第五話 エゴサは続くよこれからも(脚本)
〇闇の要塞
ゴーマ国の裏切りに、持てる全ての力で報復しきった魔王と3人。
全ては終わったのだ。
〇魔王城の部屋
アルヒールド「・・・終わったな」
オルヴァン「本当の意味でな・・・」
エリス「サービス終了する前に、私達が世界壊滅させちゃったね・・・」
カルシム「で、でも死者はまさかのゼロでしたから・・・」
オルヴァン「スゲーけどさすがに世界消滅を打ち消すほどの奇跡じゃねえかな・・・」
アルヒールド「我ながらあふれる感情を抑えられなかった」
アルヒールド「情けない限りだ・・・だが、後悔はそこまで深くはない」
アルヒールド「俺達だけならまだしも、運営やユーザーにまで攻撃をしたのは許せない」
オルヴァン「まあ、あのオッサンの野望を阻止しただけでも良しとしねーとな」
エリス「うん、サービス終了に好きも嫌いもないけど、あんな終わり方だけは絶対イヤ」
カルシム「あの・・・それで、オキアミス様、これからどうなさいますか?」
魔王オキアミス「どうもこうもない。終わりを受け入れるだけよ」
魔王オキアミス「その前に最後の実況を撮っておかねばな。愚民共へのコメントも入れねばなるまい」
エリス「前から思っていたけど、魔王って結構マメよね」
カルシム「世界滅亡には辛抱と根気が必要だと常々おっしゃるような方ですから・・・」
オルヴァン「今さらジタバタしたってしょうがねーか・・・」
オルヴァン「おい、オレ達もユーザーにフォロー入れとこうぜ」
アルヒールド「そういえば、評判が荒れたままだったな・・・すぐにとりかかろう」
エリス「気が重いなあ・・・絶対キツイこと書いてあるよ・・・」
もはや打つ手はない。
誰もが諦め終わりを迎える覚悟を決めていた。
だが・・・。
エリス「──ウソ!」
エリス「ちょっとちょっと! みんなこれ見て!」
オルヴァン「なんだよ、さすがにこれ以上の追加ダメージコメは見たくねーぞ」
エリス「いいから、ほら!」
オルヴァン「どれ、最新ストアランキング『world of dead end』──」
オルヴァン「98位!?」
オルヴァン「ハァ!? マジかよ! ランク急上昇ってどころじゃねーぞ! なんで・・・!」
カルシム「見つけました! 恐らくこれが理由かと」
エリス「バズったブログ記事?」
エリス「ええと『魔王「みみっちいことはやめてキャラ洗脳して近隣諸国荒らしてやったwwwついでに偽者ぶっ殺すwww」』」
〇SNSの画面
ブログ主「最近ネットで炎上しまくっていた世界死がとうとう自分の世界を燃やした」
ブログ主「[主な流れ]ゴマちゃん13がいきなり魔王宣言、世界に喧嘩を売る→主人公迎え撃つ準備をする→突然の魔王軍介入」
ブログ主「→魔王、味方キャラを洗脳したのちバフ(※ステータス調整のこと)をかけまくる」
ブログ主「→その後、えりりん車でゴーマ兵を跳ね飛ばし、オル婆マシンガンで薙ぎ払う」
ブログ主「→剣を使わず拳でぶっ飛ばすあるひ― →魔王、ゴマちゃん13にヤキを入れる」
ブログ主「言っておくが、これは事件の概要ではなく、開始10分での出来事、『起承転結』でいう『起』の部分であることを特に伝えたい」
〇魔王城の部屋
エリス「・・・そんな短時間でそこまでしてたっけ?」
オルヴァン「気の済むまでマシンガンぶっ放してたとこまでは覚えてんだけどな・・・」
アルヒールド「恥ずかしい話だが、俺はあの時の記憶がほとんどない・・・」
カルシム「そして、こちらが評価とコメントになります」
コメント1『デッドエンド(タイトル回収)』
コメント2『魔王実況の魔王様もさぞかしお喜びであろう』
コメント3『なんだかんだいって本物の魔王は違うな。10分で全部終わらせるもん』
コメント4『世界死つい最近大炎上してなかった?』
コメント5『最初は運営のやらかしかと思われてたけど、どうもアンチ工作員の仕業っぽい
同一IDのコメントがめっちゃ出て来たって』
カルシム「あの日、世界を破壊したあの行動が多くの人々の胸に響いたようでございます」
エリス「世界を破壊したらみんながゲームに興味を持ってくれたなんて・・・」
オルヴァン「すげー皮肉だ・・・」
アルヒールド「こうしている場合ではないな」
エリス「あれ? アルヒールド、どこ行くの?」
〇配信部屋
アルヒールド「魔王オキアミス!」
魔王オキアミス「貴様、実況中だぞ!」
アルヒールド「すまないが、それは後にしてほしい。先にやることがある」
魔王オキアミス「・・・なんだ?」
アルヒールド「生放送だ。WOD快挙の記念配信をするぞ」
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「世界滅亡とサ終は違う」が名言すぎて草😇
いやぁ、良かったです!スチルも可愛くて良き……。