43 手放してはならぬもの(脚本)
〇海岸の岩場
ドミニク将軍「・・・それ、ミスリル用じゃあ無かったんだね」
アデライーデ「いちおう、アタシ用さね」
大蛇號はその身をうねらせ、ズシンと剣先を大地に突き込み、今度はそこを起点にアデライーデの掴まる柄部分を高く持ち上げる
アデライーデ「ドミニク将軍、そっちの大型はどうする?」
アデライーデ「アタシがやるかい? それとも・・・?」
ドミニクが振り返ると──
〇海岸の岩場
大型ドーカの体の欠損部分に、小型のドーカ達が群がっていた
欠損部分に張り付いたドーカ達は大型の体に融合を始めていた
ゆっくりとだが、大型ドーカは回復しつつあった
〇海岸の岩場
アデライーデ「動き出すまでにはもう少しってところさね」
アデライーデ「このままアタシがやっても良いけれども、どうだい? 将軍──」
ドミニク将軍「・・・俺達にやらせてくれないか?」
アデライーデ「良いよ、アタシはここで観ていよう」
ドミニク将軍「ああ、俺達がやれるってところを見せてやる」
ドミニク将軍「皆、聴け! あのくたばりかけは俺達でトドメを刺す!!」
イスランド兵1「はっ!! しかし将軍、戦術車が──」
ドミニク将軍「そんなモノ、こうすれば良い!」
ドミニクは腰の剣を引き抜いて腐蝕された車輪を切り捨て、蹴飛ばした──
そして、自らの手で車体を掴み持ち上げる
ドミニク将軍「ムンッ!!」
イスランド兵1「将軍!?!?」
ドミニク将軍「砲兵長ッ! 早く狙えぃッ!!」
イスランド兵1「あっ!? 誰か、支え──」
ドミニク将軍「いいからサッサと狙ええっ!!」
ドミニク将軍「弓隊! 魔法隊! デカブツにくっ付く小型と、こっち来る小型を削れえっ!! 他の奴らは石でも何でも投げろおっ!!!!」
ドミニク将軍「俺達は! 守られるだけの弱者じゃあ無い!! 英雄や勇者と共に立つ者だ!! 俺達は! 俺達の為にも戦わなくてはいけない!!」
イスランド兵1「──ッ!! 将軍! 車体の高さ、そのままでッ!!」
ドミニク将軍「任せろ!!」
イスランド兵1「奴の運動性はもう無いハズだ、頭を狙うぞ!」
魔法使い3「足止めできれば良い──『石礫─せきれき─』飛ばせ!」
兵達の、誰もが必死に動き出す
ドーカの大群、飛行型ドーカの空襲、ミスリルの出現、勇士隊の狼藉、フリードリヒの光の剣、アデライーデの大蛇號──
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