読切(脚本)
〇狭い裏通り
東堂直斗「あーヒマ。なんかおもしれーことねーかなぁ」
姫川エリカ「こんにちは!!」
東堂直斗「うわっ!びっくりした。 なに?声でけーよ」
姫川エリカ「イケメンさんですかぁ?」
東堂直斗「イケメンさんですかって、 はい、イケメンです。なんて言えるかよ」
へんな女だけど、かわいいし相手してやっか
姫川エリカ「イケメンさんですか!」
東堂直斗「はいはいイケメンさんですよ。てか、直斗でいいよ。で、なに?俺と遊びたいの」
姫川エリカ「イケメン直斗つかまーえたっ!」
カチャ!
東堂直斗「ちょっと手錠って! なにすんだよ!」
姫川エリカ「イケメン容疑で逮捕しちゃたから来て」
東堂直斗「来てって、どこに?」
姫川エリカ「エリカのおうちよ」
東堂直斗「いきなり家って大胆だな」
てなわけで、オレはこの不思議ちゃんエリカの家に行くことになった。
ま、ヒマつぶしにちょうどいいか。
〇女の子の二人部屋
姫川エリカ「ようこそ! エリカのお部屋でーす」
東堂直斗「へぇ、女らしくていいじゃん。 それより、手錠もういいだろ」
姫川エリカ「逃げない?」
東堂直斗「ああ、逃げねーよ 約束する」
”カチャ”
姫川エリカ「じゃあ、ちょっとまってて準備してくるから」
東堂直斗「準備?あ、料理とかね。 ちょうど腹へってたんだ」
〇女の子の二人部屋
東堂直斗「あいつ、いつもこうやって男連れ込んでるのか」
姫川エリカ「お待たせー」
東堂直斗「なんだよその格好? 飼育員かよアハハ!」
姫川エリカ「そうよ、飼育員。イケメン調教師なのエリカ。これから調教するからねー」
東堂直斗「なんかおもしろそーだな、調教されてやるよ」
姫川エリカ「そうそう、素直ないい子ねー はいエリカ特製のクッキーよ」
東堂直斗「お、クッキーか。 (モグモグモグ・・・・・・) うまっ! なにコレ!?」
姫川エリカ「でしょでしょでしょ、 エリカの愛情たっぷりなんだから」
東堂直斗「で、なにすんだ?」
姫川エリカ「そうね、じゃあ胸キュンなセリフ言ってもらおっかなー、たとえば彼女とこうして二人っきりになったとき、ひとこと言ってみて」
東堂直斗「おお、ちょっとまってろ」
姫川エリカ「はやくぅ」
東堂直斗「えっと、その・・・いい天気だなぁ」
姫川エリカ「ダメダメね。 そういうときは 「おまえと一緒にいると落ち着くよ」 はいっ、ピピッ!(ホイッスル)」
東堂直斗「イルカかオレは! わかったよ。 お、おまえと一緒にいると、落ち着くよ」
姫川エリカ「そう! いい感じ、はいクッキー」
東堂直斗「わーい♪」
なんか楽しーぞ
イケメン調教悪くねーな。
姫川エリカ「じゃあ、エリカの顔じっと見つめて胸キュンなセリフ言って ピピッ!」
東堂直斗「うーん。 飼育員コスプレ似合ってんな」
姫川エリカ「バカバカ直斗のバカ! そういうときは、 『なんでそんなにかわいいの?』 って見つめて言うのっ! ピピッ!」
東堂直斗「エリカ・・・なんでそんなにかわいいの?」
姫川エリカ「んもう、直斗やめてよ恥ずかしいじゃん」
東堂直斗「おまえが、言わせたんだろ」
姫川エリカ「じゃあ、エリカが会社から帰ってきて落ち込んでました。なんて声かける? ピピッ!」
東堂直斗「ん?どした。 元気ねーな、ケーキでも食いに行くか」
姫川エリカ「ダメダメ、女の子は言葉が欲しいのよ、そんな時は、 『なんでも聞くよ、オレ、ずっとおまえの味方だから』 ピピッ!」
東堂直斗「エリカ、なんでも聞くよ。 オレ・・・ずっとおまえの味方だから」
