夏に咲く

茶団子

夏に咲く(脚本)

夏に咲く

茶団子

今すぐ読む

夏に咲く
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇華やかな広場
  私、咲には毎日の日課がある
  朝6時に自転車で家を出て、公園を通りすぎ、ひまわりが咲き誇る学校に入る

〇中庭
野々瀬咲(人少な~い まぁ、この時間狙ってるんだけど!)
野々瀬咲「陽葵先生~!おはようございます💕 今日もかっこいいですね!好きです!」
陽葵先生「野々瀬か、今日も早いな~」
野々瀬咲「流さないでよ~!」
陽葵先生「そういえば今度のテスト大丈夫か~?前回ギリだったぞ」
野々瀬咲「先生~?」
  すると先生がいきなり止まり、真剣な表情で見るのでドキッとしてしまう
野々瀬咲(先生?)
陽葵先生「野々瀬・・・お前・・・」
野々瀬咲「はっはい!」
陽葵先生「自転車持ったまま入るのか?自転車置き場あそこだぞ」
野々瀬咲「えっ!?」

〇学校の駐輪場
野々瀬咲(も~!少しでもドキッとした私がバカだった~!)
  日課・・・それは大好きな陽葵先生に告白すること!なんでそんなに大好きかって?それはね・・・
野々瀬咲(先生は覚えてるかな?あの日の事・・・)

〇SHIBUYA109
野々瀬咲「ふぅ・・・」
  重い買い物袋を持ち直し、私は1回止まる
  つ・・・疲れた・・・も~お姉ちゃんたら人使い荒らすぎ~!
  ドンッ!
野々瀬咲「うっ・・・わ!」
野々瀬咲「いたた・・・」
野々瀬咲(・・・って買ったもの全部こぼれてるし! はぁー・・・今日とことんついてない・・・)
陽葵先生「ごめん」
野々瀬咲「え?」
野々瀬咲(なに、この人・・・かっこよ・・・)
陽葵先生「これで全部?」
野々瀬咲「・・・あっ!はい!すみません拾うの手伝っていただいて!」
陽葵先生「こっちこそ ケガとかしてない?」
野々瀬咲「はっはい!」
  目の前の男の人が私に高さを合わせてしゃがむのでついドギマギしてしまう
陽葵先生「あ・・・あともう1個落ちてた・・・はい」
野々瀬咲「あっ・・・ありがとうございます・・・!」
陽葵先生「いーえ うまいよね、そのチョコ」
野々瀬咲「え・・・あっ!」
野々瀬咲(なに・・・これ・・・なんか・・・落ち着かない・・・)

〇教室
野々瀬咲(入学式の日に見つけたのはびっくりしたなぁでもこれって運命だよね!引力だよ!うん!)
  キーンコーンカーンコーン

〇屋上の入口
  お昼のチャイムが鳴り、私は屋上に向かう
野々瀬咲(よしっ!アプローチ開始!)

〇フェンスに囲われた屋上
  ギィッ
野々瀬咲「先~生💕」
陽葵先生「野々瀬か、もう慣れたわ」
野々瀬咲「お隣失礼しまーす!」
野々瀬咲(ふっふ~!実はさっきろうかから見えたんだよね~!)
陽葵先生「野々瀬さ」
野々瀬咲「へっ!?あっはい!」
野々瀬咲(やば・・・変な声出た・・・!だってまさか話しかけられるとは思わないじゃん!)
陽葵先生「なんでそんな俺の事好きなわけ?」
野々瀬咲「どうしたんですか?急に」
陽葵先生「ん~・・・なんとなく?」
野々瀬咲(なんとなく!?それはどういう・・・?)
野々瀬咲「・・・私、先生を好きになって・・・」
陽葵先生「うん」
野々瀬咲「それで一緒に帰ろうと思って職員室行ったんです」
陽葵先生「あんま今と変わんねーな」
野々瀬咲「先生残業してて・・・それでクラスのみんなの苦手なとこ、まとめてましたよね・・・?」
陽葵先生「は・・・っ!?」
野々瀬咲「そっそれで!意外だなーって!そういうそぶり見せてなかったのに影でいろんなことしててステキだなーって!じゃあ!」

