〇グラウンドの隅
　　さて、今あなたは学校にいます
　　そして生き物係になってうさぎを飼育することになりました
　　こちらのうさぎです
　　──
　　え？
　　全然うさぎに見えないって？
　　彼はただのうさぎではありません
　　イケメンうさぎです
　　ほとんど人間の男性ですが
　　さみしいと死んでしまう、と言うところだけ
　　うさぎなのです
　　そのくせ、人見知りなので気をつけてください
　　上手に育てることによって
　　彼は１人でも生きていけるようになります
　　では、ゲームスタートです！

〇グラウンドの隅
　　では、初めにエサをあげてみましょう
　　彼は唐揚げが大好物です
　　では、彼の口元に向けてタップしてください
　　はい
兎「・・・」
　　上手く、口元に行かなかったようですね
　　もう一度、口元をタップしてみましょう
　　はい
兎「もぐもぐ」
　　今度は上手くタップ出来たようですね
兎「ごっくん」
兎「すーすー」
　　おや、お腹いっぱいになって眠ってしまったようですね
　　では、また明日続きをやりましょう

〇グラウンドの隅
　　では、今日もやっていきましょう
　　おや、寝ている間に帰ってしまった事、怒っているようですね
　　では、優しく頭を撫でてあげましょう
　　頭のあたりをタップしてみてください
　　はい
兎「・・・」
　　なんだか余計に怒ってしまいましたね
　　ちゃんと撫でるようにタップしましたか？
　　もう一度、頭のあたりを優しくタップしてみて下さい
　　はい
兎「・・・」
兎「ふ」
　　あっ、ちょっと笑いましたね
　　この調子です
　　では、また唐揚げを食べさせましょう
　　では、また口元をタップしてみてください
　　はい
兎「・・・」
　　あれ、食べてくれませんね
　　どうしたのでしょう
兎「サラダ」
　　あ、栄養バランスを気にしてたようですね
　　では、サラダを食べさせましょう
　　口元をタップしてください
　　はい
兎「もぐもぐ」
兎「ごっくん」
兎「すーすー」
　　あ、また寝てしまいました
　　あなたといると安心するのでしょうか
　　ではまた明日続きをやりましょう

〇グラウンドの隅
　　おや？
　　うさぎが見当たりませんね
　　脱走したのでしょうか
　　このままじゃゲームオーバーになってしまいます
　　あ、戻ってきました
　　めっちゃ笑ってますね
　　あなたに会えて嬉しいようです
　　おや、あなたにプレゼントを持ってきたようですね
　　よっぽどあなたの事を気に入ってるのかもしれません
兎「なでて」
　　自分から撫でて欲しいと言うまでに成長しています
　　では、５回くらい好きなところを撫でてみましょう
　　では、優しくタップしてみてください
　　はい
兎「は」
兎「ひ」
兎「ふ」
兎「へ」
兎「ぬ」
　　ぬ！
　　変な所を撫でていないですよね？
　　これは今まで見たことのないタイプのうさぎかもしれません
　　注意して育てていきましょう
　　では、また明日

〇グラウンドの隅
　　今日は生憎の雨ですね
　　おや、またうさぎがいませんね
　　どこに行ったのでしょうか
　　いました
　　小屋の隅で寒くて泣いてたようです
兎「しくしく」
　　かわいそうに服も濡れているようです
　　では服の水を拭き取ってあげましょう
　　服のあたりを６回タップしてみてください
　　はい
兎「か」
兎「え」
兎「ん」
兎「な」
兎「い」
兎「で」
　　帰んないで、と言っています
　　寒くて泣いていた訳ではなさそうですね
　　では、頭を撫でて安心させてあげましょう
　　4回タップしてください
　　はい
兎「う」
兎「れ」
兎「し」
兎「い」
　　あ、嬉しいと言ってますね
　　かなり成長してきてます
　　もう一歩です
　　では、また明日
　　・・・
　　え？
　　あなたも帰りたくないんですか？
　　だって帰んないでって言ってるから、って？
　　そうですか
　　わかりました
　　異例ですが、今回だけ認めましょう
　　では、また明日来ますのでそれまでコミュニケーションをしっかりとってあげてください
　　では

〇グラウンドの隅
兎「ふふふ」
兎「いてくれてうれしい」
兎「あたまなでてー」
兎「ふ」
兎「ふ」
兎「ふ」
兎「ふ」
兎「ふ」
兎「ずっといっしょにいてね」

〇グラウンドの隅
　　おはようございます
　　昨日はご苦労様でした
　　おや？
　　うさぎは急成長したようですね
　　すっかり一人前になったようです
　　それでは、あなたの仕事もこれで終わりになります
　　どうもありがとうございました
　　帰っていいですよ
　　・・・
　　帰っていいですよ
　　・・・
　　まだ、なにか？
　　もしかして、彼に好意を抱いてしまったのではないでしょうね？
　　もう彼は１人でも生きていけます
　　なので、あなたがいなくても大丈夫です
兎「ダメ」
兎「ずっといっしょにいる」
　　まぁ、なんてことでしょう
　　こんなうさぎは初めてです
　　もう彼を撫でないでください！
兎「なでて」
兎「だ」
兎「い」
兎「す」
兎「き」
兎「だ」
兎「よ」
　　どうして撫でるのですか！
　　せっかく１人で生きていけるように成長したのに！
兎「これからさきの」
兎「けしきは」
兎「あなたといっしょに」
兎「みたい」
　　おやおや
　　今回の育て方は失敗ですね
　　だって
　　1人で生きていけない人を２人も作ってしまったんですから
　　でも、
　　これが正しいと胸を張って言えるのなら
　　それがなによりかもしれませんね
兎「からあげたべさせてー」
　　あんまり甘やかさないでくださいね
　　指がこの世界に吸い込まれますよ
　　なーんてね
　　では、ラストタップです
　　最後に、いいね！を押してください
　　嘘です
　　では、またいつか
兎「このあと、ぼーなすすてーじ」