アサシン家政夫ミヤゾノさん

Too Funk To Die

アサシン家政夫ミヤゾノさん(脚本)

アサシン家政夫ミヤゾノさん

Too Funk To Die

今すぐ読む

アサシン家政夫ミヤゾノさん
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇綺麗なダイニング
ユイ「ついにこの日が来た!」
ユイ「パパとママは二週間の海外旅行」
ユイ「今やこの家はあたし一人の城なのだ!」
ユイ「あ、でも家政婦さん呼んだって言ってたっけ」
ユイ「何時に来てくれるのかな?」
  ズドオオオオンッ!
ユイ「──はっ?」
ミヤゾノ「・・・・・・」
ミヤゾノ「敵勢力の熱源感知なし」
ミヤゾノ「ユイ、無事でよかった」
ユイ「無事じゃねー!」
ユイ「いきなり家になにしてくれてんの!?」
ミヤゾノ「しっ」
ミヤゾノ「現代社会ではいつ敵に襲われるかわからん」
ミヤゾノ「騒ぎを起こすような行動は慎むべきだ」
ユイ「爆発エフェクトで初登場するやつに言われたくない!」
ユイ「ってかあんた誰なの!?」
ミヤゾノ「俺は君のパパ上に依頼されて、君を守護(ガード)しに来た者だ」
ユイ「「守護」を「ガード」って読むやつに碌なやついないんだよなぁ・・・」
ミヤゾノ「これを」
  世界を股にかける凄腕アサシン
  ミヤゾノ
ユイ「パパの人選の基準が明後日すぎる・・・」
ミヤゾノ「業界では「二丁目のジョニー・デップ」の異名を取っていた」
ユイ「それ、多分バカにされてたんだと思う」
ミヤゾノ「これから二週間、よろしくな」
ユイ「あたしの天下、5tapくらいしか続かなかったな・・・」

〇システムキッチン
ユイ「でも、パパも過保護だよな〜」
ユイ「家政夫なんて頼まなくたって、あたし一人で何でもできるのに」
ミヤゾノ「さあ昼食が出来たぞユイ」
ユイ「わ、どれどれ!?」
ミヤゾノ「若鶏のハートクチュール、ディアボロス風だ」
ユイ「ねえこれ、何をハートに成形したの?」
ミヤゾノ「俺たちの絆だ」
ユイ「不確かなものの中でも最たるやつ・・・」
ユイ「ってかなんでご飯もろくに作れないの!?」
ユイ「一体何しにきたの!?」
ミヤゾノ「君を守護(ガード)しにだ」
ユイ「そのルビはさっき引いたからもういい!」
ユイ「あーもう、あたしが作る!」

〇綺麗なダイニング
ユイ「──はいっ!」
ミヤゾノ「おお、すごい!」
ユイ「ふふん、あたしは何でもできるんだから!」
ユイ「いっただっきまーす!」
ユイ「もぐもぐ・・・どうよ、なかなか悪くないでしょ?」
ミヤゾノ「ああ、なかなか悪くない」
ミヤゾノ「いいおヨネさんになれそうだ」
ユイ「ただのおばーちゃんじゃん・・・」
ユイ「それにしてもあんた、パパに頼まれたって言ってたけど」
ユイ「ふつーのサラリーマンのパパとどこで出会ったのよ?」
ミヤゾノ「・・・・・・」
ミヤゾノ「あれは、三週間前のこと──」
ユイ「──ゴクリ」
ミヤゾノ「近所のスーパー銭湯のサウナで意気投合したんだ」
ユイ「回想くらい挟んでよ・・・」
ミヤゾノ「サウナバトルで1時間と言う類を見ない死闘の上、俺はパパ上に敗れた」
ユイ「サウナバトルとかいうのが既に類をみないけど」
ミヤゾノ「倒れた俺にパパ上は言ったのだ」
ミヤゾノ「自分のいない間、娘を頼む、と」
ユイ「パパがそんなことを・・・?」
ユイ「なんかかっこよさげだけど、二人とも全裸なんだよねこの時」
ミヤゾノ「そう言うわけで俺はここに来た」
ユイ「想像の10倍浅え・・・」
ミヤゾノ「パパ上は、ユイのことを心配していた」
ユイ「パパが?」
ミヤゾノ「ああ」
ミヤゾノ「最近ぬいぐるみと話す時の声色が上手くなってきたとか」
ミヤゾノ「ジ○ニーズのアイドルと自分の夢小説を書いて音読してるとか」
ミヤゾノ「Vtuberになった時のアバターの名前をたくさん考えて──」
ユイ「もうやめろおおおお!!」
ユイ「なんなのあんたは!?なんでそんなことまで調べ上げてんの?」
ミヤゾノ「すべてパパ上が申していたことだ」
ユイ「それも嫌だ!!」
ユイ「もうたくさん!出てってあたしの家から!」
ミヤゾノ「そう言うわけにはいかない」
ミヤゾノ「俺は君を守りに来たんだ」
ユイ「ちゃんと「ガード」って言えよ!」
ユイ「わかった!あんたが出てかないならあたしが出てく!」
ユイ「二度と帰って来ないからね!」
ミヤゾノ「ユイ」
ユイ「なに!」
ミヤゾノ「今日の晩御飯はカレーで頼む」
ユイ「誰が作るか!」

