スパダリ先輩のお弁当を食べたら好かれちゃった後輩くんの話

龍咲アイカ

エピソード1(脚本)

スパダリ先輩のお弁当を食べたら好かれちゃった後輩くんの話

龍咲アイカ

今すぐ読む

スパダリ先輩のお弁当を食べたら好かれちゃった後輩くんの話
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇講義室
  〜とある大学の講堂〜
無銘文人「ふー、やっと昼休みー!」
無銘文人(とりあえず食堂でも行くか)
  ドン!
美丘碧葦「痛っ」
無銘文人「あ、すみません! ・・・ってあれ?美丘先輩!?」
美丘碧葦「?」
美丘碧葦「ああ、お前か」
無銘文人(うわー、よりによって美丘先輩にぶつかるとは・・・)
美丘碧葦「お前は確か、同じゼミの2年だな」
美丘碧葦「丁度いい。 これから暇なら付き合え」
無銘文人(これってもしかして、これから怒られちゃう? まずい・・・!)
美丘碧葦「どうした? 嫌なら断っていいんだぞ」
無銘文人(これ、下手に断ったら逆にヤバいんじゃ・・・?)
無銘文人「・・・・・・わかりました」
美丘碧葦「そうか。なら付いて来い」
無銘文人(せめて短時間で済みますように・・・!)

〇大学の広場
  〜大学の中庭〜
美丘碧葦「そこのベンチに座れ」
無銘文人「は、はい」
無銘文人(オレ、どうなっちゃうんだろ)
無銘文人(とりあえず、さっきのこと謝ってみよう)
無銘文人「せ、先輩あの・・・」
美丘碧葦「おう、連れ出して悪かったな」
無銘文人「!?」
美丘碧葦「昼飯、まだ食ってないよな」
無銘文人「あ、はい。まだです」
美丘碧葦「それは良かった。 じゃあこれ、食ってくれるか」
無銘文人「この弁当を?いいんですか?」
美丘碧葦「ああ。ちょっと事情があって弁当が一人分余っててさ。良かったらもらってくれ」
無銘文人「オレ、ちょうど腹減ってたところなんで。 有り難くいただきます!」
美丘碧葦「おう、口に合うかわからないけどな」
無銘文人(もぐもぐ・・・)
無銘文人「うまい!」
美丘碧葦「そ、そうか?」
無銘文人「先輩のお母さんって料理上手いんですね!」
美丘碧葦「・・・それ、俺が作ったんだ」
無銘文人「先輩が??」
美丘碧葦「なんだよ、すげー驚いた顔して。 そんなに俺が料理するの意外だったか?」
無銘文人「い、いえ! むしろイメージ通りですよ!」
美丘碧葦「なんだよ、イメージ通りって」
無銘文人「先輩って何でもできそうな雰囲気があるので・・・」
美丘碧葦「そうか?自分じゃよくわからないけど」
無銘文人「そう言えば、何で俺に弁当をくれたんですか?」
美丘碧葦「俺、毎朝自分と妹弟の分を作ってるんだけどさ」
美丘碧葦「今日は弟が弁当いらないの忘れてて、余分に作っちゃったんだよ」
美丘碧葦「それでまぁ、深く考えずに 誰かに食ってもらえばいいかと思って余ったのを持ってたってわけ」
無銘文人「それで、その相手に俺が選ばれたんですね」
美丘碧葦「そう。お前スポーツやってそうだし、何より腹を空かせてそうな顔してたからな」
美丘碧葦「お陰で弁当食ってもらえて助かったよ」
無銘文人「こちらこそ、お陰で先輩の弁当が食えてラッキーでしたよ。 先輩、本当に料理上手なんですね」
美丘碧葦「そ、そうか?何か面と向かって褒められると照れくさいな」
無銘文人「オレも一応自炊してるけど、こんなに上手に色々作れないですよ」
美丘碧葦「なあ、お前さえ良ければ明日また弁当を作ってきてやろうか?」
無銘文人「え!いいんですか?」
無銘文人「あ、でも一度に4人分なんて大変ですよね?」
美丘碧葦「いつも3人分作ってるから、手間自体はあんまり変わらないよ」
美丘碧葦「何か、お前が無邪気に弁当食ってる顔を見てたらさ」
美丘碧葦「もっと俺の料理を食べさせてみたいって思ったんだ。 自分でも何故かはわからないけどな」
無銘文人「それじゃあ、お言葉に甘えて。 先輩、明日の弁当よろしくお願いします!」
美丘碧葦「おう、任せとけ! 腕によりをかけて、うまい弁当を作ってきてやるからな!」

