弟の下克上(脚本)
〇パドック
蛇神 カイト「いい試合だった!」
蛇神 ヤマト「どこがだよ。また0-6,0-6のダブルベーグルで、1ゲームも取れなかった」
蛇神 ヤマト「頼む、もう1試合。いや、1ゲームだけテニスで勝負してくれ!」
蛇神 カイト「そうしたいのは山々だが、俺もハワイにしばらくいかないと駄目だからな」
蛇神 ヤマト「うぅ・・・・・・。 兄貴の意地悪!」
蛇神 カイト「まだ、元カノのナオコにこだわっているのか。今のおまえのままじゃ、連絡先を教えても無駄だろうな」
蛇神 ヤマト「そんなのやってみなきゃ、分からないじゃないか。俺の青春はここで終わるのか」
馬場 藍子「ちょっと、男子! 勝手にコートを使ったらだめよ」
蛇神 ヤマト「げっ、風紀委員の馬場さんだ。 兄貴、ちくられるぞ!」
蛇神 カイト「すまない。弟の非礼を詫びる」
馬場 藍子「いいの、いいの。カイト君は。どうせ、 ヤマトが無理強いをしたんでしょ」
蛇神 ヤマト「なっ。兄貴と俺への態度が違いすぎる!!」
蛇神 ヤマト「兄貴も、俺の非礼を詫びるってどういうことだよ!」
馬場 藍子「ヤマト、内申点ぎりぎりだったわよね」
蛇神 ヤマト「そ、それは。頼む、見逃してくれ」
蛇神 カイト「僕に免じて、許してやってくれないか。お詫びに、おでこにキスでいいかな」
馬場 藍子「カイト君、からかわないでください。私、一応風紀委員ですよ」
蛇神 ヤマト「なっ、本当にキスしやがった!」
馬場 藍子「私、これにて失礼します」
蛇神 カイト「おまえは、頭が固すぎるんだよ、ヤマト」
蛇神 ヤマト「どうせ、俺は出来の悪い弟ですよ」
〇学生の一人部屋
蛇神 ヤマト「あぁ、あっという間に時間が過ぎちまったな。深く考えずに、もう寝よう」
〇歯車
蛇神 ヤマト「うん、俺ほとんど夢見ないのに。 歯車の夢?」
蛇神 ヤマト「考えてもしゃーない。 寝ようって、もう寝ているのか!?」
〇学生の一人部屋
蛇神 ヤマト「やばい。遅刻だ。兄貴にどやされる!」
蛇神 ヤマト「あれ~。スマホの日付が昨日と同じだ!! バグったのか」
蛇神 ヤマト「とりあえず、学校に行ってみるか」
〇パドック
蛇神 ヤマト(どうなっているんだ。昨日と同じ出来事がまた繰り返されている)
蛇神 カイト「どうした。テニスの試合中に考え事か? おまえらしくないな」
蛇神 カイト「あと1ゲームで終わりだ」
蛇神 ヤマト「まだまだ。これからだ!」
蛇神 ヤマト(サーブ権は俺。ここまで使っていないアンダーサーブで奇襲をかけるか)
蛇神 カイト「アンダーサーブか。奇襲にしても、もっと上手く打たないと相手のバランスを崩せないぞ」
蛇神 ヤマト「やっぱダメか。百戦錬磨の兄貴には、ただのチャンスボールだ。ならば・・・・・・」
蛇神 カイト「おっと。前に出てきたら、パッシングショットの餌食だ!」
蛇神 ヤマト「くっ、また0-6,0-6のダブルベーグルスコアかよ」
馬場 藍子「ちょっと、男子! 勝手にコートを使ったらだめよ」
蛇神 ヤマト「げっ、風紀委員の馬場さんだ。 兄貴、ちくられるぞ!」
蛇神 ヤマト(うん、この流れは・・・・・・。このままでは、馬場さんが兄貴にキスされてしまう)
蛇神 カイト「す、すまない。おでこにキスで許してくれる?」
馬場 藍子「私、これにて失礼します」
蛇神 カイト「おまえは、バカ正直するんだよ、ヤマト。 じゃあ、また明日な!」
蛇神 ヤマト「俺、最低だ。見ていることしかできなかった」
蛇神 ヤマト「また、タイプループしたらチャンスはあるはずだ。待ってろよ、兄貴!」
〇歯車
蛇神 ヤマト「だめだ。やっぱり何度やっても、兄貴には勝てない」
蛇神 ヤマト「過程は変えられても、起こってしまった結果は変えられないんだ」
蛇神 ヤマト「じゃあ、何のためにこのタイムループが起きているんだ?考えて、考えまくるんだ、俺!」
〇パドック
蛇神 ヤマト(あらゆる戦術は試した。格上の兄貴に勝つには、心を揺さぶるんだ!)
