世界樹世界の魔女と龍

小潟 健 (こがた けん)

41 『青の砲』(脚本)

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〇空
アデライーデ「み、ミスリルめえーーっ!?」
アデライーデ「クソッ! 落ちる先は──」

〇海岸の岩場
  地上では、ドミニクの率いる部隊の目前に大型ドーカが出現したところだった
  そして大型ドーカの足下には、幼体のドーカ達も集まりつつある
ドミニク将軍「・・・この大型、これだけの巨体なのに地下からの出現直前まで気配を掴ませないだと?」
ドミニク将軍「隊列の横腹をつかれたが、しかし包囲陣に移行して応戦すれば──」
成体ドーカ「ブビイイイイイイィィッ!!!!!!」
ドミニク将軍「挟撃!? まさかコイツら、知能があるのか?」
ドミニク将軍「──全体、対挟撃防御陣形! 弓隊はまだ射つな、ちょっとやそっとの攻撃は効かん、射ったヤツから狙われるぞ!」
ドミニク将軍「出し惜しみできる状況では無い・・・ 『青の砲』用意だ!」
  ドミニクは本島からテルトラット砦へ援軍として駆け付けるにあたって──
  かねてよりシャーキンと共同で開発を進めていた新兵器と、その運用部隊を共に連れて来ていた
ドミニク将軍「俺達軍人が、勇者や英雄に守られるだけのか弱い者では無いと、そこのデカブツに教えてやるぞ!!」
ドミニク将軍「戦術車は左、近い大型ドーカへ向け回頭!! 砲兵長、狙いは任せたぞ!!」
イスランド兵1「左向けえぇっ! 車輪固定っ! 射角、ドテっ腹に合わせっ!!」
  ドミニクが持ち込んだ物は、魔法工学の最新技術を注ぎ込んだ兵器──
  『青の砲』
  多くの魔法使いが、また多くの時間を注ぎ練り固めた魔力の砲弾──
  一つ扱いを間違えると味方を巻き込み爆発する、危険なソレを運用する為の砲台付きの車両と部隊
ドミニク将軍「魔法使い隊は全員右の大型ドーカの攻撃に防御魔法用意!」
魔法使い3「全員、ですか!?」
ドミニク将軍「既にこの状況は絶望的だ! 半端な防御ではヤツらの一撃も防げん!」
ドミニク将軍「左のヤツを一撃で仕留めれば活路はある!!」
イスランド兵1「照準、ヨシ!!」
ドミニク将軍「いつでもぶち込めえっ!!!!」
イスランド兵1「対衝撃用意! 3、2、1、発射!!!!」
  大砲から、火薬の炸裂とは違う軽快な音が鳴ると共に砲弾が飛ぶ
  魔法による発射だ──
  砲弾は吸い込まれる様に大型ドーカの胴体、その真ん中へと飛び──
  当たるやいなや、無理矢理押し込まれていた魔力がやっと解放の場を得て炸裂する
魔法使い3「おおおっ!?」
ドミニク将軍「至近での炸裂は、凄いな!」
イスランド兵1「観測手、効果は、どうだ? ヤツは着弾時に──」
???「敵、いまだ健在ッ!!?」
ドミニク将軍「何だとぉッ!?」
イスランド兵1「着弾の直前、ヤツは避ける動きを──」
???「しかし、効果有り! 効果を認めるッ! 有効打を与えているッ!!」
  閃光と煙が晴れると──

〇海岸の岩場
  爆煙の中から現れた大型ドーカは、その右半身を大きく欠損していた
成体ドーカ「グビッ、ビイィ・・・」

〇海岸の岩場
イスランド兵1「お、おぉ、オオオオオオおぉッ!!」
ドミニク将軍「まだ浮かれるなよ、次弾、装填! トドメを──」
???「右のドーカ、粘液の発射体勢です!!」
魔法使い3「総員、巻風合わせ!! ──放てえ!!」
イスランド兵1「装填急げ、ひるむな止まるな!」

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