邪馬台国の女王・卑弥呼に恋する彼女は卑弥呼以上に美しい

鷹志

第2話 私はここで卑弥呼様になる!(脚本)

邪馬台国の女王・卑弥呼に恋する彼女は卑弥呼以上に美しい

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〇空港の滑走路
  ミス卑弥呼コンテスト優勝目指して玲子に協力することになった大和。
  2人はコンテスト会場である邪馬台国パークへ下見に行くことになった。
玲子「大和くん、急いで!」
大和「はい・・・」

〇飛行機内
玲子「間に合った・・・」
大和「・・・」
玲子「さあ、ミス卑弥呼コンテスト会場の下見に行くわよ!」
大和(確かに協力するとは言ったけど・・・)
大和(昨日の今日でなぜこんなことに・・・)
大和「そういえば・・・」
玲子「ん? 何?」
大和「どうして玲子さんは、ここまで卑弥呼を好きになったのかなって」
玲子「知りたい? そんなに知りたい? 知りたいんでしょ?」
大和「い、いや、別に。それほどは」
玲子「しょうがないなあ。そんなに知りたいなら教えてあげる」
大和(別にそこまで知りたいわけじゃないけど・・・ひょっとして話したいのか?)
玲子「私が卑弥呼様を好きになったのは、昔やったアニメ「邪馬台国物語」を見てからよ!」
大和「「邪馬台国物語」・・・そういえば、そんなアニメありましたね」
玲子「大和くんも見た?」
大和「はい、見ました」
玲子「いい作品・・・いや神作品だったわよね」
玲子「そこに登場している卑弥呼様が、とにかく美人でかっこよくて」
玲子「さらに、強くて、やさしくて、凛々しくて・・・」
大和「確かにそんな雰囲気でしたね。強くて凛々しかったです」
玲子「でしょ? まさに神! 女神! 英雄!」
玲子「そのときに卑弥呼様を見たときの衝撃といったら、もう言葉では言い表せないくらいのものだったわ」
玲子「それから私は、卑弥呼様の虜になったのよ」
玲子「卑弥呼様のことを考えるだけで幸せな気持ちになって、気分が高揚して・・・」
玲子「卑弥呼様! なぜ卑弥呼様はそんなに美しいの!」
大和「玲子さん、機内でそんな大声を出したら・・・」
客室乗務員「お客様、周りのお客様の迷惑になりますので」
玲子「すみません」
大和(はあ・・・これからずっとこんな調子でいくのかな)
大和「そういえば、コンテストで優勝するには邪馬台国の知識に詳しい人が必要ってことでしたよね」
玲子「ええ」
大和「それで自分に協力してほしいってことですよね」
玲子「そうよ」
大和「でも、玲子さんは入試の成績もトップですし、邪馬台国や古代史のことも詳しいんじゃ・・・」
玲子「そうでもないわ」
大和「?」
玲子「成績がいいのは、単にそのための勉強だけはしているからよ」
大和「えっと・・・」
玲子「うちの親、成績さえよければ、あとは何をやっても文句は言わないって主義なの」
大和「はあ・・・」
玲子「だから、私は好きなことをするために、試験の勉強だけはがんばっているのよ」
玲子「成績がいい理由はそれだけ」
玲子「別に勉強が得意でもないし、邪馬台国や古代史のことに詳しいってこともないのよね」
玲子「だから、あなたが必要なのよ」
大和「・・・そういうことだったんですね」
玲子「私はあくまで卑弥呼様だけ」
玲子「卑弥呼様!」
玲子「コンテストで優勝して、私は卑弥呼様になります!」
客室乗務員「お客様! 何度言えば・・・」
玲子「すみません・・・」
大和「・・・」

〇空港の外観
玲子「着いたわ。さ、行くわよ!」
大和「あ!」
大和「待ってください」

〇植物園のドーム
玲子「ここね」
大和「ここが・・・」
館長「こんにちは。邪馬台国パークへようこそ」
玲子「こんにちは」
大和「よろしくお願いします」
館長「・・・へえ、遠くからいらっしゃったんですね」
玲子「はい! ミス卑弥呼コンテストで優勝するために、会場の下見に来ました!」
館長「ミス卑弥呼コンテスト・・・邪馬台国フェスティバルのときに行うイベントですね」
玲子「知ってるんですか?」
館長「知ってるも何も、私もコンテストの審査員の1人なんです」
玲子「そうなんですか!」
館長「そうですか、その下見に。いやあ、すごい意気込みですね」
館長「でも、せっかく来たんですから、会場に行く前に、ここにある博物館も見とくといいですよ」
玲子「博物館? でも、すぐにコンテストの会場に行きたいなあ」
館長「邪馬台国や古代史に関する貴重な資料もありますよ」
大和「邪馬台国に関する貴重な資料!?」
大和「玲子さん、今すぐ博物館に行きましょう!」
玲子「えっ、でもコンテストの会場のほうに・・・」
大和「早く!」
玲子「ちょっと、大和くん!」

