異世界転死の幽霊様

要 九十九

第一話「異世界転・・・死!?」(脚本)

異世界転死の幽霊様

要 九十九

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異世界転死の幽霊様
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〇地球
  『生きる』とは
  あなたにとってどんな意味を持ちますか?
  遊ぶ事?
  食事する事?
  それとも日々を過ごす事?

〇雲の上
  俺にとって生きるとは
  『死なない』ことだ
  え?
  俺は誰か?

〇美しい草原
  俺は
???「魔物」
???「私にお任せ下さい」
???「ホーリー」
「ギャアァァ!」
  既に皆さんはお気付きだろう
  この聖なる魔法で
  魔物と一緒に死にかけているのが
  俺だ

〇山の展望台
  話は少し前に遡る
???「あれ」
???「ここは」
???「なっ」
???「あれって」

〇火山の噴火
???「火山に雪が」
???「あっちも」

〇島
???「あの島だけ暗い」
???「こっちは」

〇沖合(穴あり)
???「空に穴」
???「それに」

〇美しい草原

〇山の展望台
???「何だあれ」
???「まるで魔物・・・」
???(これってまさか)
???(異世界転移!?)

〇美しい草原
???(小説とかなら最初は人や町を探す所からだよな)
???(人だ)
???「あのー?」
???「あの」
???「あれ」
町人「石が急に!?」
町人「誰だ?危ねぇ」
???「待って」
???(嘘だろ)

〇美しい草原
???(魔物!?)
???「物は触れても人や魔物は」
???「声も届かず、姿も見えてないみたいだ」
???「・・・」
???「あれ?」
???「俺死んでね?」

〇美しい草原
???「嘘だろ」
???「何だこれ」
???「異世界転移って」
???「最初から死んでるものなの!?」
???「どうしよう」
???「人?」
???(目があった?)
???「ホーリ・・・」
???「・・・」
???「倒れた!?」
???「大丈夫ですか」
???「聞こえ」
  ぐー
???「お腹が」
???「減って」

〇美しい草原
???「どれだけ食べるの!?」
???「色々採ってきて下さって 本当にありがとうございます」
???「お陰で少し腹が満たされました」
???「少し!?」
???「自己紹介が遅れました」
ガーベラ「私は神官のイチノキ・ガーベラといいます」
ガーベラ「悪りょ・・・幽霊様の名前は何と?」
???「今悪霊って言った!?」
???「俺の名前は」
???(あれ)
???(おかしい)
???(考えてみたら異世界転移やらの知識はあるのに)
???(自分が誰で何をしてたか)
???(思い出せない)
ガーベラ「あの」
???「あっ、名前ですね」
???「名前」

〇桜並木
  生きろ!絶対に死ぬな!
  中日奈央を・

〇美しい草原
???(今のは?)
アキラ「中日奈央」
アキラ「だと思います」
アキラ「多分」
ガーベラ「多分?」
アキラ「実は」

〇美しい草原
ガーベラ「なるほど」
ガーベラ「気付けばその姿で記憶もなく この場所に来ていたと」
アキラ「信じて貰えないかも知れませんが俺は異」
ガーベラ「異世界転移」
アキラ「えっ」
ガーベラ「異世界転移 又は転生されて来たんですよね?」
アキラ「何で」
ガーベラ「この国では条件に合う方を異世界から定期的に召喚してるんです」
アキラ「そうなんだ」
ガーベラ「ですが転移なら記憶は引き継がれる筈ですし」
ガーベラ「お召し物を見た所 転生とも思えません」
ガーベラ「ましてや死んだ状態で 召喚なんて話初めて聴きました」
アキラ「ガーベラさん詳しいんですね」
ガーベラ「はい」
ガーベラ「大教会の書庫で」
ガーベラ「スライムでも分かる異世界人 を読みましたから」
アキラ「参考書あるの!?」
ガーベラ「ですが私も異世界人の方と会うのは初めてで」
ガーベラ「いい思い出になりそうです」

〇怪しげな酒場
店員「マスターあの客大丈夫です?」
店主「ん?」
店主「何だ神官様じゃないか」
店主「王都や騎士領ならともかく ここで神官なんて珍しくもないだろ?」
店員「いやそういう意味ではなく」
店員「あの娘ずっと虚空に向かって」
店主「見なかった事にしなさい」

〇怪しげな酒場
  俺は彼女に連れられ
  近隣の町バチにある酒場へ来ていた
アキラ(メニューが全部日本語だ)
アキラ(ガーベラさんとも普通に喋れてるし これなら読み書きとかも大丈夫そうだな)
ガーベラ「幽霊様聞いてますか?」
アキラ「あっすみません!」
ガーベラ「それで他に何か覚えてる事などは?」
アキラ「今のところは名前くらいで」
アキラ「あの気になってたんですが」
ガーベラ「はい」
アキラ「何でガーベラさんには俺が見えてるんですか?」
ガーベラ「そんなに驚く事でもありません」

