シェアハウス「戦国武将」2_男子厨房に入ろう!

おば3は見ていた

エピソード1(脚本)

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〇綺麗なダイニング
  伊達政宗と真田幸村が、シェアハウスのダイニングで話している
伊達政宗「信長殿は、テレビ番組に触発されて、料理をすると言って、牛の肉を買ってきた」
真田幸村「塩味のみで食するつもりでしょうか。ちょっと見て参りまする」
伊達政宗「頼みまするぞ」

〇システムキッチン
真田幸村「信長殿、何か買い足して参るものなどございませんか?」
織田信長「うむ。柚子胡椒なるものを求めたかったのだが、わしが行った店にはなかった」
真田幸村「柚子胡椒でございますね。求めて参りまする」
織田信長「かたじけない」

〇綺麗なダイニング
  幸村が柚子胡椒を買って帰ると、キッチンから信長の鼻歌が聞こえてきた
織田信長「じーんーせーいー・・・」
伊達政宗「信長殿、お得意の幸若舞でござるな」
織田信長「もーもーとーせー・・・」
真田幸村「現代に合わせてでしょうか、百歳に伸びておりまするな(笑)」
伊達政宗「ご自分の願望であるやもしれんぞ(笑)」
  食卓の上に、ステーキのクレソン添え、グリーンサラダ、モッツアレラチーズとトマトのカプレーゼ、赤ワインが並んだ
伊達政宗「信長殿、見事な腕前でござるな」
織田信長「まあ、食べてからにしてくれ」
真田幸村「これ、先程頼まれました柚子胡椒でございます」
織田信長「おお、これを、ステーキにちょっとつけて食べるとよいそうじゃ。試してみよ」
伊達政宗「うまい!」
真田幸村「うむ。うまい!」
織田信長「そうであろう、そうであろう!うまいのお!」
伊達政宗「わしは、モッツアレラチーズとやらが気に入ってしもうた」
織田信長「政宗殿、モッツアレラチーズとトマトと、バジルというこの葉っぱを一緒に食べてみるのだそうじゃ」
伊達政宗「うまい!信長殿、天才じゃ!」
織田信長「いやいや、わしは、テレビの通りにやったまでじゃ」
真田幸村「信長殿、柚子胡椒もテレビでやっておったのでござるか?」
織田信長「おお、そうじゃ。牛の肉にこう、ちょっと、つけて食べるとな・・・旨い!」
真田幸村「おお!旨い!・・・信長殿、泣いておられるのか?」
織田信長「柚子胡椒を作った者達を褒めてつかわす!」
  信長は美濃紙と書道セットを引き出しから出し、柚子胡椒誠に美味なり、褒めてつかわす。織田信長(花押)
  とさらさらと書いた
織田信長「お2人も連名にせぬか?」
伊達政宗「ようございますな」
真田幸村「喜んで」
  ここに、世にも珍妙な手紙ができた

〇事務所
事務員「社長、A4の封筒開けたら、時代劇で見るようなやつ出てきたんだけど、開けるの怖いから、社長開けて下さい」
社員「なんだよ。それ、意味分かんねえよ。あっ本当だ。うちの爺さんの蔵にあるような古文書みたいなのが入ってるわ」
社長「古文書?見せてみろ。なになに・・・達筆過ぎて読めねえなあ・・・美味ってあるからクレームではなさそうだけど」
社員「ちょっと見せて下さい。褒めて・・・なんとか・・・織田信長?伊達政宗?あともう一人名前があって、多分花押がありますねえ」
社長「おい、見せてみろ。どれが、信長だよ・・・ああ、確かに。で、伊達政宗か。もう1人は・・・真田じゃねえか?」
  とりあえず、市の教育委員会に連絡して、古文書を読む事ができる人に来てもらった
市の教育委員会の人「柚子胡椒誠に美味なり、褒めてつかわす。織田信長、伊達政宗、真田幸村で、花押入りですね」
社長「本物なら、すげーなあ。でも、凝ったいたずらをするもんだなあ(笑)」
市の教育委員会の人「これ、写真撮ってSNSにあげてもいいですか?いたずらにしてもよくできてますよ」
社長「おお、構わないよ」
  ドレッシングやポン酢、お菓子メーカーにも同様の手紙が届き、SNSで話題になった

〇テレビスタジオ
歴史家「織田信長、伊達政宗、真田幸村が一緒の手紙に署名するはずがない。生きた時代が違うのですから」
アナウンサー「そうですよね」
歴史家「それに、この紙は現代の紙です。墨跡も新しい」
アナウンサー「そういうことも分かるんですね」
歴史家「だけど、3人の署名と花押は本物なんです。贋作者がいるとしたら、すごくそっくりに書ける人がいるんです」
アナウンサー「それは、すごいですね」
歴史家「すごいというより、あり得ないんです」

〇綺麗なダイニング
伊達政宗「信長殿の書状が世間を騒がせておるようじゃな」
真田幸村「私達も片棒を担いでおりますが」
織田信長「じーんーせーいー・・・」
真田幸村「信長殿は今日もご機嫌でござるな」
伊達政宗「今日は、パエリアだというておったぞ」
織田信長「もーもーとーせー・・・」
真田幸村「テレビの料理番組をメモを取りながら見る姿は、どこぞの奥方のようでございますものね」
織田信長「おーい、もうすぐ出来るぞ!テーブルの支度を頼む」
伊達政宗「心得ました」

コメント

  • 料理は現代風の洋食を作るのに、手紙は古文書風で花押まであるというギャップ、コーヒー噴き出しました。現代にそんな手紙が来たら大パニック間違いなしですね!

  • 美味しかったと感動した商品のメーカーに直筆の手紙を送る行為は、今の時代を生きる私達が見習うべきですね。なにより、彼らがエンジョイしている様子がこちらまで楽しくなります!

  • 美味しそうな洋食ですね〜。信長様は新しもの好きですね!本当に平和にお話が進むので癒やされます。歴史上の人物が喜んでくれるなんて、メーカーさんも思わないですよね。お礼状を書こうとはしゃいでいる三人に和みました。

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