恋文慕情

射貫 心蔵

恋文慕情(脚本)

恋文慕情

射貫 心蔵

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〇大きな木のある校舎
  キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪

〇まっすぐの廊下
  下校の時刻になりました。
  校内に残っている方は、速やかに帰宅準備をして、下校してください

〇学校の下駄箱
二言みこと「ん?」
  んんん~~~ッッッ!!??
二言みこと「ちょっ、ウソでしょ? ヤダ~!!」
二言みこと「・・・・・・」
二言みこと「え、えーと。 差出人は・・・・・・」

〇花模様2
  さ、差引零?
  あの超人気者の!?

〇学校の下駄箱
二言みこと「学園のプリンスが、私のような愚民に恋を?」
二言みこと「ふふ、まさかね」
二言みこと「まさかまさか!」
二言みこと「まっさかぁ~♪」

〇大きな木のある校舎
二言みこと「えへへ」

〇学校脇の道
二言みこと「えへへへ」

〇住宅街
二言みこと「えへへへへ」

〇綺麗な一戸建て
二言みこと「えへへへへへ」
  ただいまぁ~!!

〇綺麗な一戸建て

〇おしゃれなリビングダイニング
お父さん「・・・・・・」
お母さん「・・・・・・」
二言あまり「・・・・・・」
二言みこと「えへへへへへへ」
お母さん「ご飯を食べるときぐらい、ニヤつくのはやめなさい」
二言みこと「ホラあまり。 お母さんが笑うのやめなさいって」
二言あまり「私じゃなくて、お姉ちゃんに言ったんだよぉ~」
二言みこと「えっ、ピーマン食べてほしいの? いいよいいよ、お姉ちゃんに任せて!」
二言あまり「ダメだコリャ!」
  ヒョイ! パク! ヒョイ! パク!
二言みこと「ごちそうさまぁ!」
  ズサササーッ!!
お母さん「あの子ったら、お行儀の悪い・・・・・・」
お父さん「ずいぶんゴキゲンだけど、 なにかいいことあったのかなぁ?」
二言あまり「私、調べてこよーか?」
お母さん「でも、そんな--」
お母さん「面白そうね!」
お父さん「ヨシあまり、行ってこい!」
二言あまり「ガッテン承知! 行こっペッポ!!」
ペッポ「ダディ! マミィ!  俺たちに任してくんな!!」

〇二人部屋
二言みこと(差引くんの書いた手紙)
  私に宛てた手紙
  頼むから、ドッキリとか、不幸の手紙なんてオチはナシにしてよね
二言みこと「えー・・・・・・ 前略、二言みこと様--」

〇黒
差引零「前略、二言みこと様」
差引零「恋文なんて、生まれてはじめてなので、上手く書けるかわかりませんが--」
差引零「俺の気持ちの十分の一でも伝えられればと思い、勇気をふるって、ペンをにぎりました」
差引零「二言さん・・・・・・好きです」
差引零「アナタのどんな時でも自然な姿に、心を奪われました」
差引零「嬉しい時に喜び、イラついた時に怒り、悲しい時に泣き、楽しい時に笑う」
差引零「当たり前のようですが、俺にはそれができない」
差引零「人気者になると《皆の期待に応えなきゃ!》という気持ちが強くなり、ときには自分を偽らなければいけなくなる」
差引零「周りが固めた、差引零というキャラクターを演じなきゃならなくなる」
差引零「もはやそれは俺ではなく、美化された偶像」
差引零「アナタのように、いつなんどきも、自分でいつづけられれば・・・・・・」
差引零「いつも楽しそうなアナタの笑顔を見ると、元気をもらえます」
差引零「それで、その・・・・・・ もしよろしければ--」
差引零「俺の横で、元気を分けてくれませんか?」
差引零「アナタと一緒なら、俺も自然体になれる気がするんです!」
二言あまり「ステキ!」
ペッポ「カックイイ~!!」