〇黒
ガーベラ「現世を歩き ソウルの器となるボディ」
ガーベラ「命そのものであり 魔力の源でもあるソウル」
ガーベラ「本来はその2つが合わさって 1つの生き物なのですが」

〇怪しげな酒場
ガーベラ「幽霊様は何らかの理由でボディを失い ソウルだけの存在となっています」
ガーベラ「そういった生き物もいるにはいますので」
ガーベラ「魔法を学びソウルを直接見れる方であれば」
ガーベラ「幽霊様を認識するのは簡単かと」
店員「お、お待たせしました」
アキラ「大食いチャレンジでもしてます!?」
アキラ「さっきからどれだけ食べるんですか」
ガーベラ「その・・・ 思い出に色々と食べたくて」
アキラ「まぁただ驚いただけなので好きに食べて下さい」
ガーベラ「ありがとうございます」
ガーベラ「あっ追加でチキン2つとA定食1つ」
アキラ「無限の胃袋!?」

〇英国風の部屋
アキラ「えっ」
アキラ「今何て?」
ガーベラ「七日」
ガーベラ「それが限界かと」
アキラ「あと七日?」
ガーベラ「ボディから漏れたソウルは少しずつ消滅します」
ガーベラ「専門家ではないですが幽霊様のソウルを今見るに」
ガーベラ「このままでは」
ガーベラ「それどころか」
ガーベラ「無茶をすれば消滅が早まる可能性も」
アキラ(嘘だろ?)
アキラ(体どころか魂まで?)
アキラ(こんな所で自分が何なのかすら分からずに?)
アキラ(死にたくない!)
アキラ「何とか」
アキラ「なりませんか?」
アキラ「そうだ」
アキラ「魔法」
アキラ「蘇生魔法はないんですか?」
ガーベラ「蘇生魔法はあります」
アキラ「それなら」
ガーベラ「ですが問題が」
アキラ「問題」
ガーベラ「何処でも使える魔法じゃないんです」
ガーベラ「王都などにある大教会じゃないと」
アキラ「それなら直ぐに王都へ」
ガーベラ「残念ながら王都まではどんなに急いでも十日は掛かるかと」
アキラ「そんな」
ガーベラ「ですがまだチャンスはあります」
アキラ「本当ですか」
ガーベラ「これから私が帰るワガナカにある大教会」
ガーベラ「そこでなら蘇生魔法が使えます」
アキラ「やった」
ガーベラ「すみません」
ガーベラ「喜ばれている所に水を差すようで 心苦しいのですが」
ガーベラ「私も幽霊様のような状態は初めて見たので」
ガーベラ「蘇生魔法が成功するかは」
ガーベラ「異世界召喚をしている王都ならばもう少し選択肢はあったかも」
アキラ(このまま何も分からず死ぬのは嫌だ!)
アキラ(希望があるならそれに懸ける)
アキラ「大丈夫です」
アキラ「ガーベラさんのお陰で ただ死を待つより希望が持てました」
アキラ「ありがとうございます」
ガーベラ「私も全力で協力しますので 一緒にワガナカへ向かいましょう」
アキラ「ありがとうございます」
アキラ「じゃ俺は宿屋の外に出てますね」
  そして

〇美しい草原
  話は冒頭に戻る
「ギャアァァァァ!」
アキラ「一瞬綺麗な川が見えた」
ガーベラ「すみません」
ガーベラ「悪りょ・・・幽霊様と 一緒に戦うのは初めてで調節が」
アキラ「今また悪霊って言った!?」
ガーベラ「やはりこの辺りに詳しくないと進みが」
アキラ「それは」
ガーベラ「なので助っ人を町で頼んでおきました」
ガーベラ「待ち合わせはこの辺りなんですが」
ガーベラ「いた」
ガーベラ「紹介しますね」
ガーベラ「案内人の」
ガーベラ「ミカノチ様です」
アキラ「案内人の見た目じゃない!」
アキラ「既に魔王として世界を手中に収めてたりしません?」
ミカノチ「どもミカノチ言うネ ヨロ~」
ミカノチ「マダ人間界慣れてナイノデ言葉少々」
アキラ「片言も相まって怪しすぎる」
アキラ「というか人間界?」
ミカノチ「コノ辺り盗賊や魔物多イ」
ミカノチ「田舎だし信仰騎士モ巡回コナイ」
ミカノチ「なので」
ミカノチ「我に付いてくれば世界の半分をくれてやろう」
アキラ「紛れもない魔王!」

〇美しい草原
アキラ「大丈夫です?」
ガーベラ「町で向こうから雇わないかと」
アキラ「怪しい」
ガーベラ「でも気付きませんか?」
アキラ「え」
アキラ「目が」
アキラ「俺が見えてる」
ガーベラ「そうなんです」
ガーベラ「きっと助けになりますよ」
ミカノチ「ここ来て一ヶ月案内頑張るネ」
アキラ「現地人ですらない!?」
  そして彼の案内で俺達は先へ進んだ