〇大学の広場
  〜翌日〜
美丘碧葦「お待たせ。約束通り作ってきたぞ」
無銘文人「ありがとうございます! うわー、今日もうまそう!」
無銘文人(もぐもぐ・・・)
無銘文人「ふー、ごちそうさまでした」
美丘碧葦「お粗末様。 お前、本当にうまそうに食べるな」
無銘文人「本当にうまいからですよ。 オレも先輩みたいに何でもできる男になりたいなぁ」
無銘文人「そうだ!お礼に明日はオレが弁当を作ってきてもいいですか?」
美丘碧葦「お前が?弁当を?いいけど」
無銘文人「オレ、先輩に認めてもらえるように頑張りますね!」
美丘碧葦「張り切ってるな。期待してるよ」
無銘文人「はい!」

〇大学の広場
  〜その翌日〜
無銘文人「宣言通り作ってきました。どうぞ」
美丘碧葦「ありがとう。早速いただくよ」
美丘碧葦「へぇ、うまそうじゃないか」
美丘碧葦(もぐもぐ・・・)
美丘碧葦「うん、上手にできてるぞ」
無銘文人「マジですか?やった!」
美丘碧葦「ああ。味付けも火の通りも充分だよ。 確かに卵焼きとかは不格好だけど、慣れれば綺麗にできるさ」
無銘文人「ありがとうございます!」
美丘碧葦「あれ、これは・・・?」
無銘文人「どうしました?」
美丘碧葦「・・・・・・」
無銘文人「先輩?」
美丘碧葦「このハンバーグの中に入ってるの、もしかして・・・」
無銘文人「えっ、ピーマンですけど・・・」
美丘碧葦「やっぱり、ピーマンだよな」
無銘文人「ピーマンの肉詰めの代わりによく母親が作ってくれた料理なんですけど、 確かに一般的じゃないですよね・・・」
美丘碧葦「いや、あの・・・料理としては変じゃないと思うんだけど・・・その」
美丘碧葦「俺、ピーマン苦手なんだ」
無銘文人「えっ!!」
無銘文人(あの完璧超人の先輩に苦手なものがあったなんて・・・!)
美丘碧葦「基本的に好き嫌いなんてないんだけどさ、何故かピーマンだけ克服できなくて」
無銘文人「そうでしたか・・・」
美丘碧葦「だからさ」
美丘碧葦「他の奴には、内緒だぞ。 俺とお前だけの秘密」
無銘文人(近い、近いって・・・!)
無銘文人「わ、わかりました。 オレ、秘密は守ります」
美丘碧葦「ありがとう。恩に着るよ」
無銘文人「その代わり、お願い聞いてもらっていいですか?」
美丘碧葦「えっ何だよ」
無銘文人「オレ、先輩に料理を教えて欲しいです」
美丘碧葦「なんだ、そんなことか。いいよ。 料理くらいいつでも教えてやる」
無銘文人「やった!」
美丘碧葦(いい笑顔で喜んでる。可愛い奴だな)
美丘碧葦「お前とは、もっと仲良くなりたいな」
無銘文人「はい!」
美丘碧葦(────キスできるくらいには、な)
美丘碧葦(可愛い奴。 俺の料理で手懐けて、必ず手に入れてやるからな)
  おわり

コメント

  • お弁当男子っていいなぁ。胃袋つかむ作戦は成功率たかそうですね!先輩からのはじめのアプローチは距離を近づけるための巧みな作戦だったとあとで気づきました。

  • 2人とも可愛いですね、お弁当を作り合って一緒に食べる毎日って。凝った料理でなく、日々のお弁当や普段ごはんを作る男子って魅力的ですよね!

  • 先輩は最初から魂胆があって後輩に近づいて弁当作戦で後輩の胃袋をしっかり掴んだ。後輩は恐る恐る先輩に引かれている様子。この先どうなるのか気になります。

コメントをもっと見る(5件)

成分キーワード

ページTOPへ