〇地球

〇海辺
山伏「では、御用のある時はお呼びください」
たいき「今度は俺の趣味な～」
ゆうま「はうう・・・」
たいき「お前は仏像でも思い出して悶えてろ（笑）」
ゆうま「ふう・・・」
たいき「沖縄戦がなかったから、のんびりした島のままだな」
ゆうま「基地がないから、４車線の車道もないもんな」
たいき「ひめゆりの塔もない、慰霊碑もない、のどかに三線の鳴る村を見たかったんだ」
ゆうま「汚染されていない海が、マジできれいだな・・・なんで男同士でいるんだろうな」
たいき「泣くなよ（笑）」
ゆうま「嬉し泣きだよ。沖縄にこんな歴史がありうるなんてな」
たいき「そうそう、日本は、原発にも手を出していないから、福島のメルトダウンもないんだよ」
ゆうま「ずっと火力か？」
たいき「いや、俺馬鹿だから、甥っ子に説明してもらったんだけど、よく分かんなくて（笑）」
ゆうま「大丈夫！俺も馬鹿だから！」
たいき「なんか、日本て温泉があちこちあるから、温泉の元となる地下の熱とかエネルギーとかを使って発電してるって」
ゆうま「なんとなく、それは、未来の技術の気がするな」
たいき「昔っからそうだよって、兄ちゃん何言ってんの？みたいな感じで言われたよ」
ゆうま「ふう～ん。それで、福島が地方都市として活躍している訳か」
たいき「太平洋戦争がなかったから、広島、長崎も原爆は落とされていないし」
ゆうま「代わりにどこか落とされた都市があるのか？」
たいき「いや、甥っ子がググってくれたけど、原爆はビキニ環礁しか出てこなかった」
ゆうま「ってことは、冷戦も、核の脅威もある世界の中で、日本だけが突出しているんだな」
たいき「ああ、プーチンはウクライナを軍事攻撃しているしな」
ゆうま「なあ？コロナはどうした？」
たいき「もう、収束したそうだ。日本は、さっさとワクチンも飲み薬も開発して、１年位で収束したって」
ゆうま「日本の企業が開発したのか？」
たいき「そう言ってたぞ。お陰で、黒田薬品は大儲けだって」
ゆうま「黒田薬品か・・・」
たいき「でも、その儲かった内のスゲー金額を、国に寄付したってさ」
ゆうま「黒田総統と黒田財閥が一体となって、日本を動かしているんだな」
たいき「でな、国の負債額がほぼないんだよ」
ゆうま「スゲーな」
たいき「出生率がな、2020年で、２.８なんだよ」
ゆうま「詳しくは知らないけど、１.３とか１.４とかじゃなかったっけ？」
たいき「姉ちゃんに聞いたら、産前産後・出産の医療費とか無料だし、お腹が大きくなると家事ヘルパーが無料で来てくれるって」
ゆうま「至れり尽くせりだな」
たいき「旦那さんも育休取るのが普通だって。子育てに旦那さんが関わる機会があるっていいよな」
たいき「それに母ちゃんも、孫休暇とかいって、孫の面倒見るからって仕事を休めるんだってさ」
ゆうま「なんか、余裕のある暮らしって感じがするな。殺伐とした雰囲気は感じられない」
たいき「だろ？甥っ子のスマフォの使い方教わって、自殺者数ググってみたんだけど、全国で500人だった」
ゆうま「1年間でか？俺、ニュースで去年か一昨年が２万人を超えたって言っててビビった覚えあるよ」
たいき「社会福祉も充実してるみたいなんだよ。読んでみたけど、よく分からなかったけど」
ゆうま「ごめん、俺も、説明されても理解できる自信はないわ。でも、自殺者の桁が違うっていうのが、証明かな」
ゆうま「オッサン、腹減ったわ」
山伏「はい、では何に致しましょうか？」
たいき「ヤギ汁食いたいわ」
山伏「ヤギ汁ですね」
たいき「三線の演奏聞きながら」
山伏「（舌打ち）三線ですね」

〇海辺
ゆうま「美味かったなあ」
たいき「おばあのカチャーシーも良かったなあ」
ゆうま「すげえ、リラックスできたわ。沖縄、サイコーだよ」
たいき「あの、息子さんの三線、昔ながらの感じの曲も良かったけど、ロック調のも良かったなあ（笑）」
ゆうま「・・・さて、休暇はここまでかな」
たいき「行くか」
ゆうま「そうだな。オッサン！」
山伏「はい、今度はどちらへ？」