〇雪山
　　織田信長、伊達政宗、真田幸村が、夜行バスでスキー旅行に来た
伊達政宗「信長殿は、スキーとやらのどこに惹かれたのでござるか」
織田信長「この、ウエアじゃよ。イケておるじゃろ」
真田幸村「信長殿のお好みにぴったりかと」
伊達政宗「幸村殿の地方には、スキーなるものはござったか？」
真田幸村「いえ、雪深い山里なれば、忍びの者どもなどは、そのような術を心得ていたやもしれませぬが、私は存じませぬ」
織田信長「よし、支度もできたし、参ろうではないか！」
　　3人はおのおの滑り出す。戦場で鍛えぬいた体であるから、メキメキと上達をしていった
伊達政宗「スキーの重心の移動というのは、馬を操るのと同じでござるな」
真田幸村「そうでございますね。次は、中級者向けのコースに参りましょうか」
伊達政宗「先程から信長殿の姿が見えないが、あのお方の事であるから、既に上級者向けコースにでも行かれたのであろう」
　　政宗と幸村はゴンドラに向かって、軽やかにスケーティングをしていく

〇雪山の森の中
織田信長「ルールルルルル」

〇雪山
　　政宗と幸村は中級者向けコースのコブをターンでかわして降りてくる
伊達政宗「段々コツを掴んできて、面白うなって参った。わしは、このまま、スキーを極めてみようと思うが、幸村殿はどうされる？」
真田幸村「私は、あの者達がはいているスノーボードとやらもやってみたいと思いますので、ここで別れましょう」
伊達政宗「うむ。健闘を祈るぞ」
　　政宗が上級者向けコースを攻めていると、脇の方で宙返りをしている集団がいた。
　　しばらく見ていると、コブを踏切にしてバク転をしている。政宗はたまらなくやりたくなってしまった
伊達政宗「ちとものを尋ねるが、そなたたちの修練にわしも混ぜてもらえぬだろうか」
部活の顧問「危ないですから、気を付けてやってくださいね」
伊達政宗「あいすまぬ」
　　一緒に練習をしている高校生達が、もう少しタイミングを早くとか、アドバイスをくれる
部活の顧問「はい、次、伊達さん！気を付けて！」
　　政宗は滑り出し、踏み切った。見事に宙返りをして、着地の足が開いたが、着地もきちんとできた
部活の顧問「伊達さん！すごいです！できました！」
伊達政宗「おお！」
真田幸村「政宗殿！お見事でござる！」
伊達政宗「幸村殿！見たか！空を飛んだぞ！」
真田幸村「見ました！見事でござった」
　　政宗は部活のメンバーにお礼を言って別れ、幸村の方に滑ってきた。
伊達政宗「幸村殿・・・あべかわもちのように雪まみれだが、何をされていた？」
真田幸村「スノーボードの寺子屋に入って基本を習ったら、すぐに滑る事ができましてな」
伊達政宗「幸村殿なら、そうであろう」
真田幸村「ハーフパイプで修練をしている若者達に技を教わりまして、私も少し空を飛びました」
伊達政宗「そうであったか。腰がぞわぞわするのお」
真田幸村「ぞわぞわしますなあ」
　　2人は大笑いをすると、下に滑り降りる事にした
伊達政宗「信長殿の姿が見えなかったが、どうしたのであろう」
真田幸村「あっ、あれは・・・信長殿・・・なにやら担いでおるようだが」
伊達政宗「確かに、なにやら・・・あれは・・・狩の帰りでは？」
織田信長「おーい！大猟じゃあ！イノシシと、ウサギ３羽じゃあ！」
　　幸村はウサギの傷口をサッと確認すると、パトロール隊の小屋に走った。

〇事務所
真田幸村「御免！近隣の者で、鉄砲を所持した者が行方知れずになっておる。早急に探索願いたい。恐らく、鉄砲もうち捨てられておる」
パトロール隊員「すみません。この書類に記入を・・・って居ないや。しょうがないなあ。とりあえず猟友会に連絡かあ」

〇雪山
伊達政宗「信長殿は、今日１日何をしておられた？」
織田信長「わしは、山のてっぺんから勢いよく滑っていったら、林の中に飛び込んでしまってなあ、スキーも全部飛んでいってしまった」
織田信長「仕方がないので、谷を歩いておったが、途中通りかかった猟師の種子島を奪って狩りをして遊んでおった」
真田幸村「やはり」
織田信長「今夜は、このイノシシで牡丹鍋じゃあ！」

〇広い和室
真田幸村「いいお湯でしたね」
伊達政宗「牡丹鍋も絶品でござった」
織田信長「スキー旅行は楽しいのお。また来たいのお！」