〇美しい草原
「今のは?」
ガーベラ「幽霊様あれを」

〇美しい草原
盗賊「殺せ」
盗賊「奪え」

〇美しい草原
ガーベラ「荷馬車が襲われて」
ガーベラ「急いで助け」
ミカノチ「待て」
ミカノチ「見捨てた方がイイネ」
ミカノチ「騒ギト煙見て信仰騎士来るカモ」
ミカノチ「でも何時来るかワカラナイ」
ミカノチ「そんな中 一人でアノ人数に対処無理ネ?」
ガーベラ「それは」
ミカノチ「ワガナカまで四日かかるネ」
ミカノチ「アンなのここじゃ見慣れた光景ヨ」
ミカノチ「急ぐなら無視して進むが一番得策ネ」
ガーベラ「・・・」
ガーベラ「確かにそうかも知れません」
ガーベラ「ですが」
ガーベラ「私は神に仕える以前に一人の人間です」
ガーベラ「一人の人間としてこの地に住む人を 見捨てることなど出来ません」
ガーベラ「幽霊様はここでお待ちを」
アキラ「あっ」
ミカノチ「さて」
ミカノチ「君はどうする?」
アキラ「俺は」

〇美しい草原
盗賊親分「大量大量」
盗賊親分「他の馬車はどうだ?」
盗賊「死体が」
盗賊親分「死体だぁ?」
盗賊「この馬車ヤバイっすよ」
盗賊「早くずらかりましょう」
盗賊親分「じゃ行く」
???「止めなさい」
盗賊親分「神官様が何の用だ?」
ガーベラ「盗んだ物を置いて 今すぐこの場から立ち去りなさい」
盗賊親分「はぁ」
盗賊親分「後で信仰騎士にでも通報されたら面倒だしなぁ」
盗賊親分「お前ら」
「はい」
盗賊親分「こいつだけは確実に殺せ」

〇美しい草原

〇大樹の下
アキラ「ごめんなさい」
アキラ「俺は・・・」

〇美しい草原

〇英国風の部屋
ガーベラ「無茶をすれば消滅が早まる可能性も」

〇美しい草原
ガーベラ「一人の人間としてこの地に住む人を 見捨てることなど出来ません」

〇黒
ガーベラ「幽霊様」
  ・・・
  死にたくない

〇美しい草原
ガーベラ「はぁ、はぁ・・・」
盗賊親分「やるじゃねーか」
盗賊親分「だがこれならどうだ?」
町人「助けて」
ガーベラ「卑怯な」
盗賊親分「動くな」
盗賊親分「一歩でも動いたら」
ガーベラ「くっ」
盗賊親分「やれ」
盗賊「行きま~す」
ガーベラ「ぐっ」
ガーベラ「げほっ」
盗賊親分「おい」
盗賊親分「遊んでねぇでさっさと殺せ」
盗賊「さーせん」
盗賊「じゃ」
盗賊「何だ?」
盗賊「石?」
盗賊「ぐ」
盗賊「が」
ガーベラ「幽霊様!?」

〇美しい草原
盗賊親分(何だ)
盗賊親分(石が宙を)
盗賊親分(魔法?)
盗賊親分(それに)
盗賊親分「誰と喋ってる?」

〇美しい草原
ガーベラ「どうして」
アキラ「俺は死にたくない!」
アキラ「それは体だけじゃない」
アキラ「心もなんです」
アキラ「今これを見捨てたら」
アキラ「俺は自分の心を殺すことになる」
アキラ「だから」
アキラ「生きるために俺も戦います」
ガーベラ「はい」

〇美しい草原
盗賊親分「何を一人で」
盗賊親分「この女が」
盗賊親分「あれ」
盗賊親分「ナイフが」
盗賊親分「何」
盗賊親分「が」
盗賊親分(縄が首に)
盗賊親分「動けな」
アキラ「ガーベラさん」
ガーベラ「ホーリー」
「ギャアァァ!」
アキラ「綺麗な川が」
  そして

〇荷馬車の中
  ガーベラさんの回復魔法によって
  盗賊騒ぎの死者は出なかった
  一人を除いて
ガーベラ「やはりもう」
アキラ「そんな」
ガーベラ「馬車の方に」
ガーベラ「この方がどなたか聞いてきます」
アキラ「もう少し早く来てれば」
アキラ「ごめんなさ・・・」
ガーベラ「戻りました」
ガーベラ「幽霊様」
ガーベラ「さっきの戦いでもう消滅を?」
ガーベラ「私のせいだ」
ガーベラ「幽霊様」
???(アキラ)「はい」
???(アキラ)「あれ?」
???(アキラ)「俺生きてね?」
  続く

次のエピソード:第二話「身元不・・・明!?」

コメント

  • おもしろかったですー!
    いろいろ謎があって今後もおもしろそうですー!

  • 大食いのガーベラちゃん、現地民でもない魔王のミカノチ様、サブキャラも魅力的だし笑える要素も沢山!楽しかったです🙌
    最後は衝撃でした!2話目から本格的にスタート!というかんじで続きがとても気になりました🤭

  • ラストに衝撃を受けました。食事のシーンは突っ込みながら読みました笑
    次回も楽しみにしています。

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