31 悪名の刃(脚本)
〇先住民の村
オスカー「ウウッ!? ぐうぁっ、はあああっ!!?」
アデライーデ「落ち着きなって、手加減はしたんだ 切り落とした訳じゃないだろう?」
アデライーデ「それに放っておいても死ぬ様な出血じゃあ無いさ」
オスカー「フーッ、フーーッ!! テメエ、テメエッ!! コロス、殺す殺す殺す殺すぅ!!!!」
アデライーデ「おや、死なないと分かったら元気が出てきたのかい? 現金なヤツだねえ」
オスカー「クソォ!! 魔女が、いったいどんな外法を使ったか知らねえが、二度通じると思うなよ──」
アデライーデ「プッ、フフッ!」
オスカー「ナニがおかしいんだよっ!!」
アデライーデ「外法って、ただの剣術を大げさな」
〇先住民の村
マリリン「解説のフリードリヒさん、アディの言っているただの剣術ってホントですかい?」
フリードリヒ「か、解説? まぁ、それは本当だよ」
マリリン「マリリンには、アディが避けながらクネッとした様にしか見えなかったんだけど・・・」
フリードリヒ「体を半分後ろに引くと、反対が自然に前に出るだろう? その勢いでクネッと刀を振った──」
フリードリヒ「そしてオスカーの親指を打ったんだ あの黒い刀を歪めながらね・・・あれは魔剣の類いだろう」
マリリン「それってただの剣術じゃ無くねっすか?」
フリードリヒ「いや、歪めたのは手加減する為だった様だよ オスカーがあんまりにも簡単に引っ掛かってしまったから・・・」
マリリン「ほへー、そんなの良く見れたねー もしかしてフリードリヒならさっきのも避けられた?」
フリードリヒ「どうかな、見えたのはこれだけ離れて全体を見れたからだし・・・そもそも俺と彼女が戦うなら互いに違う初手になるだろうしね」
フリードリヒ「それよりも彼女、本当に君の言う通りの探険者志望なのかい?」
マリリン「んむ? どういうこったい?」
フリードリヒ「親指、あるいは手首を狙うさっきの剣術、ドーカにも魔獣にも効きそうにない・・・ 完全に対人に特化したモノだと思う──」
フリードリヒ「普通の探険者が修めるモノとは思えないよ・・・」
マリリン「あれ? アディの名乗り聞かなかったの? アディって、あのデュナ・ザンカートの孫で二代目刃の魔女なんだってよ」
フリードリヒ「えっ、あの、悪名高い?」
マリリン「そう、あの、悪名高い」
フリードリヒ「・・・なるほど、あれが、あれはデュナ・ザンカートの技なのか」
マリリン「まあ、オスカーには荷が重い相手だったんじゃ──ムム?」
マリリン「──ここは、マリリンが行きまっしょい」
マリリン「それではフリードリヒどん、あとは計画通りに頼むでゴワス・・・」
フリードリヒ「・・・フリードリヒ、どん・・・?」
〇先住民の村
レミア「オスカー、何か大声出してどーしたの~?」
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