胸キュンウィルス

ヤマダン

エピソード1(脚本)

胸キュンウィルス

ヤマダン

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胸キュンウィルス
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〇ビルの裏通り
  20××年
  人類は新たな脅威と出会うことになった
ユウキ「あれ?」
ユウキ「こんな夜なのに、なんでここだけこんなに光っているんだ?」
女「はい?どうしたんですか?」
ユウキ「あ、ゴメン!」
ユウキ「君が眩しかっただけだ」
女「キュン!」
  バタン
ユウキ「ふっ」
女「どうしたんですか?」
ユウキ「あ!」
ユウキ「救急車呼んでもらっていいですか?」
女「あ、はい」
ユウキ「僕の分も呼んでもらっていいですか?」
女「え?なんで?」
ユウキ「君と出会って恋の病にかかったから」
女「キュン!」
  バタン

〇病院の診察室
伊藤礼香「またですね」
福島雄二「だな」
伊藤礼香「被害者の女性は何者かに襲われた様子なんですが」
福島雄二「ですが?」
伊藤礼香「襲われたはずなのに 顔が笑顔なんです」
女「・・・」
福島雄二「どういうことだ?」
伊藤礼香「そしてレントゲンを見てください」
伊藤礼香「心臓がハートの形に変化しています」
福島雄二「顔が笑顔で心臓がハートだと?」
女「・・・」
南野ふみ「鑑識の結果が出たわよ」
福島雄二「ふみさん、でどうだった?」
南野ふみ「彼女たちは、胸キュンウィルスに感染している、とのことだわ」
伊藤礼香「胸キュンウィルス?」
南野ふみ「えぇ、よくわからないけど胸キュンの状態 で意識を失ってしまう」
南野ふみ「一種の感染状態だと」
福島雄二「なんなんだ、それ」

〇見晴らしのいい公園
伊藤礼香「とりあえず感染源を探さないと」
福島雄二「そうだな」
伊藤礼香「ん?」
女「痛!最悪!買ったばかりのヒールなのに」
ユウキ「大丈夫ですか?」
女「え?あ、はい」
ユウキ「あ、ゴメン 僕が大丈夫じゃないや」
女「え?」
ユウキ「君と出会ってしまったから」
女「キュン!」
  バタン
伊藤礼香「先輩!あれ」
福島雄二「ん!?」
ユウキ「!?」
伊藤礼香「待ちなさい!」
福島雄二「おい伊藤、見ろ」
伊藤礼香「やっぱし」
福島雄二「ということはさっきのやつが」
伊藤礼香「そうですね」
福島雄二「追いかけるぞ!」

〇街中の道路
「キュン!」
ユウキ「軽いな」
伊藤礼香「待ちなさい!」
ユウキ「ん?なんですか?」
福島雄二「我々は警察だ ちょっと話を聞かせてもらっていいかな?」
ユウキ「・・・」
福島雄二「伊藤、お前は下がってろ お前は女だ、万が一があるかもしれん」
伊藤礼香「え?」
福島雄二「心配するな、俺は男だ あいつに胸キュンするわけないだろ」
伊藤礼香「わかりました」
福島雄二「おい!お前!」
ユウキ「俺はー」
ユウキ「自転車で坂道でも立ちこぎしない!」
福島雄二「ん?」
福島雄二「はう!」
ユウキ「俺はー」
ユウキ「牛乳は賞味期限切れてからでも飲める!」
福島雄二「う!」
福島雄二「カッコいい」
伊藤礼香「え?」
ユウキ「俺はー」
福島雄二「くそ、やめてくれ!」
ユウキ「ご飯おかわり自由のお店でも」
ユウキ「おかわりしない!」
福島雄二「うー!」
福島雄二「そ、そんな 男だったら3杯は食べるだ・・・ろ」
  バタン
伊藤礼香「先輩!」
ユウキ「ふっ」
伊藤礼香「こいつ」
伊藤礼香「男女問わず胸キュンさせることができるのね!」
伊藤礼香「ってか」
伊藤礼香「男から男への胸キュンが 私にはわからないけど」
ユウキ「は!」
南野ふみ「大丈夫かい?」
伊藤礼香「私より、先輩が」
南野ふみ「とにかく早く病院に」

〇病院の診察室
福島雄二「キュン!」
南野ふみ「そうかい、まさか男女問わず胸キュンさせられるとは」
伊藤礼香「男の胸キュンポイント あれはなんなんですかね?」
南野ふみ「で、どうするの?」
伊藤礼香「私が」
伊藤礼香「先輩の仇を討つ!」
南野ふみ「気をつけなさい」
伊藤礼香「はい!」

〇開けた交差点
ユウキ「制服が似合うね」
ユウキ「僕の心も征服されちゃうかも」
高校生「キュン!」
戦闘員「ヒーヒー!」
ユウキ「君はヒーローと戦う為に生まれたんじゃない」
戦闘員「ヒー」
ユウキ「僕と出会う為に生まれたんだ」
戦闘員「キュン!」
ユウキ「君の瞳は」
ユウキ「ワン、ダフル」
犬「キュン!」
ユウキ「僕たちの赤い糸で巣を作ってくれないか?」
大クモ「キュン!」
伊藤礼香「くそ!なんでもありね!」
伊藤礼香「ってか、胸キュンの定義ってなんなの?」
ユウキ「は!あなたは」
伊藤礼香「きた!」
ユウキ「また会ったね」
ユウキ「僕たちの出会いは運命なのかな?」
伊藤礼香「う!」
伊藤礼香「うるさい!先輩の仇!」
  バン!
ユウキ「・・・」
伊藤礼香「効かない!?」
ユウキ「早く僕のハートを撃ち抜いてほしいな」
伊藤礼香「う!や、やばい」
ユウキ「そうだ」

