洋館なんだから羊羹をだせよ(脚本)
〇文化祭をしている学校
生徒「マジ高百物語〜! いえーい」
生徒「真時間高校の生徒に怪談をしてもらって文化祭中に百個集めちゃおうというコーナー!」
生徒「このコーナーは、行方不明事件に巻き込まれたある先輩の無事を祈って開催されています」
生徒「気を取り直して、記念すべきひとつめの怪談を話してくれるのは、この方です!」
秀夜「これは昨日、私が洋館に忍び込んで 友達と文化祭の出し物を練習していた時の話で・・・」
〇古い洋館
秀夜「な、なんか着るもの持ってない?」
聖見「タオルしかない」
秀夜「服が焼けるとは参った・・・」
聖見「このまま帰ったら立派な犯罪だよ」
秀夜「犯罪が立派なわけないだろ 俺の息子も立派ではないし」
〇古い洋館
秀夜「夕立ちだ! 神隠しの洋館入っちゃおうぜ」
聖見「それこそ立派な犯罪だよ 誰もいないとはいえ」
秀夜「立派だと思ってねえよ でもその衣装濡らすのマズくない?」
聖見「衣装2つダメにしたとなるとタマタマ2人分取られるな」
秀夜(オレのタマはなくなる前提?)
〇洋館の玄関ホール
「じゃまするで〜」
聖見「時計だ」
秀夜「今の挨拶って立派だったかなあ。オレが言うのもなんだけど」
吸血鬼「ばあ!」
聖見「なんだ吸血鬼か。おどかすなよ」
秀夜「家主の人かと思ったじゃねえか」
吸血鬼「長き眠りから目覚めた私が怖くないので?」
秀夜「罪と罰とまんじゅうがこわい!」
吸血鬼「おはぎしかなかったので」
聖見「気持ちとあんこと米だけいただくよ 気が利くね」
吸血鬼(何が残るので?)
秀夜「お前ホントに吸血鬼なのか?」
吸血鬼「せやで」
吸血鬼「吸血ポイントを貯めなきゃならんので── 血と命をいただくで〜!!」
秀夜「急に吸血鬼だ!」
聖見「僕たちに友情はないのか?」
吸血鬼「ないと言えば嘘になる でも止むに止まれぬ事情があるんやで」
吸血鬼「9の付く日はポイント9倍デーなので〜」
秀夜「今月は毎日じゃねえか!」
聖見「今日は9月9日──まさか」
吸血鬼「ポイント81倍デー!!」
秀夜「逃げろ!」
吸血鬼「9999年99月99日が待ち遠しいで〜!!」
〇洋館の廊下
秀夜「あいつは日付があんまり分かってない、すなわちバカだ!」
聖見「1年を99月99日まであることにすると、今は西暦何年の何月何日だろう? 9が付かなければ襲ってこないんじゃないか」
秀夜「アホなかしこさ発揮してんじゃねー! 重要なのは、バカなのに今日の日付をはっきり分かってること!」
聖見「なんで日付を知ってるんだ? 長い間寝てたのに」
吸血鬼「逃さへんでー!」
聖見「だめだ──関西弁混じりなことも見抜けなかったんだ。打開策もあいつの正体もわからない!」
秀夜「やっぱり頼れるのは力だな、立派な考えじゃないけど」
吸血鬼「な、なんで? 化け物って実在するので?」
聖見「文化祭の出し物さ」
秀夜「文化祭──それは奇跡の祭典! 時限制の奇跡!」
吸血鬼「文化祭、文化祭──頭が熱いで〜」
聖見「邪気、退散!!」
秀夜「なんもしてねーだろ」
秀夜「黒いのはモザイクであるからして何も着けていない」
聖見「困ったな・・・吸血鬼を撃退できてもいよいよ外に出るわけにはいかなくなってしまった」
秀夜「お前の、いい衣装だよな」
〇洋館の階段
秀夜「10分くらい経ったか。オレ的にはもう帰ろうよって感じだけどやっぱりそういうわけにはいかないか」
聖見「吸血鬼から奪うしかないな あっ変身する時はその衣装脱いでね?」
秀夜「──文化祭の神隠し事件ってさ、やっぱり吸血鬼の仕業ってことになるのかな」
聖見「3年前くらいだっけ? 未解決なのによくこの高校入ったよね」
吸血鬼「逃げてる場合ちゃうかったで! 早くしないと一人八十一倍日が終わってしまうので!」
秀夜「一粒万倍日みたいに言うな! くそーもう一回変身するか」
聖見「そうだ、3年前といえば2019年! ちょうど3年前は、729倍デーだったんじゃないか?」
吸血鬼「数字にはこだわっていくでー」
聖見「まずい、戻れ!」
秀夜「もうオレの戦意丸出しだよ」
吸血鬼「結構なお手前で」
聖見「文化祭の時ってことは、怪人に変身できたのに負けたってこと・・・ 逃げろ──」
秀夜「う、うわあああああ お前、ガチの吸血の鬼かよ!」
〇古い洋館
秀夜「そんなこんなで 私は逃げきって、聖見も帰ってきただけじゃなく行方不明の先輩さんも連れて帰ってきたりで」
秀夜「今、何時で?」
秀夜「9時0分ということで」
秀夜「大変やで」
あ、やっぱりライチですよね。9のつく日に思い出しそうです。
吸血鬼が関西弁を使うのは関西人の血を沢山召し上がってきたからですか?吸血鬼に危機感があまり感じないのは吸血鬼がアホだからですか?
吸血鬼さんおもしろかったです!
9のつく日は吸血の日って、なんかスーパーのチラシみたいじゃないですか!笑
細かいネタでめちゃ笑いました!