デジャブ

F君(Silver Capricorn)

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〇白
  時々、感じる。
  それは、一言で言ってしまえばデジャブと言うのだろう。
  ただ、一言で表せないとも言える。
  冷たい外の景色を写す。
  友達と過ごす時、恋人と過ごす時、不意に襲われるその感覚はとても不思議である。

〇街の全景

〇撮影スタジオのセット
  ドラマの撮影
  シーン100
  カット3
  テイク1
  よーい、アクション
石田航「春馬、まだいたのか? 明日は卒業式だから夜更かししないで早く寝ろよ・・・」
広坂春馬「石田先生、今まで迷惑掛けてすまなかった」
石田航「改まってなんだよ!?」
広坂春馬「俺は、あんたの生徒で良かった」
  〜カット〜
  確認します。
  はい、OKでーす。撮影終了でーす。
石田航「春馬君、めっちゃいい演技だったよ〜」
広坂春馬「石田君こそ、 そうだ。この後カラオケで打ち上げパーティーをしないか?」

〇カラオケボックス
石田航「もしもし、春馬と3人で今からカラオケしない?」
りさ「いいよ、どこでやるの?」
石田航「3丁目のカラオケ屋で」
「分かった。今から行くわ」
石田航「りさも来るって」
広坂春馬「了解」
広坂春馬「来るまで、歌うか」
石田航「うん、そうだな」

〇ネオン街

〇カラオケボックス
りさ「あ、ずる〜い。もう始めてるなんて聞いてないよ」
石田航「ごめん、ごめん」
広坂春馬「りささん久しぶりだね。元気だった?」
りさ「うん、元気だよ」
広坂春馬「なら良かった。それより昨日のバラエティ番組みた?」
りさ「みたみた。めっちゃ面白かった」
りさ「まさか、あそこで爆発するとは思わなかった」
広坂春馬「俺も俺も、でさぁ、」
  話が盛り上がっていく。
  そして、りさがある事に気がつく
りさ「ちょっと気になる事があるんだけど、今日さぁ、カラオケに3人で来たよね?」
広坂春馬「え?3人? 冗談はよしてくれよ。最初から2人だっただろ?」
りさ「うーん、そうだっけ? 誰か大切な人を忘れてる気がするんだけど」
広坂春馬「おいおい、大切な人って僕の事だろう? だって、僕達付き合ってるんだから」
りさ「そうよね?変な事言ってごめんなさい」
広坂春馬「多分、飲みすぎたんだよ。 今日はこれで解散にしようか 車で送って行くよ」
りさ「ありがとう」
  りさが立とうとすると、めまいがして倒れる
広坂春馬「おい、りさしっかりしろ」

〇撮影スタジオのセット
  シーン100
  カット3
  テイク1
  よーい、アクション
りさ「ゆ、夢か」
監督「りさ、何ぼさっとしてるんだ、ちゃんと働け お前の声が入った性で取り直しじゃないか」
りさ「す、すいません」
  シーン100
  カット3
  テイク2
  よーい、アクション
  りさは腕を引っ張られる

〇カラフルな宇宙空間
りさ「あれ?ここは一体?」
???「りささん、貴方に協力して欲しい事がある」
りさ「協力?」
???「今から、りささんには、過去の世界に行って貰う。そこである人を説得して欲しい」
りさ「ある人?過去の世界?」
???「その人は、三田君のお母さんだ」
りさ「三田くんって誰?」
???「そ、そこからか。 石田航の事だよ」
りさ「え?石田航が本名じゃないの?」
???「あれは、芸名だ。 今はそれよりも、過去の三田君のお母さんに心臓病の手術を受けされる様に説得して欲しいんだ」
りさ「分かったわ。でも、一つ疑問に思うんだけど、私でいいの?」
???「うん、貴方がいいのよ。 貴方は、前回の世界線で1人だけ、変化に気づいていた。まぁ、君からしたら夢に過ぎないだろうけど」
りさ「も、もしかしてあれは夢じゃなかったの?」
???「うん、君の考えてる通りだよ。これ以上は何も言えないけど、お父、じゃなくて」
???「私の大切な人達を救って」
りさ「うん、任せて」