姫川エリカ「いい、すんごくいいよ! やるじゃん直斗、 はいクッキー」
東堂直斗「わーい♪」
ガチャ!(ドアの開く音)
東堂直斗「おい、誰か来たぞ」
〇シックな玄関
姫川リナ「男の靴?・・・エリカのやつ、もう許さないからね」
〇女の子の二人部屋
姫川リナ「エリカっ! また男連れ込んで、 もういい加減にして!!」
うわっ、すっげぇいい女。
姫川エリカ「お姉ちゃん、邪魔しないで、 イケメン調教中なんだから」
姫川リナ「バカっ!! ここはお姉ちゃんの家なのよ! あんたが実家からかってに転がり込んできたんでしょ!」
東堂直斗「エリカ、それはおまえが悪ぃわ、 姉ちゃんの家に男連れ込んで、調教してんだからな」
姫川エリカ「なによ、直斗までお姉ちゃんの味方して、 もうクッキーあげないから、ふん!」
東堂直斗「お姉さん。オレ、しばらくエリカ預かっていいスか? どうせこいつ追い出すんでしょ」
姫川リナ「好きにすればいいわ。でも後悔しないでね、バカだから」
東堂直斗「エリカ、行くぞ」
〇玄関の外
東堂直斗「どうする? 嫌なら姉ちゃんに謝って帰れば」
姫川エリカ「ううん。直斗といっしょにいる」
東堂直斗「じゃあ、どうぞ」
〇散らかった部屋
姫川エリカ「おじゃましまーす」
東堂直斗「そこに座ってろ、なんか飲ませてやっから」
姫川エリカ「一人で住んでるの?」
東堂直斗「まあな、それよりさっきの続きやろーぜ」
姫川エリカ「ありがと。 じゃあ、さっきのおさらい。 今、二人っきりだよ直斗」
東堂直斗「エリカといると落ち着くよ、 ・・・ずっとそばにいてほしい」
こいつの照れてる顔、なんか
かわいいよなぁ、オレ好きだわ
姫川エリカ「じゃあ、エリカはお姉ちゃんとケンカして落ち込んでます。なぐさめて」
東堂直斗「ずっと、エリカの味方だから心配すんな、仲直りするまでオレが守ってやる」
姫川エリカ「直斗・・・」
東堂直斗「ん?どした」
姫川エリカ「ごめんね。お姉ちゃん、いつも仕事でいなくて寂しくて、イケメン調教して気をまぎらわせてたんだぁ」
東堂直斗「そっか。でも、もうあんなことすんなよ。 てか、オレの女になれ」
姫川エリカ「本気で言ってんの? エリカ、バカだよ。いいの・・・」
東堂直斗「ああ、おまえがいい。 だから、オレだけ見てろ、わかったな」
姫川エリカ「・・・・・・うん」
東堂直斗「なんだ泣いてんのか? しょーがねーなぁ こいよ、泣くときはオレの胸な」
姫川エリカ「私、直斗にふさわしい彼女になるから」
東堂直斗「じゃあ、今度はオレが調教してやる 覚悟しとけ」
姫川エリカ「はい! 教官! よろしくお願いします!!」
東堂直斗「声でけーよ! よし! まずはキスからだ」
姫川エリカ「い、いきなりスか? いきなりすぎませんか・・・ちょっ」
〇散らかった部屋
シルエット(直斗)「いやか?」
シルエット(エリカ)「いやじゃないです教官!!」
シルエット(直斗)「声でけーよ!」
END
調教シーンが昔のコントの見ているようで、ごめんなさん笑ってしまいました! でも彼も嫌がらずというか、気に入って取り組んでいるのがサイコーに面白かったです。なんだかんだピッタリくるカップル誕生ですね。
イケメン調教師からラブラブカップルにクラスチェンジしましたね。笑
でもこの彼、素でああいったセリフが出てくるんですね。
これは調教いりませんよ!してもらいましょう。
実際はキュンとしたいわけではなく、寂しい気持ちを埋めたかったのですね。その気持ちはなんだかわかる気がします。
でも違った形で埋めてもよかったですが、結果オーライなのかもしれませんね!