1話完結(脚本)
〇大学
佐々木大和は、友人Aと話していた
大和の友人A「大和って、樋口さんと仲良いよな!」
佐々木大和「樋口さんって、杏子のことか?」
大和の友人A「そう。樋口杏子ちゃん!」
佐々木大和「仲が良いというか、アイツとは、腐れ縁みたいなものだな。 隣の家に住んでいる幼なじみだし!」
大和の友人A「前々から、思っていたけど、大和って、樋口さんと付き合っているのか?」
佐々木大和「付き合ってねーよ。 ただの幼なじみなだけだ」
大和の友人A「そうだよな。 大和と樋口さんって釣り合わないし!」
佐々木大和「釣り合わないって、どういうことだ?」
大和の友人A「だって、樋口さんって地味じゃん。 大和の隣に並ぶには、地味すぎると思って!」
佐々木大和「確かに、杏子は地味だな。 髪色も暗いし。俺の隣に並ぶには、地味なやつかもしれないな」
大和の友人A「そうそう、だから大和が、もし誰かと付き合うことになったら、絶対に、もう少し明るい性格の子の方が、お似合いだと思うぜ!」
佐々木大和「確かに、そうかもな」
友人Aと大和の話を偶然、杏子は聞いてしまっていった
樋口杏子「大和君。 私のこと、地味で、暗いと思っていたんだ 杏子は、走って、その場を離れた」
〇女性の部屋
大和の姉の和音は、小さい頃から杏子の話を聞いてくれる
樋口杏子「和音ちゃーん!」
佐々木和音「杏子ちゃん、どうしたの?」
樋口杏子「実は、今日大学でこういうことがあって!」
佐々木和音「大和のやつ! そんなこと言ってたの?」
樋口杏子「和音ちゃん。 お願いがあるの?」
佐々木和音「和音ちゃん! お願いがあるの?」
佐々木和音「お願い? 杏子ちゃんのお願いなら、聞いてあげるよ?」
樋口杏子「私、変わりたい。 だから、私がイメチャンするのを手伝ってほしいの?」
佐々木和音「分かった。 協力するよ!」
和音は、杏子にうなづいた
杏子と和音が、話していると、和音の部屋の扉を叩く音が聞こえた
佐々木大和「姉ちゃん!」
佐々木大和「あれ、杏子、来てたんだ?」
樋口杏子「うん。 でも、もう用事済んだから帰るね? 和音ちゃん、バイバーイ!」
佐々木大和「おい!来たんなら、課題一緒にやろうぜ?」
杏子は、大和が全部言い終わる前に、大和の家を出た
佐々木大和「何だ、アイツ? 変なやつ?」
佐々木和音「変なやつは、あんたの方でしょうが!」
和音は、大和の頭を軽く叩いた
佐々木大和「何すんだよ。姉ちゃん!」
〇女の子の一人部屋
佐々木和音「まず、始めに、メガネをコンタクトにしてみようか?」
樋口杏子「コンタクト? でも・・・」
佐々木和音「コンタクトにするの怖い? でも、慣れてくると怖くなくなるから、大丈夫だよ」
佐々木和音「それでも、怖いのなら、メガネでのイメチャンの方法、考えよっか?」
樋口杏子「ううん。大丈夫。コンタクトにしてみる!」
佐々木和音「髪色も大学生になったんだから、染めてみようか? 今度、一緒に美容院行こう!」
樋口杏子「うん。お願いします」
佐々木和音「それに、洋服も、杏子ちゃんに合う洋服選んであげるから、今度の休みに一緒に買いに行こう?」
樋口杏子「うん。 ありがとう、和音ちゃん!」
〇講義室
佐々木大和「杏子のやつ、前に家に来て以降、隣に住んでいるのに、まったく、姿が見えないな。今日だって、この講義受けているはずなんだけど」
大和は、杏子のことを探したが、見つからなかった。
杏子は、いつも授業を受ける時は、前の方で受けていることが多いが、前を見ても杏子の姿は見えなかった
佐々木大和「杏子のやつ! 大学にちゃんと来ているのか?」
〇男の子の一人部屋
大和が、杏子に合わなくなって、3週間経った
佐々木大和「さすがに、おかしい! 何で、杏子に3週間も合わないんだ」
佐々木大和「大学の出席は、先生が名前を呼ぶシステムじゃねえから、居るのか居ねえのか、分からないし」
佐々木大和「杏子と同じ授業やゼミとっている奴は、杏子は、毎日ちゃんと来ているって言うしよ」
佐々木大和「もしかしてじゃなくても、俺、杏子に避けられているのか?」
佐々木大和「そうじゃなかったら、隣の家に住んでいるのに、こんなに合わないなんて、おかしいだろ」
佐々木大和「部屋で考えててもしょうがねえから、杏子に直接、聞きに行くとするか?」
〇女の子の一人部屋
大和は、杏子の家に来た
そこで、大和は、杏子の姿を見て、驚いた
佐々木大和「杏子、お前どうしたんだよ!」
樋口杏子「イメチャンしてみたんだ!」
佐々木大和「イメチャン? 急にどうして、好きなやつでもできたのか?」
樋口杏子「大和君が、言ったんじゃん。 私のこと、地味で髪色も暗いし、俺の隣に並ぶには、地味すぎるって」
佐々木大和「俺、そんなこと言った覚え・・・ もしかして、お前、俺がAと話しているのを聞いたのか?」
樋口杏子「うん。聞いたよ。 大和君が、A君と私のことについて話しているの」
佐々木大和「あれは、違う間違いだ」
樋口杏子「何が、間違えなの? 私、それ聞いて、すごいショックだったんだから。 それで、イメチェンしようと思ったんだからね」
佐々木大和「あれはだな、照れ隠しで、言っちゃたんだ。 本当は、杏子のこと、地味でも暗いでも、俺の隣にふさわしくねえとも思ってねえよ」
樋口杏子「じゃあ、私の勘違いだったってこと?」
佐々木大和「そうだ。 でも、誤解させるようなことを言った、俺の方が悪い。 杏子、悪かったな」
樋口杏子「ううん。大丈夫だよ。 誤解だって、分かってよかった」
杏子と大和の間に、沈黙が流れる。
先に、口を開いたのは、大和の方だった
佐々木大和「俺のせいで、イメチェンしたってことは、杏子は俺のことが好きだって、うぬぼれてもいいか?」
佐々木大和「でも、杏子が何か言う前に、俺が言う。俺、杏子のことが好きだ。 俺と、付き合ってくれないか? ずっと大切にするから」
樋口杏子「うん。 私も大和君のことが好きだよ」
杏子と大和の間に誤解が生まれてしまったこともあったが、両想いだったことが分かり、付き合うことになった
なかなかの出来映えでした
好きな人のためなら、がんばってイメチェン出来ますよね。
でも、照れ隠しに言っただけとはひどい!笑
かわいくなった彼女に気づかないあたりも、元々の彼女が好きだったんだなぁと。
好きな人によく見られたいための努力って、なんだかすごく可愛らしく感じます。
確かによく見られたいですよね、釣り合う人間になりたいと思います。そんな背景が感じられました!