②フレーズ一覧(脚本)
〇おしゃれな教室
山里先生「これから始めるのは、直原高校ってところで始まった読書会ゲームです。 読書会っていっても、別に本を読んでなくてもいいんだ」
山里先生「ほら、学校で読書啓発とかいって何かやる時は、たいてい強制っぽくなるだろ。 読書感想文とか感想画とか、ビブリオバトルとかさ」
先生のくだけた口調に教室がざわついた。
ゲームの説明が始まるのかと思ったら、いきなりのぶっちゃけトークだった。
山里先生「ああいうの、教師としても複雑なんだよ。 だって、本を読まない子に読書を勧めるのに、「それにはまず本を読め」って変だろう?」
山里先生「しかも、「まず本を読んでから、作文書け、絵を描け、スピーチをしろ!」だもん。最初からそういうのが得意な子ならいいけどさ」
山里先生「得意じゃない子にとったら、つらい課題のWパンチだよ。そういうの、やらされる生徒もつらいだろうけど、やらせる教師もつらい!」
笑いが涌いた。
教師側もつらいという告白に、みんな嬉しくなったようだ。
そうやって生徒を動かすのが山里先生の話術だった。
山里先生「だから今回、「本を読まなくてもいいゲーム」をやります。本は読んでも読まなくてもいいからフレーズを出して、って言ったよね?」
山里先生「それで集まったフレーズから、今日は4つ選んで一覧表にしてきました。 これは先生の感覚で選んだけど、みんなはどう思うかな?」
山里先生「まずはこの、4つのフレーズを読んでみてください」
先生は教卓に置いたマグネットシートを取り、ホワイトボードに貼り付けた。
そこに4つのフレーズが並んでいた。
(ア)
その宝石を見ただけで、
少女は魔女にかわってしまった
(イ)
やってもいないのに、無理って言うな
(ウ)
トンカツの丸かじり
(エ)
昨日から学び
今日に生き
明日に期待する
今日の午後は休もう
山里先生「・・・さて、みんなそろそろ読めたかな?」
みんなの様子を見守っていた先生は、静かに語り始めた。
山里先生「これからみんなで、この4つのフレーズをいろんな角度から捉えて投票して遊びます。 そして最後に、出典の本が明かされるんだ」
山里先生「最終投票では、一番読みたくなった本に投票してもらうけど、読まなきゃいけないなんて強制はないから安心していいよ」
山里先生「読みたくなったら読めばいい。 読みたくなけりゃ読まなきゃいいんだ。 まずはこのゲームを楽しんでください!」
山里先生「さて、ここからは、みんなの投票で進むよ。 まずは第1ステージ。 一人一回、第一印象でいいなと思うフレーズに手を挙げて!」
先生は元気に言い、片手を挙げてみんなの投票を募った。
(ア)から(エ)まで、それぞれのフレーズの票が集計されていく。
ウのトンカツのまるかじりが気になりました(笑)