ファイヤーストーム開催チャレンジ🔥(脚本)
〇白い校舎
〇フェンスに囲われた屋上
みのり「今更だけど、 アッキーはウチが第一志望だったの?」
美月「うん」
みのり「いや、アッキーに聞いてるの。 お前がそうなのは知ってる」
美月「いいじゃん。私らほとんど一緒だよ? ね?」
みのり「何が? 全部違うが? ね、アッキー?」
アキ「そうやね・・・まぁ似たようなもんかも」
みのり「あ、そっち?」
アキ「冗談冗談! 第一志望やったよ? みのりちゃんは違ったん?」
みのり「いや、あたしもそうなんだけど、 正直足りないな〜と 思うものもあって・・・」
美月「女子生徒の数?」
みのり「これ以上いらねぇわ・・・ なんでこんな9割女子の 高校になったんだろ・・・」
アキ「先輩たちは半々くらいやったのにね」
美月「男バスなんて、 とうとう新入部員ゼロだって」
美月「でも、それがどうかした?」
アキ「うち知ってるよ。 みのりちゃんはフラダンスが したいんよね?」
「フラダンス?」
アキ「あれっ、マイムマイムって フラダンスじゃないっけ?」
みのり「フォークダンスだね・・・ 前に言ったのはオクラホマ・ミキサー だし・・・」
美月「なーんもわからん」
アキ「運動場のまんなかでなにか燃やして、 その周り囲んで踊るんやって」
美月「なにそれ?」
みのり「学園もののドラマとか漫画とかで 見たことない?」
美月「・・・・・・???」
みのり(ないんだな・・・)
みのり「もう三年だし、全部の学校行事が ラストでしょ?」
みのり「高校生のうちにしかできないこと したいんだよね」
美月「学校の怪談作りとか?」
みのり「小学生か?」
美月「私、中学でも作ってたよ・・・」
みのり「マジで言ってる?」
美月「音楽祭の時期になると、音楽室の ベートーヴェンが増えるってやつ・・・」
みのり「お前かよ! アレ作ったの」
美月「どんどん話が大きくなって、 誰かがネットにも書いたから もう消せない・・・ア゛ァッ・・・」
みのり「勝手に黒歴史暴露して落ち込んでるし」
アキ「ほら、 隣の県のいとこは知らんかったから!」
アキ「それに あれすごい良い出来やと思うよ! いとこ めちゃくちゃ怖がってたし!」
みのり「アッキーも 話広げてるっていうね・・・」
アキ「あっ・・・」
〇学校の廊下
みのり「元は何の話してたんだっけ?」
美月「アッキーと私がほぼ同じって話」
みのり「違うけどおかげで思い出せたわ。 ありがとう」
みのり「あたしは夕方の校庭でフォークダンス、 っていう高校生らしさを楽しみたいの」
美月「でも女子が多過ぎるので難しい、と」
アキ「うちの男装でいいなら やるよ?」
美月「この際先生でもいいか」
みのり「いや〜〜・・・ なんていえばいいんだろ・・・」
みのり「男女比はどうにもならないし、 私が踊りたいわけじゃなくて・・・」
みのり「最前列の傍観者になりたい・・・ みたいな? 伝わる?」
「・・・・・・?」
〇白い校舎
アキ「先生、本当にありがとうございます!」
アキ「力を貸していただけたから 今日を迎えられました!」
松谷先生「いや・・・ 大したことはしとらんよ・・・」
松谷先生「処分に困っていたものもかなり あったし・・・」
「ングググ・・・もう・・・すぐ・・・ ゴォォール!!」
みのり「ハアーー!!!! 重かったぁ!!」
みのり「あっ!? すいません!! これは不満ではなくて!! 先生には本当に感謝してるんです!」
松谷先生「・・・早く着替えておいで そのまま踊るならそれでいいが」
みのり「・・・・・・」
アキ「あ、私達は踊らなくて・・・」
美月「参加者つれて来たよー」
美月「お? どうした?」
みのり「スタッフって着替え・・・する?」
美月「するでしょ。TPOに合わせて」
アキ「うちも美月ちゃんも ジャージじゃないんやし!」
〇白い校舎
〇学校の裏門
みのり「・・・・・・」
美月「どうだった?」
みのり「楽しかった・・・」
みのり「集まってくれた人達が 楽しそうにしてるのっていいね・・・」
アキ「うちも楽しかった! こういうの ずっとやってたいな」
美月「私も。 というわけで反省会は後日するとして──」
美月「文化祭の実行委員の募集が そろそろ始まるんだって!!」
「やる!!」
美月「そうこなくちゃ!」
アキ「文化祭、なにしたら楽しいかな〜」
美月「あえてファイヤーストームからの フォークダンスを重ねていく?」
アキ「もう美術準備室に燃やせるもんないよ!」
みのり「・・・ふたりとも、 今回の話、ノってくれてありがとね」
「こちらこそ!」
キャンプファイヤーとかもそうですが、火のある風景って思い出に残りやすいですよね。炎には人の心を動かす何かがあるんだと思う。これをきっかけに、ファイヤーストームはみのりたちの高校の恒例行事になりそうですね。
3人の熱い思いと行動力、その一方でのゆるーい会話が対照的でクスリとしました。この空気感が楽しいですね。こういう青春もいいですね
高校を卒業して幾年もたつ者ですが、生徒自らがアイデアして先生達おも巻き込んでやるイベントっていいなあと思いました。彼女たちのちょっと冷めた会話もツボにはまりました。