ!」
デスコルピオ「グワアアアア!」
ビーストナイト「おまえの負けだ!」
デスコルピオ「クッ・・・ククク!」
ビーストナイト「何が可笑しい?」
デスコルピオ「わ、私を倒しても他の大幹部が必ず世界征服の悲願を達成する」
デスコルピオ「そして、偽物のおまえではそれを止められない」
ビーストナイト「・・・・・・」
デスコルピオ「怪人と人間は共存などできないの・・・だ グフッ!」
デスコルピオ「さらばだ!メタルナイトの亡霊! 秘密結社ビーストに栄光あれ!」
ビーストナイト「そんなことは俺がさせない」
ビーストナイト「偽物でも亡霊でもいい」
ビーストナイト「メタルナイトの力を持つこの俺の使命だ!」
〇地球
メタルナイトの力を引き継いだ怪人ゴウ
世界征服の邪魔になる彼を抹殺する為
不気味に動き出す新生ビーストの大幹部達
そして、新たなビースト大首領の影!
次回 甲殻騎士メタルナイト 53話
新生ビースト誕生!!
ラストで二転三転する怒涛の畳み掛けが凄い。善悪両方を併せ持つ最高のハイブリッドが誕生していたんだ!と一人で盛り上がってしまった。用済みの怪人が人間社会で再利用されている様子も妙にリアリティがあって興味深かったです。
確かに原因がわからないものに関しては何かしらの黒幕があるものですよね…。まぁ全てが全てではないですが。
でも二段階変身のところはとても盛り上がりました!何かあるのかなぁとは思いましたが!