〇階段の踊り場
野々瀬咲「はあっはあっ」
  私は恥ずかしさのあまり屋上を飛び出してしまう
野々瀬咲(・・・っ普通に恥っっっず!先生・・・どう思ったのかな・・・?)
  私はすぐに飛び出してしまったので先生がつぶやいていた事に気づかなかった

〇フェンスに囲われた屋上
陽葵先生「・・・んで、あんなとこ見てんだよ・・・」

〇教室
  パチン パチン パチン
  茜色に染まる教室でホチキス留めをしている私
野々瀬咲(クラスのみんなの苦手なとこ、まとめてましたよね・・・?)
野々瀬咲(ステキだなーって!)
  ゴン!
  私は勢いよく机につっぷす
野々瀬咲(・・・何やってんの!?私~!いくら聞かれたからってあんな!恥ずかしさで死にそう!しかもホチキス留め!全然終わんないし!)
野々瀬咲(さっき理科の先生に会ったのが最悪だ・・・すぐ終わるって嘘だ~!・・・でも引き受けちゃったし!やるぞ~!)
  パチン パチン パチン
野々瀬咲「・・・っ終わった~!後は先生に伝えて・・・それから・・・」
野々瀬咲「すぅ・・・すぅ・・・」
  ガラッ
陽葵先生「野々・・・って寝てる?」
陽葵先生(さっき頼まれてるの見て手伝おうと思ったんだけど・・・)
陽葵先生「ふっ・・・」
  俺はそっと近づいて野々瀬の頭をなでる
野々瀬咲(えっ!?なになに!?何が起こってるの!?先生が入ってきたの見てとっさに目とじちゃって起きるタイミング逃した~!)
陽葵先生「何事にも一生懸命、行動が早いのも一緒なんだな」
野々瀬咲(え!?ちょ、ちょっと待って、幸せすぎる!)
陽葵先生「・・・・・・・・・可愛いな・・・」
野々瀬咲(えっ・・・今・・・なんて・・・)
陽葵先生「・・・って何言ってんだ俺・・・はぁ・・・」
  私は我慢できなくなり勢いよく立ち上がる
野々瀬咲「先生!」
陽葵先生「野々・・・っ!お前、起きて・・・!」
野々瀬咲「今の、どういう意味ですか!?」
陽葵先生「それは・・・」
野々瀬咲「いつもはぐらかしてばっかりで私の事なんて眼中にないんだろうなって思ってました、でも・・・でも私は先生が好きなんです!」
野々瀬咲「先生は私の事・・・」
  どう思ってますか?そう言い終わらないうちに手を引っぱられ、おでこに何かが当たる
  見上げると先生の自信たっぷりの笑顔
野々瀬咲「せっ先・・・!今・・・!」
陽葵先生「ん?どうかした?」
野々瀬咲「ず・・・ずるい~!」
陽葵先生「まずは今度のテストな~」
野々瀬咲「絶対良い点取ります!だから・・・」
  先生はもう一度、私の高さに合わせてしゃがむ
陽葵先生「あのチョコ食べて少しは頭の働き良くしな?」
野々瀬咲「えっ!そっそれって覚えて・・・」
陽葵先生「さあ?」
  先生はやっぱりつかめない。でも今、少しだけ先生に近づけた気がする。
  甘い甘い桜の季節に芽生えた恋のつぼみが夏の今、やっと咲きそうです!

コメント

  • 先生の大人な感じがズルいです〜(≧v≦)
    覚えてたんですね、先生。それで、あんなこと言われたら……そりゃズッキューンときちゃいますね♡
    咲ちゃんの寝たフリしちゃうのもなんだか可愛くて……禁断の恋だから、「好き」と言えないのかな、とか考えちゃいました。
    卒業したら、きっと素敵な未来が待ってるんでしょうね✨

  • とっても甘く可愛い物語ですね。陽葵先生も大人の様子を見せながらも、隙もあれば人間味もあり、リアルな等身大オトナという感じで。読んでいてニヤニヤしてしまいました。

  • 先生の大人な感じでなんでも知ってる感がよかったです。彼女の気持ちもまっすぐでこの恋が実るといいですね、可愛らしいストーリーで優しくさせて頂きました。

コメントをもっと見る(6件)

成分キーワード

ページTOPへ