〇大学の広場
　　2018年３月某日
　　部活勧誘解禁
ボート部　澤田「おう!!セパタクロー部の東出じゃねぇか!!」
セパタクロー部　東出「・・・澤田さん、ども」
ボート部　澤田「セパタクロー部は３人で新歓大変だな!!」
ボート部　澤田「スケジュール見たけど、例年通りのイベント頻度に戻ってんね!!大丈夫なの!?」
セパタクロー部　東出「いえ、心配には及びませんよ。 ボート部の皆さんも朝練早い中、新歓お疲れ様です」
セパタクロー部　東出「では、失礼します」
ボート部　澤田（妙だな・・・どこか自信を感じる顔つきだ・・・）
ボート部　澤田（今回もボート部のイベントとまるかぶりで、人集め難しそうなのに）
ボート部　澤田「ま、俺たちの敵ではないか!!」

〇まっすぐの廊下
ラクロス部　矢部「お!!原野君じゃん!!」
パルクール部　原野「ラクロス部の矢部さん・・・こんにちは」
ラクロス部　矢部「パルクール部は今年も動画に力いれてる感じか!?」
ラクロス部　矢部「つってもまだアップされてないみたいだけど」
パルクール部　原野「今日の夜公開しますよ」
ラクロス部　矢部「はっ!!去年の反省してねぇのかよ」
ラクロス部　矢部「ウチはもうとっくにアップして順調に再生数伸びてるよ!!」
パルクール部　原野「それは凄いっすね。ウチの動画も人気出ればいいんですけど」
パルクール部　原野「ではちょっと行かなきゃいけない所があるんで、これで」
ラクロス部　矢部「なんだよ・・・」
ラクロス部　矢部（解禁日守るにしても朝イチ投稿してねーのは何か意図があんのか!?）

〇学校の部室
カバディ部　山川「はい、はい、わかりました。 ありがとうございます。それでは」
アメフト部　郷原「やあ!!精が出るね!!」
カバディ部　山川「郷原さん・・・何の用っすか!?」
アメフト部　郷原「いやなに、君らの部は去年ウチのトラップリストに引っかかったからね」
アメフト部　郷原「本命のリストに手をつけられてないか偵察さ!!」
カバディ部　山川「どうせめちゃくちゃ厳重なんでしょ？ そんな事しませんよ・・・」
アメフト部　郷原「気を悪くしないでくれたまえ。 我が部の伝統なんだ」
アメフト部　郷原「では!!」
カバディ部　山川「・・・」
カバディ部　山川「・・・今に見てろ」

〇まっすぐの廊下
　　一週間後
ボート部　澤田「お前ら調子どうよ・・・!?」
ラクロス部　矢部「良かったらこんな時間まで必死こいて勧誘かけねーよ!!」
アメフト部　郷原「・・・右に同じだ」
ボート部　澤田「説明会や体験会には人は来てんだけど、なんか入部者少ないんだよなぁ」
アメフト部　郷原「我々もリストを作っての連絡はしているが、例年より反応が鈍いんだ・・・」
ラクロス部　矢部「どこも似たような状況かよ・・・」
ボート部　澤田「なんだあ!?」
アメフト部　郷原「外が騒がしいな」
ラクロス部　矢部「お、おいあれ見ろよ!!」

〇大学の広場
セパタクロー部　東出「相川行くぞ!!」
セパタクロー部　相川「はい!!」
　　セパタクローってすげー!!
　　あんな体勢からボール蹴れるのかよ!?

