〇空
アデライーデ「・・・ふぅ、マリリン、大丈夫だったんだね」
アデライーデ「ミスリル、アンタあんなドーカの真ん中に、あんな勢いで投げるなんて何考えているんだッ!!」
アデライーデ「返答次第じゃアンタ・・・！」
ミスリル「ル？・・・ウゥ、グルルルオ（ん？・・・あぁ、そういえば言って無かったな）」
ミスリル「グル、ウゥ、グルルウ（アイツの聖殻、おそらく打撃、衝撃では破壊不能だぞ）」
アデライーデ「・・・は？ え？ 何だって？」
ミスリル「グル、ウウルルウゥ（おそらく、アレは真の珠の形状に極限まで迫ったモノだ）」
ミスリル「ゴルルウゥ（そして青目の親和的な魔力以外受け付けない）」
アデライーデ「・・・実はマリリン、凄い子なの？」
ミスリル「グル、ゴゴゴルルゥ、ヴゥ──（あの聖殻は、まん丸ツルツルの泥団子を極めた副産物の様らしい、そして──）」
ミスリル「グウルル、グルルグルル（余計な足を生やして神性が崩壊し、通常の防御力になっているのに気付いて無かったから天然のバカだ）」
アデライーデ「それって、今危ないって事じゃないか！」
ミスリル「ガルルゥ、グウルルウゥ（欠点の話は昨日伝えてある、それに自分でいろいろ試して知るのも成長には必要だ）」
ミスリル「グル、ゴルル（それに、今地上にはアレが居る）」
アデライーデ「アレって──」

〇海岸の岩場
マリリン「フーハハーッ!!」
マリリン「昨日ミー君が言ってたこの 『聖殻─蹂躙者形態─』の弱点、メチャ頑丈なマリリンの聖殻が一般レベルに下がる──」
マリリン「それって普通のドーカの攻撃を何度も防げるうえに、移動もできるチート性能って事じゃないッスかよーー!!」
マリリン「それにいざとなれば足を消してノーマルフォームに戻れば再び防御力アップ！ 勝ったなガハハ！ 風呂入りに帰るぞ！」
成体ドーカ「ブビイイイイイイィィッ!!!!!!」
マリリン「の・・・」
マリリン「ノーマルフォームぅ!!!!」
　　進路を塞ぐ様に地面から這い出て来た大型ドーカに、マリリンは移動を捨てて防御を選ぶ──
　　そしてその選択は正しかった
　　数秒後、ドーカの粘液がマリリンの聖殻に当たる
マリリン「あぶねーーっ!?」
マリリン「クソがよおぉ、蹂躙フォームのスピードじゃ振り切れ無いよおぉ・・・」
マリリン「ねえおじさん？ マリリン今からデートの約束があってー、女の子とドラゴン待たしているのー」
マリリン「だから、ちょっとそこ素通りするからね♡」
成体ドーカ「ブッ！ ビイイイイイイィィッ!!!!!!」
マリリン「うるせーーーーっ!!!! いいだろうが！ 天下の公道だろうが!! テメエ知り合いのドラゴンけしかけてやろうかあぁ!!?」
マリリン「マリリンはドラゴン兄貴のお気に入りだかんな！ マリリンの握り心地に夢中なんだからな!!」
成体ドーカ「ブギイイイイイイィィッ!!!!!!」