プロローグ(脚本)
〇ホールの舞台袖
凛、歩夢、涼
そして、花音
はい、マイク。
みんな!
自分の音を、全力で出しきって!
「はいっ!」
〇荒廃した街
凛(りん)「暗い、怖い。悲しい・・・・・・」
花音(かのん)「もうずっと歩いてる。ここはどこなの?」
〇洞窟の入口(看板無し)
歩夢(あゆむ)「こんな所に洞窟?」
涼(りょう)「入ってみよう」
〇岩の洞窟
凛(りん)「出口が見つからない」
花音(かのん)「・・・・・・」
〇岩穴の出口
涼(りょう)「あ、明かりが!」
歩夢(あゆむ)「行ってみよう」
〇サイバー空間
凛(りん)「えっ? なんか外に出たら不思議な場所に着いた」
涼(りょう)「なんだここ!?」
歩夢(あゆむ)「静かに! なんか聞こえてくる」
会場のみんなとカウントダウンをすれば
画面から抜けられる。
花音(かのん)「ここから出て、会場のみんなに会いたい」
花音(かのん)「皆さん、一緒にカウントダウンをお願いします!」
〇黒
5
4
3
2
1
〇コンサート会場
花音(かのん)「やっと、辿りついた♪」
凛(りん)「幾つも乗り越えて♪」
涼(りょう)「目の前の光景が♪」
歩夢(あゆむ)「まるで夢のようだー♪」
〇コンサートホールの全景
碧(みどり)さん(満員ね)
碧(みどり)さん(よし、今回は大丈夫そう)
碧(みどり)さん(頑張ったね)
碧(みどり)さん(これからもずっとずっと、あなた達のファンだからね)
碧(みどり)さん(頑張れ!)
〇星
──奏でるワンダーランド──
〇黒
花音、中学2年生
〇可愛い部屋
花音(かのん)(はぁ、学校なんて行きたくない)
花音(かのん)(今日歌のテストだ)
花音(かのん)(あの時の記憶が蘇る)
〇教室
小学5年生の時
先生「じゃあ、歌のテスト始めるぞ」
廊下側の席の人から歌い、私の番が来た。
花音(かのん)(やだ、人前で歌えない)
花音(かのん)「・・・・・・」
先生「どうした? 歌えないのか?」
人前で歌うのが嫌で、怖くて、逃げ出したかった。
クラスの女の子「花音ちゃんガンバレ!」
応援してもらったりもしたけれど、結局歌えなかった。
〇可愛い部屋
花音(かのん)(学校休みたいよー)
花音(かのん)(はぁ・・・・・・)
〇音楽室
花音(かのん)(お腹痛くて冷や汗が)
「どうしたの? 歌って?」
花音(かのん)(あ、もう、無理。目の前が真っ白)
周りの音が聞こえなくなり、意識が・・・・・・
「大丈夫?」
私はピアノの前で倒れた。
〇川のある裏庭
花音(かのん)「ねぇ、聞いて! 昨日のね、歌のテスト」
花音(かのん)「みんなの前で歌うのが怖くて、具合悪くなって、倒れちゃったの」
花音(かのん)「君の前では歌えるのにね・・・・・・」
花音(かのん)「君の歌を作ったよ!」
花音(かのん)「聞いてね!」
花音(かのん)「向日葵の笑顔は~♪」
〇川のある裏庭
花音(かのん)「誰よりも明るく~♪」
花音(かのん)(ん?)
〇川のある裏庭
碧(みどり)さん「こんにちは」
花音(かのん)「わぁ、びっくりした!」
花音(かのん)(だれこの人)
花音(かのん)(いるの気がつかなかった!)
花音(かのん)(今、私の写真撮ったよね)
碧(みどり)さん「ふふっ」
花音(かのん)(・・・・・・)
碧(みどり)さん「お歌、上手ね」
花音(かのん)(え、やだ、聞かれてた?)
花音(かのん)「う、歌ってません」
花音(かのん)「私の歌なんぞ、人には聞かせられぬです」
花音(かのん)(どうしよう、どうしよう・・・・・・)
碧(みどり)さん「落ち着いて!」
碧(みどり)さん「あなたの歌、とても良かったわ!」
花音(かのん)「わ、私の歌なんぞ、人間様に聞かせられぬですってば!」
碧(みどり)さん「自信を持って!! 上手よ!」
碧(みどり)さん(本当の事なのに。自信を持って生きてほしい)
碧(みどり)さん(もう、あんな事にはならないように・・・・・・)
碧(みどり)さん(今隠し撮りした動画も、将来価値のあるものになるようにしてみせる!)
碧(みどり)さん(絶対に)
〇川のある裏庭
碧(みどり)さん「私の名前は碧、あなたのお名前は?」
花音(かのん)「わ、私の名前は花音です」
碧(みどり)さん(名前、知っているけどね)
碧(みどり)さん「花音ちゃん。可愛い名前ね! よろしくね!」
私の計画していた事を実行する時がきた。
〇黒
令和
風の時代
〇豪華なベッドルーム
〇図書館
〇田舎の学校
〇黒
生きづらさを感じている“ 世の中の普通 ではない ” 私達。
変化の時代といわれる、風の時代の今。
個性が尊重される時代ともいわれている
この時代の波にのれたら、生きやすくなる?
今よりも、自分の心が泣かないですむように、なるの?
変われる?
エンタメ界も変化の最中。
生きづらさを感じている4人が
エンタメの世界へ。
どうか
“ 周りと違う個性 ” が強みになり
もっと彼女達が
彼女達の “ 好き ” を大切にして
生きられますように。
私が出来るのは
少しの手助けと、近くで見守る事。
次回、始動
1話ラストの描写、ぐっと引き込まれてしまいました!
キャラクターそれぞれが抱える葛藤をどう乗り越えて、自己を実現していくのか、とても楽しみです!
最後のシーンに胸を打たれました! 私は彼女たちと年代こそ違いますが、同じ思いを抱えて生きているのかもしれません。
冒頭のライブの演出から引き込まれてしまいました!
BGMつけたらすごいカッコよくなりそうですね!
風の時代、残りのメンバーは何を抱えて生きていたのか。それに、謎の人物碧さん。一体何者なのでしょう?
気になります〜続き楽しみにしております(^^)