Iの後にはJが来る

はの

JJJJ(脚本)

Iの後にはJが来る

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〇警察署の資料室
陸本「ジェイが来るのは・・・」
陸本「愛の後だけ・・・」
陸本「それが今、なんの関係が」
ジェイ「わからないか」
ジェイ「お前には愛がない、と」
ジェイ「そう言っているのだ」
陸本「俺に・・・愛がない?」
陸本「ふ、ふざけるな!!」
陸本「俺は、皆のために」
ジェイ「皆のために?」
ジェイ「違うな」
ジェイ「お前の行動は全て」
ジェイ「『正しさ』のためだ」
ジェイ「お前、今まで」
  心が動いたことあるか?

〇綺麗な部屋
保田「ここが、現場か」
保田(酷いなこりゃあ)
陸本「自殺・・・ですか・・・」
  自殺の現場を前にしても、心の中で何も感じていない

〇刑務所の牢屋
陸本「俺の・・・せいっすね・・・」
陸本「俺が、ジェイのことを知りたいなんて言わなければ・・・」
  変わり果てた上司を目の前にしても、心の中で何も感じていない

〇警察署の資料室
陸本「俺が知らなかっただけで、ジェイを理由に捜査が打ち切られている事件がいくつもある」
陸本「でも、ジェイが何かを明記しているものはない」
  一人の時も、ペラペラと言葉を紡ぐ

〇警察署の資料室
陸本「・・・」
ジェイ「まるで、人間を演じているようじゃないか」
ジェイ「お前の思う正しい人間を」
ジェイ「お前の思う正しい警察を」
陸本「・・・」
陸本「ジェイ、一つ教えてくれ」
ジェイ「なんだ?」
陸本「俺は自分のことを、感情がない人間だと思っていたが」
陸本「この感情に名前があるのか?」
ジェイ「ああ・・・」
ジェイ「その感情の名前が、ジェイだ」
陸本「ジェイ・・・」
ジェイ「一人の人間を守りたいという感情」
ジェイ「皆を守りたいと感じる感情」
ジェイ「他人の行動や状態に心が動く感情」
ジェイ「それらすべてが愛であり」
ジェイ「それらすべての反対が、ジェイだ」
陸本「・・・」
陸本「嬉しいな」
陸本「ずっとずっと、不安だったんだ」
陸本「周囲の人間が言う、嬉しいも悲しいも、俺には理解ができなかった」
陸本「ずっと、自分は変なんじゃないかって思っていた」
陸本「でも、違ったんだ」
陸本「俺は、感情のない人間でも、変な人間でもなかったんだ」
陸本「俺は、ジェイに溢れる人間だったんだ」
陸本「ようやく、自分のことが分かった気がする」
陸本「こんなに嬉しいことはない」
ジェイ「嬉しい、か」
ジェイ「それも、演じているだけなんだろ?」
陸本「・・・」

〇黒
  531:名無しのライターさん
  ──────────────────
  最近、警察の事件多くね?
  532:名無しのライターさん
  ──────────────────
  >>531
  それな
  534:名無しのライターさん
  ──────────────────
  >>531
  毎日なんか起きてるよな
  543:名無しのライターさん
  ──────────────────
  >>531
  税金の無駄だから全員首で
  553:名無しのライターさん
  ──────────────────
  >>543
  禿同
  556:名無しのライターさん
  ──────────────────
  >>543
  モヒカンがたちが暴れ回る世紀末へ突入か
  566:名無しのライターさん
  ──────────────────
  >>556
  胸熱www
  567:名無しのライターさん
  ──────────────────
  いや、ネタ抜きで、マジでやばくないか?

〇警察署の廊下
  カツン──。
  カツン──。
ジェイ「よお」
陸本「ジェイか」
ジェイ「あれから、派手にやってるな」
陸本「なんのことだ」
ジェイ「次から次へと警察を焚きつけて」
ジェイ「愛を燃え上がらせている」
ジェイ「ジェイに、している」
陸本「ああ、そのことか」
陸本「当然だろ」
陸本「保田さんたちを見て、わかった」
陸本「愛の後にジェイが来て、ジェイが犯罪を引き起こすなら」
陸本「愛を持つ人間全員、さっさと牢に入れるのが最善だ」
陸本「残された、愛を持たない人間だけの世界は、きっと平和になる」
陸本「ジェイが、正しい世界を作るんだ」
ジェイ「ははは」
ジェイ「お前の上司たちは、ジェイを隠すことで犯罪を防ごうとしたが」
ジェイ「お前は逆をいくんだな」
陸本「どっちが正しいかは、未来でわかる」
陸本「じゃあな、俺は忙しいんだ」
ジェイ「ははは」
ジェイ「楽しみにしてるよ、愛のない世の中を」
ジェイ「ジェイの──俺の世界を作ってくれ」

コメント

  • アナウンサーさんが日々、ニュースを読むたびに苦悩していると思うと(苦笑)。
    ずっといる“J”の演出、いい感じに表情がサイコパスある感な立ち絵、匿名板(笑)など……良きでした。
    2倍速のパッと見では心地良くも『言葉の海』に溺れて流されてしまうので、何回かページを戻りました(最初から1倍速で見ろ)。

    最初は『事故』の“J”かと思っていました……!

  • 濃密で謎に満ちたストーリー展開から鮮やかに転じるラスト、読後充実感が物凄いです!月並ですが、お見事という感想になってしまいますね!

  • うわー! こう来るとはー!
    ちょっと不自然かなと思ってた部分が伏線とは!!
    見事でした!!

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