アイドルはヒーローじゃない

上尾つぐみ

ジャスティスシグナルの恋人(脚本)

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〇Bunkamura
  翌朝
虚森罰斗「うーん、美音ちゃんのマイク、 アレは何だったんだろう・・・?」
虚森罰斗「あんまり勝手に探るのもよくないけど・・・ やっぱり気になる・・・」
  どうしたのにゃん?
ベル「スタッフがそんな暗い顔をしていると、 お客さんが逃げますにゃん」
虚森罰斗「あ、すみません・・・」
ベル「ま、今日はどっちみちライブがないから 気にする必要はないのにゃー」
虚森罰斗「そうですか・・・」
ベル「まあ、スタッフはライブがないからといって お休みではないのにゃ」
ベル「明日は美音ちゃんの後輩アイドルの 記念すべきデビューライブにゃ!」
ベル「美音ちゃんとにゃーから花輪を送るから、 罰斗殿はその花輪を花屋さんから 運んできてほしいのにゃー」
虚森罰斗「わかりました、まかせてください!」
ベル「面倒な雑用を即OK・・・ 罰斗殿は本当にお人好しにゃー」

〇お花屋さん
虚森罰斗「失礼します」
花屋さん「あら、たしかキミは最近来た怪人の──」
虚森罰斗「はい、ライブ会場でスタッフをしている コウモリ怪人の虚森罰斗です」
花屋さん「そうそう。罰斗くん。 噂は聞いてるわよ」
虚森罰斗「・・・怖がらないんですね」
花屋さん「美音ちゃんへのプレゼントで花を買っていく ヴィランさんたちを接客してたら、 なんだか慣れちゃってね」
虚森罰斗「・・・そうですか」
花屋さん「不思議よね。 美音ちゃんの歌を聞いていると、 ヴィランでも優しい気持ちになれるのかしら」
虚森罰斗「歌声もですが、美音ちゃんには ヒーローもヴィランも関係なく みんなを受け入れる、 不思議なチカラを感じます」
花屋さん「あら、罰斗くん、なかなか素敵なことを 言うのね!」
義田信吾「すみません」
虚森罰斗「信吾さん!奇遇ですね」
義田信吾「罰斗くん! 花屋さんで会うとは珍しいね」
義田信吾「まいったな、今日は正直 あんまり見られたくなかったんだけど」
花屋さん「まあまあ、仕方ないじゃない」
花屋さん「ハイ、これ。ご予約の花束」
義田信吾「ありがとうございます」
虚森罰斗(美音ちゃん宛て・・・っぽい花ではないな)
虚森罰斗(そういえば前、恋人がいるって言ってたし、 その子宛てかな・・・?)
虚森罰斗(信吾さん、今日は私服だし、 デートの日なのかも)
花屋さん「・・・」
虚森罰斗「? どうかしましたか?」
花屋さん「いえ・・・」
虚森罰斗「・・・?」
虚森罰斗(前に話を聞いたときの感じだと、 信吾さんの恋人は美音ちゃんとも 知り合いっぽかったな)
虚森罰斗(その人に訊けば、 もっと美音ちゃんのことがわかるかも)
虚森罰斗「すみません、花輪はあとでまた取りに来ます」
虚森罰斗(信吾さんのあとをつけてみよう!)
花屋さん「あっ・・・」
花屋さん「・・・大丈夫かしら・・・」

〇住宅街
義田信吾「・・・」
虚森罰斗「・・・」
虚森罰斗「あんまりデートの行き先っぽくない 街並みだなぁ・・・」
虚森罰斗「家まで迎えに行くとかなのかな?」
虚森罰斗「──あ、あそこはもしかして・・・」

次のエピソード:シャイニーリズム

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