〇美術館
大和「こ、これは!」
大和「三角縁神獣鏡に勾玉に管玉!」
大和「こっちには銅剣や銅鐸!」
大和「これは・・・ひょっとして・・・まさか!」
玲子(大和くんのこんな姿、はじめて見た)
玲子「すごく楽しそうね」
大和「はっ、すみません。つい・・・」
玲子「いいのよ、謝らないで」
玲子「むしろ、大和くんも私と同じってことがわかって、安心したわ」
大和「玲子さんと同じ?」
玲子「邪馬台国のこととなると、周りが見えなくなるってことよ」
大和「すみません」
大和「でも、玲子さんほどでは・・・」
玲子「何言ってるの。同じよ」
玲子「どうする? もう少し見ていく?」
大和「まだまだ見たいものはたくさんありますが・・・」
大和「時間も限られているし、そろそろコンテスト会場のほうに行きましょう」
玲子「わかった。いよいよね」

〇先住民の村
大和「これはすごい!」
玲子「へえー、雰囲気あるじゃない」
玲子「そういえば、「邪馬台国物語」の舞台もこんな感じだったわね」
大和「あっちには環濠や物見櫓もある。本格的だなあ」
玲子「え、何? どういうこと?」
大和「ここの敷地の周囲を囲む環濠(空堀)と城柵」
大和「ここで一番高い建物の物見櫓」
大和「あそこに見える建物は、重要な会議や祭祀を行った主祭殿」
玲子「それが?」
大和「これらは邪馬台国について書かれた『魏志倭人伝』に記載されていたもの」
大和「つまり、ここの場所は『魏志倭人伝』に書かれている邪馬台国の様子を再現したものなんですよ」
玲子「なるほど、そういうことだったのね」
大和「ちょっと向こうを見てきます!」
玲子「大和くん!」
玲子「普段は落ち着いた感じなのに、ここに来てからはまるで子どもね」
玲子「あれが大和くんの本当の姿か」
玲子「それにしても・・・」
玲子「ここで卑弥呼様になるのね」
玲子「いい。すごくいい。最高の舞台だわ」
玲子「卑弥呼様、私はここで卑弥呼様になります」
玲子「私が邪馬台国の女王・卑弥呼よ!」

〇先住民の村
弥生「え、何、今の叫び声?」
真治「さあ・・・」
玲子(やばい、近くに人がいたんだ。思いっきり叫んじゃった)
弥生「あら、誰かいるわね」
真治「本当だ。おっ、美人」
弥生「ちょっと」
真治「冗談だよ、冗談」
弥生「さ、練習しましょう」
真治「近くに人がいるのにやるのかい?」
弥生「当たり前よ。本番まで時間がないのよ」
弥生「ミス卑弥呼コンテストで優勝するためには、練習あるのみよ」
玲子「ミス卑弥呼コンテスト!?」
玲子「お二人ははミス卑弥呼コンテストに出るんですか!」
弥生「は? あんた誰?」
  ミス卑弥呼コンテストの会場で2人組の男女に出会った玲子。
  しかも、その2人はミス卑弥呼コンテストの出場者だった。
  それを聞いた玲子がとる行動は・・・

次のエピソード:第3話 強力なライバルと新たな決意

コメント

  • 遅ればせながら2話、読ませていただきました!
    二人の卑弥呼愛、邪馬台国愛の強さがめちゃくちゃ伝わってきました😆
    そして、私もめちゃくちゃ勉強になりました!
    そしてまさかのライバル登場!!
    引き続き、楽しませていただきますね✨

  • 三角縁神獣鏡ってイイですよね、当時のものは世界観満載で描かれながら均整がとれていて、、、と大和くんっぽいリアクションをしてしまいました。これからコンテストに臨む玲子さん、気合が漲りすぎですね!w

  • 続きが気になる終わり方…!!
    次回の更新も楽しみにしています(^^)

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