不光な世界に希望あれ

水色人間。

第3話 死体(脚本)

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水色人間。

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〇黒背景
  赤ん坊が生まれる瞬間──
  僕は希望に満ち満ちていた
「あぎゃあぎゃあ!!」
  《全身発光》という《光源病》の中でも最悪な状態
  最大の光を放つ──
  光源病者を産むのは、体力が必要となる
  もともと《光源病》を患っていたため、妻には体力がなかった
  《全身発光》の子供の産む体力は他と比べ物にならない
  僕は目をつぶることしかできなかった
  妻の最期も、我が子の最期も──
  僕は見てやれなかった

〇中東の街
ルカ=マクスウェル「おい、どうしたんだよ?」
  足が動かなかった
ノア=スペンサー「もしも子供や妻が生きていて、今の状況だったら──」
ノア=スペンサー「僕は家族を置いていかない!!」
ルカ=マクスウェル「・・・はあ」
ルカ=マクスウェル「わかったよ、ついて来い」
ルカ=マクスウェル「ただし、もしイーターと出くわしたら置いていく」
ルカ=マクスウェル「それが条件だ」
セレナ=モンタギュー「わかったわ、ありがとう」
  彼女は迷いなくうなずいた
ノア=スペンサー「ありがとう」
ルカ=マクスウェル「お前にああ言われたら、俺は何も言い返せねえんだよ」

〇地下室
ノア=スペンサー「着いた・・・」
  どうにかバレずに地下倉庫までやってこれた
ルカ=マクスウェル「非常食あった!」
ノア=スペンサー「勝手に食べていいのかよ」
ルカ=マクスウェル「非常な時に食べるもんだろ? 今、今!」
ルカ=マクスウェル「お前もほら」
  ルカは彼女に缶パンと水を渡した
ルカ=マクスウェル「さっきは悪かった」
セレナ=モンタギュー「ううん、気にしてない」
セレナ=モンタギュー「ああなるのが普通だから」
ルカ=マクスウェル「お前、名前は?」
セレナ=モンタギュー「セレナ=モンタギュー、19」
ルカ=マクスウェル「年下か」
ルカ=マクスウェル「俺はルカ=マクスウェル、23」
ルカ=マクスウェル「こいつも同じく23歳」
ノア=スペンサー「ノア=スペンサー。よろしく」
セレナ=モンタギュー「わたし、初めてこの街に来たんだけど」
ノア=スペンサー「旅人だったの?」
セレナ=モンタギュー「まあ、そんな感じ」
セレナ=モンタギュー「気になったことがあって・・・」
セレナ=モンタギュー「どうして川を渡ろうとしていたの?」
セレナ=モンタギュー「イーターくらい、電気を消して家で大人しくしていればいいじゃない」
ルカ=マクスウェル「扉を壊して家の中にまで侵入してくるんだよ」
ノア=スペンサー「僕らもさっき家を襲われて逃げ出してきたんだ・・・」
ルカ=マクスウェル「間一髪だった」
ノア=スペンサー「とにかく今の状況をどうにかしないと・・・」
セレナ=モンタギュー「ごめんなさい、ちょっと休んでもいい?」
セレナ=モンタギュー「旅のせいかもしれない・・・」
セレナ=モンタギュー「ちょっと疲れちゃって・・・」
  セレナは倒れるように横たわった

〇地下室
  気がつくと日付が変わっていた
  一睡もできなかった僕に対して、ルカがいびきをかき、セレナは昨日からぐっすり眠っている
ノア=スペンサー「ルカ、起きてるか?」
ルカ=マクスウェル「ああ、今何時?」
ノア=スペンサー「7時。ちょっと外の様子を見てくる」
ルカ=マクスウェル「気をつけろよ」
ノア=スペンサー「ああ」

〇建物の裏手
ノア=スペンサー(恐ろしいくらい静かだ・・・)
ノア=スペンサー(きっと街の人たちも僕らのように息をひそめているんだろう・・・)
  僕らが隠れている付近にイーターは見られなかった
ノア=スペンサー(でも、まだいるかもしれない)
  僕は忍足で街の様子を見に行った
ノア=スペンサー「むごい・・・」
  死んだ体が猛烈なにおいを発して、あちらこちらに転がっている
  吐き気を抑えて、他の場所を見にいく
  イーターはどこにもいなかった

〇地下室
ノア=スペンサー「イーターはもうどこにもいなかった」
ルカ=マクスウェル「そんなことより!!」
ノア=スペンサー「どうかしたのか」
ルカ=マクスウェル「セレナが・・・」
ルカ=マクスウェル「光ってないんだ・・・!!」
ノア=スペンサー「それってどういう・・・」
  たかが他人
  昨日知り合ったばかりで、名前くらいしか知らない
  イーターを呼び寄せることから虐げられる病気
  命を削りながら光を放つ
  光のない世界の災厄──
  ──不光な病気
ルカ=マクスウェル「死んでる」

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