36 殴ったその手は(脚本)
〇基地の広場
マリリン「マジで人間の言葉が分かるの?」
マリリン「それじゃあ、その場で3回転してワンって鳴いてみてよ!」
マリリンからの舐めた注文を受けたミスリルは、器用に爪の先でマリリンの胸ぐらを摘み上げた
ミスリル「グァン?(ア゛ン?)」
マリリン「舐めたマネしてすんませんでしたっ!!?」
ミスリル「グルルゥ(分かれば良い)」
アデライーデ「とまぁ、そんな感じさね ちなみにコレを知っているのは他にはドミニク将軍だけだから、他の奴らには秘密にしておくれよ」
マリリン「はーい、わっかりましたー」
マリリン「でもさ、ミー君が人の話が分かるのは分かったけどさー、アディはドラゴン語が分かるの?」
マリリン「もしかして魔女の魔法?」
アデライーデ「ん? あぁ、勘だねぇ」
マリリン「いやいや・・・勘って、アンタ・・・」
アデライーデ「ハハッ、勘は言い過ぎたかも知れないねぇ でももう10年間一緒だからかねえ?」
アデライーデ「たぶん、ミスリル自身が明確な意思を持っているからだろうね だからコイツの言いたい事が分かるのさ」
アデライーデ「それに、今じゃあほとんどしないけれども、ミスリルは魔力を飛ばして喜怒哀楽とかの簡単な意思を伝える事も出来るのさ──」
アデライーデ「そういえばさっきの村でもやっていたよね? 何を言ったんだい?」
ミスリル「グルルゥ、ウルルゥルウ(別に大したことは言っていない、格の違いを理解させただけだ)」
アデライーデ「大したことは言っていないんだとさ」
マリリン「んむむ・・・なんだか雑な返事を言った様な印象を受けた」
アデライーデ「それ、当たっているよ」
〇基地の広場
そして二人はミスリルと分かれ、砦内の帰路へとつく
マリリン「・・・・・・」
アデライーデ「・・・どうしたんだい? なんだか浮かない顔をして」
マリリン「アディ・・・今さらだけどさ・・・」
マリリン「マリリン、厚化粧を滅多打ちにすれば、もっと晴れやかな気分になると思っていたんだ──」
アデライーデ「──うん、それで、実際はどうだったんだい?」
マリリン「ぐちゃぐちゃなんだ・・・ アディ、マリリンの、手・・・見てよ──」
アデライーデ「うん? 怪我でもしたのかい? 確かにアンタ鍛えてそうには見えないからね──」
そうしてアデライーデが覗き見たマリリンの両手は──ぐちゃぐちゃだった──
アデライーデ「あ、アンタ、マリリン・・・この、手は──」
マリリンの両手は──
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