〇二人部屋
二言みこと「ちょっと!」
二言あまり「あはははは!! 怒らない怒らない!」
二言あまり「世の中には、奇特な人がいるものだねぇ」
二言あまり「このお兄さん、お姉ちゃんのドジッ子ぶりが気に入ったみたいだよ?」
ペッポ「みことの天然っぷりが、父性本能をくすぐるんかなぁ」
二言みこと「アンタら・・・・・・ それ以上からかうと、舌を引っこ抜くよ?」
二言あまり「わ、わかったよお姉ちゃん。 ゴメン・・・・・・」
ペッポ「この坊主、普段から仲がいいんか?」
二言みこと「うぅん。 お互い、遠目から様子をうかがってたみたい」
二言みこと「彼、普段は無口で、あまり人としゃべらないのよね」
二言みこと「それがまたクールで」
二言あまり「クールかぁ・・・・・・ お姉ちゃんと正反対なんだね」
ペッポ「色恋ってのは、自分にはない要素に、引かれ合うもんなんだよ」
ペッポ「あまりも大人になればわかるさ」
二言みこと「手紙には【明日の放課後、改めて告白したいので、屋上へ来てください】とあるわ」
二言みこと「【その時、本当の自分をお見せします】って」
ペッポ「本当の自分?」
二言あまり「ハリー・ポッターみたいな魔法使いなのかも」

〇魔法陣2
差引零「黒き炎よ! 善なる光を燃やし尽くせ!!」
差引零「バーニング・ブレイド!!!!」

〇二人部屋
ペッポ「ハッハッハ! 魔法なんてくだらない!!」
ペッポ「そんなモンあったらお目にかかりたいぜ!!!」
二言みこと「・・・・・・」
二言あまり「・・・・・・」
ペッポ「なんだその目は?」
二言あまり「--で、明日行くんでしょ? 屋上!」
二言みこと「え、えぇ。 ちょっと怖いけど・・・・・・」
二言みこと「自分が動かなきゃ、運命の歯車は回らないから」
二言みこと「なせばなる! 何事も!!」
ペッポ「よく言った! 愛の力は、何事にも勝る魔法だ!」
ペッポ「なんだその目は?」

〇東京全景

〇東京全景

〇東京全景

〇綺麗な一戸建て

〇住宅街

〇学校脇の道

〇大きな木のある校舎

〇大きな木のある校舎

〇広い屋上
二言みこと(差引くんはまだ来てないのか)
二言みこと「・・・・・・」

〇黒
  手紙にあった【本当の自分をお見せします】って、どういう意味だろう?
  過去に、なにか犯罪を犯した経験が?

〇血しぶき
  あるいは家族が犯罪一家
  もしくは彼自身、サイコパスだとか・・・・・・
  この手の後ろぐらい背景を踏まえた上で--
  差引くんと付き合う勇気があるのか?

〇広い屋上
二言みこと(ダメダメ! 発想がどんどん後ろ向きになる)
二言みこと(これから彼と・・・・・・ お付きあいするんだから)
二言みこと(明るく、明るく・・・・・・)
二言みこと「あの、こんにちは!」
差引零「・・・・・・」
二言みこと「お、お手紙どうもありがとう!」
二言みこと「とっても嬉しかったわ!!」
差引零「・・・・・・」
二言みこと「あのぉ~・・・・・・」
差引零「・・・・・・」
二言みこと「なぜ黙ってるの?」
差引零「・・・・・・」
二言みこと「ひょっとして、からかってる?」
差引零「・・・・・・」
二言みこと「・・・・・・帰るわ」
差引零「まま、待つダよ!」
差引零「シカトさこいて、悪かった!」
差引零「オラの本当の姿さ見たら--」
差引零「二言さ、幻滅するんじゃねぇかと思ってよぉ」
差引零「だが、言わすてもらう」
差引零「逃げるんは、ここまでダ!」
差引零「二言さ・・・・・・好きダ!」
差引零「オラと付き合ってけれ!!」
二言みこと「・・・・・・」
差引零「・・・・・・」
二言みこと「・・・・・・」
二言みこと「ぷ!」
差引零「オラが無口なんは--」
差引零「なまりが恥ずかしいから」
差引零「軽蔑すたか?」
二言みこと「まさか」
二言みこと「かわいい!」
差引零「そ、それじゃあ・・・・・・」

〇空
  喜んで!

コメント

  • まさかのラストに胸がキュンキュンでした!思わずみことと一緒に「かわいい!」って心の中で叫んじゃったじゃないですか!笑
    ウキウキルンルンな冒頭のみことも可愛かったし、妹ちゃんの妄想も猫ちゃんのセリフもいいアクセントで素敵でした~
    とっても楽しく拝読させていたたきました、ありがとうございました!

  • この彼かわいすぎやしませんか!?
    訛りを気にして無口になってしまうとか、すごくかわいいです!
    みことさんもウキウキ具合がすごくかわいいです!

  • 無口でクールな彼にこんな秘密があったとは!自分のコンプレックスを受け入れ、彼女に見せることにした彼の勇気にも拍手を送りたいです。恋文のあとの言葉にならない喜びも、笑い声と紙吹雪でとってもよく伝わってきました。

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