〇女の子の一人部屋
　　私 草間葵 には密かな楽しみがある

〇一人部屋
　　それは最近出来た
　　風間蓮とお喋りアプリなのだ！

〇女の子の一人部屋
　　入力した言葉を学習し
　　声優 田丸篤志さんの声で
　　読んでくれる
　　優れもの

〇女の子の一人部屋
　　イラストも私好みの神アプリ

〇女の子の一人部屋
　　上手く行くとこうなる

〇一人部屋
風間 蓮「葵 今日も 仕事 お疲れ様 キミが 一番頑張ってる事は ボクが ちゃんと 知ってるよ♪」

〇ゆめかわ

〇一人部屋
風間 蓮「今日は雨みたい 念のため キミの大好きなネコを持って行った 方がいいかも」

〇女の子の一人部屋
　　たまのこんなお茶目な間違いも
　　何とも愛らしい

〇女の子の一人部屋
草間 葵「でも直しちゃうけどね」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「ふーん アップデートのお知らせか 同意して頂ければ 日時 音声認識による 細かい反応も可能か」

〇ゆめかわ

〇女の子の一人部屋
草間 葵「そりゃ、アプデするしかないっしょ！」

〇女の子の一人部屋
　　翌朝

〇一人部屋
風間 蓮「朝だよ 葵 起きてくれないと キス しちゃうよ？」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「これは・・・来るわね アプデして良かったー」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「今日は会社で怒られちゃってさー 慰めてー なんてね」

〇一人部屋
風間 蓮「葵は僕が守るよ」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「へぇ～やるもんだね 慰めて辺りの反応かな？」

〇事務所
　　数日後

〇事務所
草間 葵「あれ？上司の斎藤さんが居ないな」

〇事務所
草間 葵「あっ、田中さーん 斎藤さんが見当たらないんですけど」

〇事務所
田中さん「あら 葵ちゃんおはよう 斎藤さんはお休みなのよ」

〇事務所
草間 葵「ヘぇー、珍しい」

〇事務所
田中さん「何でも 犬に襲われたらしくてね 手を縫う大怪我って話よ？」

〇事務所
草間 葵「ホントですか？痛そう」

〇事務所
田中さん「ねー 葵は見所があるから鍛えてるって 言ってたばかりなのにねぇ」

〇事務所
草間 葵「そんな事言ってたんですか こりゃ悪い事言っちゃったな」

〇事務所
田中さん「誰に？」

〇事務所
草間 葵「イエイエ こっちの話ですよ」

〇事務所

〇女の子の一人部屋
草間 葵「今日は悪い事しちゃったなー」

〇一人部屋
風間 蓮「葵は僕が守るよ」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「あーハイハイ 有り難うね お陰でいい気分だわ」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「ってアプリに 当たっても仕方無いか 斎藤さんに悪いからこうしてっと」

〇一人部屋
風間 蓮「明日は斎藤さんが会社に来る日だね 頑張れ、葵 ボクも応援してるよ」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「これで良し」

〇事務所
　　そして斎藤さんとの関係も
　　良くなり仕事にもやりがいを感じ始めていた
　　ある日

〇女の子の一人部屋
草間 葵「なになに 人気声優とリモート会話 同意頂ける10名様まで ※ 機材はスタッフが御用意かぁ」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「ま、当たんないでしょ」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「何と、当たりましたよ うわ、どうしよう」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「って言う事は画面越しだけど」

〇女の子の一人部屋
風間 蓮「え？ 好きって言って欲しいって？ 照れるな 葵、好きだよ」

〇女の子の一人部屋
風間 蓮「えっ？ もっと？ 葵 君だけを愛してるよ」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「とか言ってもらったり キャー、楽しみ」

〇ゆめかわ
　　当日

〇マンションの共用廊下
スタッフ鈴木「こんにちは、草間葵さんのお宅ですか？ スタッフの鈴木と申します 本日は宜しくお願いします」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「どうも こちらこそ宜しくお願いします どうぞ中へ」

