38 降臨(脚本)
〇兵舎
マリリン「ところでドゥランノ大枝祭は何でフリードリヒやオスカー達を連れて来たんですか? コイツらまだ院生ですよね?」
フリードリヒ「俺達は班で各地の実地訓練に参加していたんだ」
ドゥランノ「そんで、問題を起こしそうなオスカー達の班を権力で押さえ付けられる私が預かっていたのよ」
マリリン「フリードリヒどん・・・マリリンが居らんくなってからグレたのかい?」
フリードリヒ「なんでそうなるんだよ・・・」
ドゥランノ「グレちゃいないぜ いざという時に問題児達を力ずくで押さえられる様に、私がねじ込んだのさ」
ドゥランノ「それでたまたまイスランドの本島に視察に来たら、表6層からの侵攻があるって聞いてね──」
ドゥランノ「院生も、いちおう従軍訓練は終えていたし、何よりフリードリヒが居た──」
ドゥランノ「だから多少の無理をしてでも介入すべきだと思ったんだよ」
マリリン「どうしてですか? 手柄が欲しいワケじゃ無いでしょうし・・・」
ドゥランノ「いや、手柄がほしかったんだよ」
ドゥランノ「どうしてもね」
〇海岸の岩場
──2日後、テルトラット近隣の島にて、勇士隊を含む軍の戦力による上陸作戦が展開された
フリードリヒ「法撃班、樹槍用意──放て!」
勇士隊の戦果は凄まじく、次々とドーカが葬られてゆく──
オスカー「ケッ、フリードリヒの野郎・・・いい気になりやがって」
レミア「・・・今は言うコト聞いたフリしようよ~」
オスカー「ハン! 分かっているさ ・・・ヤるのは、野郎が油断してからだ」
フリードリヒ「剣撃班、あの岩の裏へ左右に別れて挟み撃ちを仕掛ける! 俺は右から、オスカー達は左からだ!」
オスカー「フンッ、いいだろう・・・」
地上の作戦は順調に進んでいた
〇空
その上空には──
白銀の龍が翔んでいた
アデライーデ「下は順調だねぇ・・・」
「それではコチラも実験を始めようか?」
アデライーデ「・・・本当に”アレ”をやるのかい?」
「ふふふ、心配してくれるのかい?」
アデライーデ「アンタの頭がいよいよおかしくなったと思っているよ・・・」
アデライーデと話す者はミスリルの背の上には無く──
掌の内にあった──
膝を抱え、聖殻を纏ったマリリンだった
マリリン「安心したまえアデライーデ君、昨日までの実験で期待は確信へと昇華したのだよ」
マリリン「さあ、ミー君 やっておくんなまし」
ミスリル「グル、グルル(ウム、任せよ)」
返事の直後、ミスリルは空中でその身をねじり──
マリリンを地上に投げた
〇海岸の岩場
成体ドーカ「ブビイイイイイイィィッ!!!!!!」
フリードリヒ「・・・アレが報告にあった大型個体か 皆、隊列を──」
勇士隊が身構えるより先に、大型ドーカに魔法の球体が突き刺さった
成体ドーカ「ギビ、ィィ・・・──」
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