〇まっすぐの廊下
「セパタクロー部!?」

〇大学の広場
セパタクロー部　東出「オラ!!」
セパタクロー部　相川「なんの!!」
ボート部　澤田「おいおいお前ら!!」
セパタクロー部　東出「澤田さん、なんですか!?」
ボート部　澤田「こんなところで勧誘してんじゃねぇよ!? 許可とってんのかよ!?」
セパタクロー部　東出「ええ、とってますよ」
ボート部　澤田「あぁん？この時間は別の部がこの場所で勧誘予定になってんぞ!?」
セパタクロー部　東出「僕らがとってるのは、練習の許可です」
セパタクロー部　東出「なので、別枠ですね」
ボート部　澤田「はぁんんん？」
セパタクロー部　東出「僕らはここで練習してるだけですから」
ボート部　澤田「そ、そんな理屈が・・・」
セパタクロー部　東出「セパタクローは見てもらえさえすれば、興味を持ってもらえる・・・」
セパタクロー部　東出「そう信じて練習許可がおりる時間、片っ端からおさえてセパタクローをPRしました」
ボート部　澤田「そんなの反・・・」
セパタクロー部　東出「まさか反則とは言わないでしょうね」
セパタクロー部　東出「去年、あれだけ部長に啖呵切ったんですから!!」
ボート部　澤田「く・・・・・・」

〇まっすぐの廊下
アメフト部　郷原「なるほど・・・セパタクロー部考えたな・・・」
ラクロス部　矢部「ボート部はなんだかんだ練習場所が遠いからな。学校で練習見れられるのはデカいな・・・」
ラクロス部　矢部「ん!?」
ラクロス部　矢部「なんだぁ!? 『パルクールの動画がヤバい』 だって!?」
ラクロス部　矢部「って・・・50万回再生!! なんだこりゃ!?」
アメフト部　郷原「ど、どんな内容なんだ!?」

〇講義室
　　これ・・・大学の講堂じゃねぇか!?
　　まさか・・・校内でパルクールをしてるのか!?

〇古い大学
　　これは・・・
　　実質的な大学紹介も兼ねているぞ
　　伸びるわけだよ・・・
　　パルクールだけじゃない!!大学紹介も兼ねてるんだから・・・

〇まっすぐの廊下
ラクロス部　矢部「やられたぜ・・・ すげぇアイデアだ・・・」
ラクロス部　矢部「こいつの準備に時間かかってたわけか・・・」
ラクロス部　矢部「くそ!!すぐに対策会議だ!!」
アメフト部　郷原「・・・まさかカバディ部も何かしたのか!?」
カバディ部　山川「ご明察」
アメフト部　郷原「山川君!!」
アメフト部　郷原「君たちは一体何をしたのだ!?」
カバディ部　山川「俺たちは電話しただけさ」
アメフト部　郷原「といっても君たちの人数では・・・」
カバディ部　山川「ただし、大学の公式案内連絡のボランティアを通じて得た新入生全員分のリストを使ったのさ」
アメフト部　郷原「全員分だと!?」
アメフト部　郷原「それは卑怯では!?」
カバディ部　山川「アメフト部は非公式な手段ですけど、こっちは正当な権利で入手したリストです」
カバディ部　山川「もちろん、新入生の相談にものりながら、興味があればカバディを案内する程度にとどめていますよ」
アメフト部　郷原「ぐぬぬ・・・」
カバディ部　山川「郷原さん・・・」
カバディ部　山川「部活勧誘は仁義なき戦い・・・」
カバディ部　山川「我々弱小部はそれを思い知らされました」
カバディ部　山川「だから、この一年・・・必死に考えました」
カバディ部　山川「おかげで既に入部者が10人超えてます」
カバディ部　山川「あなたたちのおかげですよ」
アメフト部　郷原「くっ・・・くそーーー!!」

〇大学の広場
　　カバディ部
　　パルクール部
　　セパタクロー部
　　部員15名獲得
セパタクロー部　東出「やったな!!」
カバディ部　山川「ああ、去年の雪辱を晴らせたよ」
パルクール部　原野「大成功だったな!!」
セパタクロー部　東出「だが、油断は出来ない・・・ メジャーな部活動達も来年は対策を打ってくるはずだ・・・」
カバディ部　山川「そうだな・・・ 戦いはもう始まっている・・・」
パルクール部　原野「仁義なき部活勧誘は・・・」
「終わらない!!」