〇市街地の交差点
ユイ「あーもうなんなのあいつは!」
ユイ「しょうがない、友だちの家に泊めてもらうしかないかー」
  キキーッ!
誘拐犯「ぐへへ、かわいいJKみーっけ」
ユイ「な、なに!?」
ユイ「うっ・・・」
  ドサッ
誘拐犯「さあさあ、ぼくちんとたーくさんイケナイことしようねー」

〇地下室(血の跡あり)
ユイ「う・・・うう・・・」
ユイ「はっ!」
ユイ「どこ、ここ?」
???「ぼくちんの家の地下室だよぉ」
ユイ「きゃあっ!?」
誘拐犯「うふふ、本当にかわいいなぁ・・・」
ユイ「いや!来ないで!」
誘拐犯「いってぇ!」
誘拐犯「このガキ、図に乗りやがって!」
ユイ「お願い、誰か助けてー!!」
「タァッ!」
誘拐犯「ぐおっ!?」
ミヤゾノ「・・・怪我はないか、ユイ」
ユイ「ミヤゾノさん・・・!?」
誘拐犯「な、なんだてめーは!?」
誘拐犯「うぎゃあっ!」
ミヤゾノ「俺はな、サウナで横になってるジジイがいようが!」
誘拐犯「ひいっ!」
ミヤゾノ「ベンチ休憩中に水をぶっかけられようが!」
誘拐犯「うぶふぁ!」
ミヤゾノ「水風呂で潜水してるやつがいようが、構わない!」
誘拐犯「あぎゃあああっ!?」
ユイ「さっきから何の話してんの!?」
ミヤゾノ「だが・・・ユイのことを傷つける奴のことは、絶対に許さん!!」
誘拐犯「うぎゃあああああ!!」
  ──ドサッ
ユイ「こ、殺したの・・・?」
ミヤゾノ「心配するな」
ミヤゾノ「肝臓と膝関節を破壊してやっただけだ」
ユイ「割とえげつねえよそれ・・・」

〇山の展望台(鍵無し)
  こうして、ミヤゾノの活躍で、誘拐犯はあえなく御用となった──
ユイ「あの、さ。ミヤゾノさん」
ユイ「──ありがと」
ミヤゾノ「俺はパパ上との約束を果たしたまでだ」
ユイ「ううん、そうじゃなくて」
ユイ「あたしは結局、誰かに助けてもらわなきゃ生きてけないんだって、わかったから」
ミヤゾノ「──誰にも助けてもらわなくてもいい人生なんて、大したことはない」
ユイ「え・・・?」
ミヤゾノ「パパ上、ママ上、そして俺。色々な人に助けられ、そして助ける、それで良いんだ」
ミヤゾノ「「人」という字は人と人が互いに寄り掛かるように書くだろう?」
ユイ「例えふっるぅ・・・」
ユイ「でもそっか、みんな誰かに助けられて生きてるんだ」
ミヤゾノ「・・・俺も、ユイに助けてもらってもいいか?」
ユイ「え・・・!?」
ユイ「やだ、なんであたしこんなドキドキしてんの?」
ユイ「あ、あたしにできることなら!」
ミヤゾノ「やっぱり晩御飯はハンバーグがいい」
ユイ「それは自分でやれ」
  おしまい

コメント

  • ツッコミの視点が豊富で素晴らしいです!!
    タップ数やルビにまでツッコムのは驚きました!!
    エフェクトの使い方も上手でタップノベルがとても活かされた作品でした(*^^*)

  • 「イケメンがボケる」との宣伝を見て読みに来たところ、笑いすぎて声出ました。電車の中とかで読まなくてよかったです(笑)

  • ヒェエめちゃくちゃ面白かったです
    コミカルな展開もギャグもテンポも最高ですね
    肝臓と膝関節を壊したところで耐えきれず吹き出しました。さすがすぎる…!

コメントをもっと見る(7件)

ページTOPへ