異世界転死の幽霊様

要 九十九

第二話「身元不・・・明!?」(脚本)

異世界転死の幽霊様

要 九十九

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異世界転死の幽霊様
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〇レンガ造りの家
  その力に目覚めたのは偶然だった・・・
  一緒に遊んでいた友達が怪我をして
  それを治したいと強く願ったから
  回復魔法
  使える人間が限られる
  この力に目覚めた事が切っ掛けで
  母一人、娘一人で慎ましく暮らしていた
  私たち家族はおかしくなっていった
  今、思えばこれが
  私が犯した最初の間違いだったのだろう・・・

〇巨大な城門
  前回のあらすじ・・・
  異世界にやって来た主人公、体も記憶も失い
  残った魂もやがて消えると告げられる
  神官のガーベラ達と一縷の望みに賭け
  蘇生魔法が使えるワガナカを目指す途中に
  新たな体を手に入れ生き返っ・・・た?
町人「神官様、盗賊から助けて頂き本当にありがとうございました」
ガーベラ「いえ、私は大したことはしていません それに」
ガーベラ「きっと私一人ではどうにもなりませんでした」
町人「盗賊と戦われていたのは神官様お一人だったのでは?」
ガーベラ「あっ」
ガーベラ「そ、そうでした」
ガーベラ「とにかく」
ガーベラ「私たちこそ、馬車でここまで送って頂いてありがとうございました!」
ガーベラ「皆様のお陰で予定より早く進む事が出来ました」
町人「いえ、助けて頂いたのですからこれぐらいは当然です」
ガーベラ「それに縄まで貸して下さって」
「俺たちを解放しろー!」
町人「それでは私達はこれで・・・」
ガーベラ「はい! 皆様に太陽神様のご加護があらんことを」
町人「ありがとうございます 神官様にも太陽神様のご加護があらんことを」
男「クソッ!どこ行きやがった!」
男「すみませんアニキ~!」
男「ちゃんと牢に閉じ込めてたんですが 気付いたら逃げられてて~」
男「うるせぇ! 泣いたってしょうがねぇだろ!」
男「あんな上玉ここらじゃ見たことねぇ」
男「お貴族様が来る前に さっさと見付けてまた捕まえるぞ!」
男「はい~」
ガーベラ「キキョウ、見ているんでしょう?」
キキョウ「こちらに」
ガーベラ「盗賊の皆様をこの町の信仰騎士の所まで連れていってくれますか?」
キキョウ「私の役目は・・・」
盗賊「俺たちを解放しろー!」
ガーベラ「あなた達という人は・・・」
ガーベラ「分かっているのですか?」
ガーベラ「あなた達は人を一人殺したのですよ?」
盗賊「だから~! それも何度も説明しただろ?」
盗賊「俺たちが馬車を襲った時には 既にあの女は死んでたんだよ~!」
盗賊「大体あの馬車を襲ったのも依頼され・・・」
盗賊親分「馬鹿野郎! いらない事言うんじゃねぇ!」
ガーベラ「どういった事情があるのか 私には分かりませんが」
ガーベラ「その言い訳は信仰騎士の所でして下さい」
ガーベラ「キキョウお願い出来ますか?」
キキョウ「・・・」
ガーベラ「そんな顔しなくても大丈夫ですよ」
ガーベラ「私は何処かに行ったりしませんから」
キキョウ「分かりました」
キキョウ「お任せ下さい」
盗賊「離せー!」
ガーベラ「ミカノチ様!?」
ミカノチ「ワタシも馬車に乗せてモラッタ恩あるネ」
ミカノチ「だからアノ娘と一緒に盗賊 信仰騎士のトコロ連れて行くヨ」
ガーベラ「はい! ありがとうございます」
ガーベラ「私たちはこの入り口から一番近い宿屋で待っていますので!」
ミカノチ「了解ネ ではマタ~!」
ガーベラ「ふぅ・・・」
ガーベラ「悪霊様」
ガーベラ「もう出てきて大丈夫ですよ」
???(アキラ)「今・・・」
???(アキラ)「はっきり悪霊って言った!?」