〇病院の待合室
三田由紀「心臓病の手術を受けても助かる可能性はかなり低いなんて、もうどうしたらいいの?」
三田由紀「もう、このまま手術しても助かる気配もないし、長引くだけ、あの子が可哀想だし・・・」
  祐介を諦めた世界線
りさ「隣座ってもいいですか?」
りさ「そのまま聞いて下さい」
りさ「私には、付き合ってる人がいるんですが、その人との出会いは、病院近くのバス停乗り場でした」
りさ「私は吃音と言う病気を患っていて、障害者手帳をバスの運転手に見せると大体の人が障害者の人は乗って来るなと言う反応でした」
りさ「そこに通り掛かった彼が、こう言ってくれたんです」
りさ「今は、まだ認知されてないだけでいつか、俺達の事を分かってくれる人がきっと現れるよだからそれまで頑張ろうって」
りさ「だから貴方も諦めないで下さい」
りさ「きっと、祐介君は助かります」
三田由紀「もしかして、その彼って」
「もう、時間が来てしまったみたいです」
三田由紀「宮沢先生、私は決めました。 祐介と最後まで戦います」

〇カラフルな宇宙空間
???「どうにか上手く行ったみたいですね」
りさ「うん、ちなみに貴方の正体も分かっちゃった」
りさ「私達の娘でしょ?」
???「お母さんには敵わないな〜」
???「ちなみに今日の事は、全部忘れて貰うからね」
???「じゃないとパラドックスが起きちゃうから」
りさ「そっか、なら仕方ないね」
???「うん、また会おうね」
「そうだ、そろそろサンタ服を買いに行かないと」

〇カラオケボックス
りさ「あ、ずる〜い。もう始めてるなんて聞いてないよ」
石田航「ごめんごめん」
広坂春馬「りささん久しぶりだね。元気だった?」
りさ「え?久しぶりだっけ?」
広坂春馬「うん、」
りさ「そっか、誰かと勘違いしちゃった」
広坂春馬「おいおい、酷いな」
りさ「えへへ、ごめんね」
石田航「俺、ちょっと飲み物取って来るわ〜」
  その瞬間りさは、石田の手を掴んで
りさ「もう二度と私の側からいなくならないで」
石田航「いなくなるって、、、 俺はただドリンクを取りに行くだけだよ」
りさ「ご、ごめん。なんか変な事言っちゃった」
広坂春馬「おいおい、俺だけ除け者扱いかよ。 そう言うのは、家でやってくれよ」
石田航「ごめん」
りさ「ごめんね」
「まぁ、このまま俺がいると邪魔になるだろうし帰るわ〜」
石田航「おい、待てよ」

〇女の子の一人部屋
  スマホの着信がなる。
  カラオケに誘われる様な気がした。
りさ「もしもし、どちら様ですか?」
「石田航だけど、これから春馬と3人でカラオケしない?」
りさ「じゃあ、今から三丁目のカラオケに向かうね」
「え?なんで知ってるの?」
りさ「なんか、前にもこんな事があった気がするな」

〇ネオン街
石田航「りさ、今日のお前なんか変だぞ?」
りさ「そ、そうかな?」
石田航「うん、電話の時も言ってもないのに三丁目のカラオケにいる事を知ってたり、」
石田航「ドリンクバーを取りに行くだけなのに、悲しそうな顔して俺を引き留めたり、何がしたいの?」
りさ「実は私にも分からないけど、なんか、前にもこんな事があったな〜って思って」
石田航「もしかしてデジャブ?」
りさ「うん、それで気づいたら勝手に動いてたの」
石田航「そっか、」
石田航「後、一つ聞きたい事がある」
りさ「え、何?」
石田航「昔、お母さんの背中を押してくれたのってりさなのか?」

コメント

  • 現実世界でも、もしかしたら再度繰り返していたりするのかも?と思うくらい、なんか既視感があることってありますよね。
    行ったことないのに覚えていたり…。

  • 不思議な世界でした。デジャブは2回とは限らない、そんな感じです。前のテーマと繋げるところは、親近感が湧きました。

  • 普段は時計を見る事でしか時間の流れを感じることができないけど、もしこうしてワープすることが可能なら時空間を体感できそうですね。

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