2話 母、おもしれー女になる(脚本)
〇西洋の城
真知子(桜が主人公としてこのゲームにいるかと思ったのに・・・まさか私が主役なんて・・・)
真知子(桜はこの世界にいないってことかしら?)
真知子(でも、まだ決めるのには早いわ・・・)
真知子「とりあえず、マジックキャンパス内を調べてみましよう」
〇ファンタジーの学園
マジックキャンパスは広大な敷地を持つ学校だった
マントのような不思議な制服を来た学生たちが行き来している
彼らはおそらく高校生くらいに見える
彼らはこの学校で魔術を勉強しているようだ
真知子「通っている子供たちは、桜と同い年くらいだから桜がいてもおかしくなさそうだけど・・・」
ノア「なにかお困りですか、レディ?」
真知子(なんて端正な顔立ちの子かしら・・・!!)
真知子「女の子を探しているんですが、どこにいるかわからなくて・・・」
ガブリエル「センパイ、どうしたんですか?」
真知子(まぁ、こっちは可愛い女の子・・・)
真知子(桜だって、この子に負けないくらい可愛いけど・・・)
ノア「こちらのレディが人を探しているらしい」
真知子「娘を探しているの。あなたたちと同い年くらいの子なんだけど・・・」
ガブリエル「娘さんですか・・・」
ガブリエル「あの道をまっすぐ行って右に曲がると学園の事務所があります」
ガブリエル「もしかしたら事務の人から何か情報が得られるかもしれませんよ」
ガブリエル「娘さんすぐに見つかるといいですね」
ノア「事務所は近くなのですぐにわかると思いますよ」
ノア「お気をつけて」
真知子「どうもありがとう!助かったわ!」
真知子(親切な学生さんで良かったわ・・・)
真知子(桜の行方がわかるかもしれない!)
「・・・」
〇けもの道
真知子「教えてもらったのは、この道のはずだけど、おかしいわね」
鬱蒼とした森が広がり事務所らしきものは見当たらない
真知子「道を間違えたのかしら・・・?」
真知子「笑い声?」
真知子「誰かいるの?」
真知子「いるなら道を教えてくれる?」
ドワーフの寮母さん「危ない!」
真知子「きゃっ!」
ドワーフの寮母さん「あんた、なんで呪いの森に入ってきてるんだい?」
真知子「こっちに事務所があると生徒の子から聞いて。呪いの森なんて知らなくて・・・」
ドワーフの寮母さん「あんた、学園のクソガキどもに騙されたね」
真知子(あの子たちあんな優しい顔をして私を騙したの?)
真知子「あ、あなたは?」
ドワーフの寮母さん「わたしはこの学園にある翡翠寮の寮母だよ」
ドワーフの寮母さん「お前さん学園のものじゃないね?」
真知子「わ、私は・・・」
真知子(異世界から娘を探しに来たなんて言って、信じてくれるかしら?)
ドワーフの寮母さん「まあ、いい。早く森をでるよ!!」
真知子「はい・・・」
〇華やかな裏庭
翡翠寮の中庭
ドワーフの寮母さん「無謀なやつだね」
ドワーフの寮母さん「わたしが森に木の実を取りに行っていたからいいものの、あのままだったら大変なことになっていたよ」
真知子「助けていただいてありがとうございます!」
ドワーフの寮母さん「礼なんかいい。早く学園から出ていきな。 おまえさん部外者だろう」
ドワーフの寮母さん「連れ出される前に出ていきな」
真知子(そんな・・・!!)
真知子(桜の情報も掴めてないのに追い出されるなんて困るわ)
真知子(こうなったら・・・)
真知子「私をここで働かせてくれませんか?」
ドワーフの寮母さん「は?」
ドワーフの寮母さん「残念だったね!人手は足りてるんだ」
真知子「本当にそうでしようか?」
真知子「森に木の実を取りに行ったり、全てあなたが仕事を担っているように思えます。人手が足りてないていないんでしょうか?」
ドワーフの寮母さん「それは・・・」
真知子「わたしは掃除や料理なんでもできます」
真知子「きっとお役に立てると思いますよ」
真知子「あなたの仕事の負担も少なくなると思います」
真知子(ここまで来たんだから娘の手がかりを掴まなくちゃ)
ドワーフの寮母さん「ぐっ・・・」
ドワーフの寮母さん「わかったよ!」
ドワーフの寮母さん「けど、あんたが役に立たないとわかったら、追い出してやるからね!」
真知子「ありがとうございます!」
真知子(良かった・・・)
真知子(しばらくは学園内で桜の行方を探せるわね)
〇貴族の応接間
翡翠寮の談話室
ガブリエル「大変です!」
ノア「なんだ、ガブリエル。騒々しい・・・」
ガブリエル「さっきのおばさんが翡翠寮の寮母になったそうです」
ノア「は?なんでそうなる?」
ガブリエル「ボクだってわかりませんよ!」
ガブリエル「あのおばさん、呪いの森の餌食になってると思ったのに・・・」
ガブリエル「ただドワーフのおばさんがあの人を雇ったそうです」
ノア「なんだと?」
ノア「ドワーフとは本当に勝手な種族だな」
ノア「しかし、勝手に学園に侵入し寮母になるなんて・・・」
ノア「ふん・・・面白い女じゃないか」