〇巨大な城門
ガーベラ「幽れ・・・悪霊様のせいで大変でした」
???(アキラ)「逆になってる!?」
???(アキラ)「あの」
ガーベラ「はい?」
???(アキラ)「さっき見てたんですけど あの女の子は誰なんですか?」
ガーベラ「キキョウですね」
ガーベラ「あの子は私の付き人です」
???(アキラ)「付き人?」
???(アキラ)「俺がガーベラさんと出会ってから一度も 見たことないような?」
ガーベラ「あの子の仕事は私を遠くから見ることですから・・・」
???(アキラ)「遠く?付き人なのに?」
ガーベラ「キキョウの今の仕事は普通とは違いますので」
ガーベラ「そんなことより」
ガーベラ「あなたは本当に幽霊様なんですか?」
???(アキラ)「えっ・・・はい」
ガーベラ「それなら今から私がする質問に答えて下さい」
???(アキラ)「構いませんけど・・・」
ガーベラ「私と初めて出会ったのは 何日前の何時何分何十秒ですか?」
???(アキラ)「面倒な恋人かな?」
ガーベラ「私との初めてのデートは何処でしたか?」
???(アキラ)「した覚えがない!」
ガーベラ「このお揃いの指輪を一緒に買ったのはどの町ですか?」
???(アキラ)「存在しない物証!?」
???(アキラ)「お揃いの指輪どころか 一緒に買い物すらした事ないですよ!」
ガーベラ「夕日を見ながら私に言ってくれた言葉を覚えていますか?」
???(アキラ)「記憶の捏造が酷い!」
???(アキラ)「いつそんなシーンあったんですか!」
ガーベラ「夕日を見ながら出た言葉もそれでした」
???(アキラ)「今の問題当たったの!?」
ガーベラ「私だけを見て! 私を一生忘れないで!」
???(アキラ)「めちゃくちゃ重たいタイプ!」
???(アキラ)「というかガーベラさん・・・」
???(アキラ)「このやり取り、楽しんでますよね?」
ガーベラ「バレましたか・・・」
???(アキラ)「というかそもそもガーベラさんはソウル?を見れるんですよね?」
???(アキラ)「それなら俺かどうかは一目で分かるんじゃ?」
ガーベラ「残念ながらそれは無理です」
ガーベラ「幽霊様のとんでもねぇ量のソウルは その体に全てすっぽりと収まっていて」
???(アキラ)「とんでもねぇ!?」
ガーベラ「今はもう普通の人と見分けが付かないです」
???(アキラ)「そうなんだ」
???(アキラ)「俺のソウル?はそんなに多いんですか?」
ガーベラ「多いですね」
ガーベラ「以前に幽霊様の様な状態は見たことがないと言いましたが」
ガーベラ「もし普通の人がソウルだけの存在になった場合 半日も持たないかと・・・」
ガーベラ「私が幽霊様と出会ったのも 遠くから見えたソウルを確認する為でしたし」
???(アキラ)「というかガーベラさんには 俺がどういう風に見えてたんですか?」
ガーベラ「えっと・・・」
ガーベラ「人間火柱?」
???(アキラ)「物騒過ぎる!」
ガーベラ「私も最初に幽霊様を見た時 驚いてつい攻撃しそうに・・・」
???(アキラ)(そういやそうだったような?)
???(アキラ)(ガーベラさんの食欲よ ありがとう・・・)
ガーベラ「まぁそれはそれとして・・・」
ガーベラ「幽霊様がその体に入ってからも大変でしたよ」
ガーベラ「馬車の方にはその体の持ち主が 亡くなった事を既に伝えてしまっていたので」
ガーベラ「今更生きてますとは言えませんでしたし」
???(アキラ)「俺も馬車の中で死んだふりするの大変でした」
ガーベラ「もう死んでるのに?」
???(アキラ)「言い方!」
???(アキラ)「確かに死んでるような状態ですけど!」
ガーベラ「とりあえず私が遺体を教会まで運んでいくという話で」
ガーベラ「馬車の方達にも納得して頂けました」
???(アキラ)「そういや結局この体の人は誰なんですか?」
ガーベラ「それが馬車の皆様にも分からないようで・・・」
???(アキラ)「え」
ガーベラ「元々、物資運搬専用の馬車に」
ガーベラ「その体の持ち主が報酬を払って 特別に乗せて貰っていたみたいです」
???(アキラ)「じゃあこの人も身元不明って事ですか?」
ガーベラ「はい」
ガーベラ「ただ・・・」
ガーベラ「その体の持ち主は 信仰領の中央都市を目指していたようです」
???(アキラ)「・・・」
???(アキラ)「情報が多い!」
???(アキラ)「頭がこんがらがってきました」
ガーベラ「そうですね」
ガーベラ「一旦ミカノチ様と宿屋で合流してから 今後の事を話しましょうか」
???(アキラ)「はい」
???(アキラ)「宿屋は入り口から一番近い所でしたよね?」
???(アキラ)「ちょっと俺先に走って行ってきます」
ガーベラ「あっ・・・」
ガーベラ「ふふっ・・・」
ガーベラ「幽霊様は本当に愉快な方です」
ガーベラ「え・・・」
ガーベラ「こんにちは」

〇黒背景
???「定時連絡・・・」
???「標的に魔石の命中は確認」
???「しかし神官とソウルの化け物による介入で」
???「盗賊騒ぎに乗じての 魔石と封書、死体の回収は失敗」
???「神官の力かそれ以外の理由かは不明だが」
???「魔石が当たった筈の標的が 生存しているのを確認」
???「今、標的は神官と男 3人で行動している」
???「既に2人に何か情報を渡した可能性もある」
???「計画を変更」
???「直接標的に接触して目的を達成する」
???「本隊には雇った盗賊たちの処分」
???「そして次の定時連絡がなかった場合の増援」
???「合わせて成功した場合の 死体”3体”の回収を事前に依頼しておく」
  続く・・・

次のエピソード:第三話「人間掃除・・・機!?」

コメント

  • 不穏な気配……

    助けて! ミカノッチ!!?

  • アキラの本当の冒険?が始まりましたね☺️
    最後、怪しい人も出てきてましたし……。ガーベラさんとの行く末が気になります💦
    体、今後どうなってしまうのでしょうか?

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