蛇神 カイト「どうした。テニスの試合中に考え事か? おまえらしくないな」
蛇神 カイト「あと1ゲームで終わりだ」
蛇神 ヤマト「兄貴、前から欲しがっていたアイドルの写真集をやるよ」
蛇神 ヤマト(ここで、クイックサーブだ!)
蛇神 カイト「マジか。お前の宝物だろ」
蛇神 ヤマト(ここで、浮いたリターンを前に出てボレーだ)
蛇神 カイト「ヤマト、そんな見え見えのフェイントは 俺には効かないぞ」
蛇神 ヤマト「くっ、また0-6,0-6のダブルベーグルスコアかよ」
馬場 藍子「ちょっと、男子! 勝手にコートを使ったらだめよ」
蛇神 ヤマト「げっ、風紀委員の馬場さんだ。 兄貴、ちくられるぞ!」
蛇神 ヤマト(うん、この流れは・・・・・・。もう見ていられない)
蛇神 カイト「す、すまない。おでこにキスで許してくれるかな?」
馬場 藍子「私、これにて失礼します」
蛇神 ヤマト「おれは、あきらめない。このループを必ず抜け出して、ナオコさんとやり直すんだ!」
蛇神 カイト「あいつ、目の色がいつもと違うな」
〇歯車
蛇神 ヤマト「逃げても何も変わらない。戦略は決まった。俺の決心が鈍る前に行くか」
蛇神 ヤマト「結果は変えられなくても、 運命は変えられるんだ!」
蛇神 ヤマト「タイムループは今回で終わりだ!」
〇パドック
蛇神 ヤマト(総合力で大きく劣る俺が、チャンスがあるとするとしたら・・・・・・一発勝負のみ)
蛇神 カイト「どうした。もう試合はやめにするか?」
蛇神 カイト「あと1ゲームで終わりだ」
蛇神 ヤマト「兄貴、本気出してもいいから、最終ゲームだけ1ポイント先取で頼む!」
蛇神 カイト「分かった。その代わり、一切手加減はしない」
蛇神 ヤマト(ここで、ネットすれすれのサーブで、サービスエースをねらう!)
蛇神 カイト「フォルト!どうした、あと一球失敗すれば俺の勝ちだ!」
蛇神 ヤマト(2球続けて、ネットすれすれのサーブだ!)
蛇神 カイト「ダブルフォルト!ゲームセット!」
蛇神 ヤマト「待ってくれ!今のは、ぎりぎり『レット』じゃあないのか」
蛇神 カイト「いや、俺の目に狂いはない。ぎりぎりアウトだった。やり直しは認めない!」
馬場 藍子「ちょっと、男子! 勝手にコートを使ったらだめよ」
蛇神 ヤマト「げっ、風紀委員の馬場さんだ。 兄貴、ちくられるぞ!」
蛇神 ヤマト(うん、この流れは・・・・・・。馬場さんが兄貴にキスされる場面だ)
蛇神 カイト「す、すまな・・・・・・」
馬場 藍子「何、急に。最悪~。 どうせなら、カイト君にしてほしかった」
馬場 藍子「私、これにて失礼します」
蛇神 カイト「やるじゃないか、ヤマト。少し見直したぞ」
蛇神 ヤマト「俺、やっと分かったよ。結果が大事なんじゃない。選択肢はいくらでもあるんだ」
蛇神 ヤマト「やり直しできる人生なんか人生じゃあないんだ!」
蛇神 カイト「・・・・・・」
蛇神 ヤマト「・・・・・・」
蛇神 カイト「おう。何はともあれ、よかったよかった」
蛇神 カイト「ふぅ。保険をかけといて、正解だったか。 タイムループ解除のトリガーは馬場さんに設定しておいてよかった」
こんばんは!これはお兄さんもタイムリープを仕掛けていたんでしょうか!面白いですね!
そして馬場さん、なんどもキスされてましたね😂👍
ラブとloveをかけている言葉遊びも面白いです。恋愛もテニスもラブゲームはなかなか難しいですね。トリガーの馬場さんとそのおでこにもお疲れ様でしたと言いたい。
すごいお兄さんですね。
時間を操る能力まで持っているとは、ヤマトくんもかないませんよね。
でも、お兄さんからすると元カノへの未練も断ち切って欲しかったのかな?と思いました。