クリムソンとビリジアン博士(脚本)
〇シックなカフェ
間明紅蓮「どこから説明したモンか」
虚森罰斗「・・・紅蓮さん」
間明紅蓮「ヒーローとしての能力・・・ その目覚め方は人それぞれだがな」
間明紅蓮「俺の火炎ヒーローとしての能力は 生まれつきのものだった」
間明紅蓮「動物が持つ体温を維持する力・・・ 俺はその力がずば抜けていた」
〇教室
小さい頃の俺はまだ力を
うまく制御できなくて
そのせいで友達ができなかった
科学者だった親父はそれを心配してな
俺の能力を制御する方法の
研究をはじめたんだ
〇実験ルーム
親父はついに俺の能力の秘密を解明した
しかし天才科学者だった親父は
同時にわかってしまったんだ
俺の能力を打ち消すことは
どうしたってできないってことをな
──それから親父は変わっちまったんだ
〇実験ルーム
親父は俺の力を消せないのなら、
全人類が特殊な力を持つようになれば
俺が仲間外れにならないと考えた
アイツは俺の力の研究結果をベースに
生き物が持つ特性を強化する方法を──
さらにはそれを人間に移植する方法を
編み出したんだ
そして人々を勝手に改造するように・・・
逆らうヤツには脳改造までしてな
余計なお世話だっつってんのに、
俺の話なんか聞きやしねェ
〇シックなカフェ
間明紅蓮「──だから俺は そんなクソ親父を止めるために ヒーローになったんだ」
間明紅蓮「クソ親父はもちろん、 親父が改造した怪人も 親父と同類のヴィランも」
間明紅蓮「全部ブッ倒すためにな」
間明紅蓮「もちろんコウモリ怪人!! お前も容赦しねェ!!」
陽向美音「わわ、忘れてなかった!?」
間明紅蓮「当たり前だろ!!」
虚森罰斗「・・・その話を聞いてしまったら なおさら紅蓮さんと争うわけには いかなくなりましたね」
間明紅蓮「──な!?」
虚森罰斗「だって、それならオレは、 敬愛する首領様に紅蓮さんの友達として 選ばれたというわけでしょう?」
虚森罰斗「首領様の命令には絶対服従ですから、 その意志に逆らうわけにはいきません!」
陽向美音「・・・罰斗くん!」
間明紅蓮「チッ・・・調子狂うな」
間明紅蓮「・・・まあいい。気が変わった。 お前をブッ倒すのはトクベツに後回しに しといてやるさ」
間明紅蓮「その前に俺はあのクソ親父を 見つけねえとな!」
陽向美音「紅蓮さんはやっぱり、ビリジアン博士は 生きてると思うの?」
間明紅蓮「ああ。証拠を掴んだからな」
虚森罰斗「証拠・・・?」
間明紅蓮「おっと、これ以上は話せねェ お前をクソ親父と合流させるわけには いかねェからな」
虚森罰斗「ですよね・・・」
間明紅蓮「っと、そろそろ失礼するぜ」
虚森罰斗「紅蓮さん・・・ 火炎ヒーロー:クリムソン・・・」
陽向美音(・・・罰斗くんはビリジアン博士の 命令があったら、やっぱり悪い人に なっちゃうの?)