狐とかくれんぼ

鮭さん

エピソード1(脚本)

狐とかくれんぼ

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〇おしゃれなリビングダイニング
  夏休みのある日、私は友達のきつねと遊んでいた。
狐さん「かくれんぼをしよう」
  きつねの提案により、私達はかくれんぼをすることになった。
  そうは言っても、きつねとやるかくれんぼは普通のかくれんぼと違う。なぜならきつねは化けるからだ。
  つまり私は、なににきつねが化けたかを見破らなければいけない。
  まあ、隠れたきつねを見つけるというより、化けたきつねを見つけるようなゲームだ。

〇男の子の一人部屋
  といっても、私の部屋は八畳しかない。さすがのきつねでも騙しきれないだろう。

〇部屋の扉
私「い〜ち、に〜い、さ〜ん、し〜い、ご〜お、」
私「ろ〜く、し〜ち、は〜ち、きゅ〜う、じゅうっ」
  捜索開始だ。

〇男の子の一人部屋
  部屋に入る。入って左手にはベット。奥には勉強机。
  さあ、どこだ、きつね、きつね。
  すると、エアコンから音が聞こえてきた。
  エアコンコン、エアコンコン
  なんだこの音は。
  エアコンコン、エアコンコン
  これは....きつねの鳴き声ではないか。
  愚かなきつねめ、鳴き声までは化けきれなかったか。
  私はエアコンを見ていった。
私「きつね、エアコンに化けたのだろう。君の負けだ」
  しかし、なんの反応もない。
私「きつねよ、エアコンに化けたのだろう。素直に認めたまえ」
  反応がない。私は腹が立ってきて、怒鳴った。
私「きつね、お前はエアコンに化けたんだろう!!」
  すると、近くに浮いていた埃が、きつねになっていった。
狐さん「私は埃に化けていたのだ。エアコンではないぞ」
  ゾゾゾゾゾゾゾ....背筋が凍った。
  では、あのエアコンはなんなのだ......
  そうしている間にも、エアコンは鳴き続ける。
  エアコンコン、エアコンコン
  ガタガタ、ブルブル
  私ときつねは、抱き合って震えた。
私「助けてくれ、助けてくれ」
  エアコンは鳴き続ける。
  エアコンコン、エアコンコン
  私はお経を唱えた。
私「南無阿弥陀、南無阿弥陀」
  きつねもお経を唱えた。
狐さん「コンココンコン、コンココンコン」
  容赦無く、エアコンは鳴き続ける。
  エアコンコン、エアコンコン
狐さん「コオオオオオオオオォォォォオォオ」
  キツネは恐怖のあまり、泡を吹いて倒れた。
  ガチャッ!!
  母さんが入ってきた。私は必死に助けを求めた。
私「母さん!!エアコン、エアコンコン、エアコンコン、エアコン、エアコンココオオオオオオオオ.....」
  バタッ
  私も泡を吹いて倒れた
  ブクブクブク
  恐怖のあまりうまく伝えられなかったが、さすがは母親。意図を汲み取ってくれたようだ。
  母はエアコンの修理会社に電話した。
  エアコン修理会社はあっという間にやってきてあっという間に直していった。

コメント

  • エアコンコン、エアコンコン、何てベタな化け方と思いきや、、、その真相に驚かされました。お見事な展開を楽しませてもらいました。

  • はじめエア【コン】と推測したところから、きつねがどんどん【コン】とつくものに化けていくのかと思っていたら、埃って! 母の冷静沈着さがツボでした。

  • 部屋の中でかくれんぼって発想がおもしろくて、さらに埃に化けたってところで笑ってしまいました!笑
    エアコンが修理で直ったのは本当でしょうか!?

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