避雷針になりたくて

日向ゆうな

エピソード1(脚本)

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〇黒
  授業終了のチャイムが鳴る。
  ばらばらと立ち上がるクラスメイト達。
  沢山の音が聞こえる。
  沢山の、音。
  まるで、雷みたいに。
「おーい、聞こえてんの?」
「ねーえ、聞こえてんのって」
「何とか言えよ!」
  椅子から落ちた。落とされた。
  僕は、この雨雲みたいな奴らに攻撃されている。
春樹「やめなよ」
「なに?」
春樹「しょーもないから、そういうの」
「うるせえな、喧嘩したいのー?」
春樹「うるさいのはどっちだよ 騒ぎたいなら外行けば?」
  チャイムが鳴った。僕は、急に現れた太陽みたいな彼をただただ見上げていることしかできなかった。
  雨雲は、去った。

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