〇綺麗なダイニング
　　織田信長、伊達政宗、真田幸村が、シェアハウスのダイニングで話している
織田信長「現代というのは、何でもスマフォで済んでしまうから、身体がなまるのお」
伊達政宗「そうでございますねえ。少し目方が増えたようにございまする」
真田幸村「現代の者達のように、ランニングをしてみましょうか？」
織田信長「そうじゃなあ、近くに大きな公園もあるし、公園の中を走るのもよかろう」
伊達政宗「では、ウエアとシューズを買いに参りますか」
　　3人は近くのスポーツ用品を扱っている店に出掛けた

〇アパレルショップ
織田信長「わしは、ナイキが気に入った。白地にゴールドじゃ！」
真田幸村「あそこで試着もできるようでございますよ」
織田信長「うむ。ちょっと試着してみよう。２人ともそこにおってくれよ。意見を聞きたい」
真田幸村「相分かり申した」
伊達政宗「うーむ。信長殿と若干趣味が被ってしまうなあ。しかし、お揃いは嫌でござるし」
織田信長「2人とも、そこにおるか？」
真田幸村「おりまする」
織田信長「出るぞ」
伊達政宗「楽しみでござるな」
織田信長「どうじゃ？」
伊達政宗「イケておりまするな」
真田幸村「お似合いでござりまする」
織田信長「そうか？では、これを求めよう」
真田幸村「私は、鬼塚タイガーの赤揃えを」
伊達政宗「やはり、最強の赤揃えでござるな」
真田幸村「ええ、このこだわりは捨てられませぬ。政宗殿は、どうなさいます？」
伊達政宗「プーマの黒地に紫の模様が入ったものが気に入った」
真田幸村「おお、渋くて、伊達でござるな」
伊達政宗「では、それぞれ試着をしてみるか」
真田幸村「キャップも勧められたのですが、前頭部に飾りを付けられるか問うたところ、そのようなサービスはないと言われてしまいました」
伊達政宗「やはり、頭にかぶるものにあの三日月形の飾りがついていないのは寂しいからのお」
　　信長が店内をウロウロしていると、男性店員が声をかけた
店員「これからランニングを始められるんですか？」
織田信長「そうじゃ」
店員「下着はお持ちですか？」
織田信長「ふんどしを着用じゃ」
店員「・・・ランニングの際に着用していただける、サポートパンツというものがございますけれども、そちらの購入はいかがでしょうか？」
織田信長「うむ。もらおう！あと、マントを所望じゃ」
店員「マントでございますか？」
織田信長「うむ。バテレンが首から背に掛けて巻いておるであろう」
店員「あいにく、マントは当店では扱っておりません。申し訳ございません」
織田信長「相分かった」

〇大樹の下
真田幸村「朝の公園の空気がすがすがしいですね」
伊達政宗「信長殿、どうされました？」
織田信長「うむ。サポートパンツとやらの具合がどうも・・・その・・・きつすぎてのお」
真田幸村「なんでござりまするか？そのサポートパンツというものは？」
織田信長「うむ。現代のふんどしじゃ」
伊達政宗「あれにある公衆便所で脱いできてはいかがでしょうか？」
織田信長「うむ。少し待っておってくれ」
　　信長が戻ってくると、３人は走り出す事にした
織田信長「公園の中の土の道を選んで参ろう」
伊達政宗「そうでござるな」
真田幸村「では、私が先鋒を務めまする」
ランナーA「ちょっとなにあの３人」
ランナーB「すっごい早いんだけど」
ランナーA「腕を振ってないで、脇に固定？」
ランナーB「いや、微妙に右手と右足が一緒に出てるかも」
ランナーA「足も、膝あがってなくて、すり足っぽいよね」
ランナーB「カサカサカサカサって音がしそう」
　　戦国時代の走り方は、同じ方の手と足が出る。手はほとんど振らない。なぜなら、走るのは戦場だから、武器を持っているからだ。
　　そして、武具を着用して音を立てないよう、腿を上げない走り方になる。現代の走り方は明治以降西洋から入ってきた走り方だ。
伊達政宗「周りの者達が我々を凝視している気がするのだが」
織田信長「我々がイケておるからであろう」
真田幸村「何も考えずに、我々の運動不足を解消しようではありませぬか」
　　3人はカサカサカサカサと木の間を走り抜ける