〇病院の廊下
伊藤礼香「え?」
伊藤礼香「場所を操る事もできるのか?」
ユウキ「あの!大丈夫ですか?」
伊藤礼香「え?なに?」
ユウキ「キズ、大丈夫?」
伊藤礼香「・・・」
ユウキ「キス、大丈夫?」
伊藤礼香「は!?」

〇開けた交差点
ユウキ「あなたなかなかやるね」
伊藤礼香「つ、強い」
ユウキ「さぁ、僕に胸キュンするがいい」
伊藤礼香「絶対に負けない!」
伊藤礼香「私は、ずっとあんたの事を考えてんだ」
ユウキ「え?」
伊藤礼香「先輩の仇をとるために」
伊藤礼香「あんたに会いたかった」
ユウキ「え!?」
伊藤礼香「私だけを見なさい!」
ユウキ「う!」
ユウキ「キュン」
伊藤礼香「私と勝負よ!」
ユウキ「なかなかやるな」
伊藤礼香「え?どういうこと?」
ユウキ「はぁはぁ」
伊藤礼香「私、何もやってないけど」
ユウキ「いくぞ」
伊藤礼香「望むところよ!」
伊藤礼香「あんたなんかに、負けないんだから!」
ユウキ「うー!」
伊藤礼香「え?もしかして」
伊藤礼香「こいつも胸キュンセリフに弱かったりするの?」
ユウキ「はぁはぁ」
伊藤礼香「胸キュンには胸キュンで対応ってことね」
ユウキ「勝負だ!」

〇教室
伊藤礼香「舞台は学校ね」
ユウキ「ゴメンね、こんなところに呼び出して」
伊藤礼香「う!先手をとられた」
伊藤礼香「いいの、私も呼ばれたいって思ってたから」
ユウキ「う!カウンターとは」
ユウキ「恋の方程式の解き方がわからないんだ」
ユウキ「一緒に考えてくれないかな?」
伊藤礼香「う!上手いこという系ね」
伊藤礼香「あなたの辞書貸してくれないかな?」
伊藤礼香「好きってところに赤線引きたいから」
ユウキ「う!」
ユウキ「しかしそれはさりげなくやっておくのが いいんじゃ?」
伊藤礼香「あ、しまった!」
伊藤礼香「胸キュンセリフじゃなくて」
伊藤礼香「胸キュンな行動だった」
ユウキ「ま、そんな失敗するところも可愛いけど」
伊藤礼香「う!」
ユウキ「さぁ、僕の元においで!」
伊藤礼香「うう!」
ユウキ「恋の校外授業してあげようか」
伊藤礼香「ううう!」
ユウキ「国数理社英、5教科にプラスして恋愛の授業をしてあげるよ」
伊藤礼香「うわー!」

〇開けた交差点
伊藤礼香「う・・・」
ユウキ「どうだい?」
伊藤礼香「ここまでか・・・」
「まちな!」
ユウキ「!?」
伊藤礼香「ふみさん!」
南野ふみ「伊藤ちゃん、いったん逃げな!」
伊藤礼香「え?」
南野ふみ「私が時間稼ぐから」
伊藤礼香「でもそれじゃあ」
南野ふみ「福島さんの仇、とりたいんでしょ!」
伊藤礼香「それは・・・」
南野ふみ「さぁ、早く」
伊藤礼香「ふみさん・・・」
ユウキ「!?」
南野ふみ「さぁ、私が相手よ!」
南野ふみ「さぁイケメンさんよ!」
南野ふみ「私を好きにしなさい!」
ユウキ「・・・」
ユウキ「キューーン!」
  バタン
南野ふみ「え?」
伊藤礼香「あれ?」
ユウキ「はぁ〜ふみさ〜ん」
南野ふみ「この子どうしちゃったの?」
伊藤礼香「ん?」
伊藤礼香「もしかして」
南野ふみ「ん?」
伊藤礼香「このイケメン」
伊藤礼香「年上好きだったってこと?」
南野ふみ「・・・」
南野ふみ「あら!」
伊藤礼香「どおりでいろいろ襲ってるけど」
伊藤礼香「おばさんにはいってなかったわけね」
南野ふみ「誰がおばさんよ!」
伊藤礼香「いえ、これで一件落着ですね」
南野ふみ「そうね!」
ユウキ「好きにしていいって〜」

〇幻想2
  ふみさ〜ん!
ユウキ「ふみさ〜ん」
  こうして胸キュンウィルスとの戦いは終わった
南野ふみ「うーん」
南野ふみ「年下はないかなぁ」

コメント

  • キュン朗読劇見てから、あらためて読みました!
    声優さんたちの声が脳内再生されて、更に楽しさ倍増(^O^) 発想もリズム感も最高でした!

  • 意識を奪い、心臓の形状を変形させるという恐ろしいウイルス、しかしオバサンにはかてなかったよ……

    次のタップでキュンが来るのかな? と、楽しくタップしました!

  • めっちゃ面白かったです!
    人(動物?)によって台詞をうまく使い分けてキュンさせるウィルス……でもこんなイケメンに言われるのなら感染しても良いかも?とか思ってしまいました(笑)
    たくさん笑わせていただきました!ありがとうございました!

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