〇マンションの共用廊下
スタッフ鈴木「それではお邪魔致します」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「それで・・・ どういった形で進行するんですか？」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「私が努力してきた分、貴女に奉仕して 頂こうと思っております」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「仰る意味が分かりませんが」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「アッハッハッハ そうでしょうね」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「実はこんな企画 無かったんだよ」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「ある日、キミを見かけて 何とか接点を持ちたくて ゴミから情報を得てねぇ」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「ひっ」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「そして田丸篤志の ファンだと突き止めた」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「許せなかった 葵には ボクがふさわしいのに他の男に興味を 持つなんて」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「脅そうとも考えたが 最近の声優は おいそれと脅すと捕まる可能性がある」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「そこでボクは閃いた」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「ボクなら出来ると イラストと変声器で誤魔化せば大丈夫だと 絵と機械には強かったのでね」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「苦労したよ 色々とね」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「じゃあ、あたしが入力した事は」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「あぁ、愉しませて貰ったよ」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「ただ葵を怒った斎藤は許せなかった」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「ま、まさか斎藤さんの怪我って」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「ああ、そうさ ウチの土佐犬をけしかけてやった」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「まさかその後、 斎藤との間を取り持つ事になるとは思わなかったけどね」

〇女の子の一人部屋
スタッフ鈴木「それもこれも大好きな葵の事を 思えばこそさ」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「いや、来ないでこの変質者！」

〇女の子の一人部屋
変質者鈴木「変質者とは心外だな」

〇女の子の一人部屋
　　鈴木はポケットから変声器を
　　取り出した

〇女の子の一人部屋
変質者鈴木「なんだい、 この声で色々 言わせてきたくせに」

〇女の子の一人部屋
変質者鈴木「今度はボク番だ 好きなように させてもらうよ 同意は得てるし♪」

〇女の子の一人部屋
　　その時 頭に浮かんだのは
　　斎藤さんの言葉だった

〇事務所
斎藤さん「オイ、葵 資料はちゃんと読んだのか？ 全然頭に入って無いじゃないか！ こんなんじゃ 私生活でも事故を起こすぞ」

〇女の子の一人部屋
　　斎藤さんの話をもっと良く聞くべきだった

〇女の子の一人部屋
　　コンコン

〇マンションの共用廊下
斎藤さん「葵 居るか？ 会社の資料にハンコ押してないんだが 邪魔してもいいか？」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「斎藤さん！ 良いです むぐぐ」

〇女の子の一人部屋
変質者鈴木「黙ってろ、コノ！」

〇女の子の一人部屋
斎藤さん「これなんだか 何だ、どうした誰だソイツは！」

〇女の子の一人部屋
草間 葵「この人変質者なんです助けて下さい！」

〇女の子の一人部屋
変質者鈴木「ちっ、 お前が斎藤か！丁度良い！ 恨みを晴らしてくれる！」

〇女の子の一人部屋
斎藤さん「お前こそ誰だ！ムダにいい声しやがって 葵、コイツ変質者で間違いないんだな？」

〇女の子の一人部屋
　　こくこく

〇女の子の一人部屋
斎藤さん「よし、コイツは俺が何とかする その間にお前は電話で警察を呼べ 良いな!?」

〇女の子の一人部屋
　　コクコク

〇女の子の一人部屋
　　こうしてに駆けつけた警察により
　　私は事なきを得ました

〇取調室
　　犯人はストーカー諸々の容疑で捕まり
　　現在、犯罪内容と
　　裁判の準備中で

〇取調室
　　私もお叱りを受けました。

〇事務所
　　後日 私は斎藤さんに
　　お礼を言いに行きました

〇事務所
草間 葵「斎藤さん、先日は有り難うございました 忠告も頂いてたのに」

〇事務所
斎藤さん「ホントだぞ！ 何とかなったから良かったものの 何かあったらどうするんだ」

〇事務所

〇事務所
斎藤さん「と怒ってばかりいてもしょうがないか お前はやっと芽が出で来たんだ 悪いと思うなら仕事で返せ」

〇事務所

〇事務所
草間 葵「ハイっ」

〇事務所

〇女の子の一人部屋
　　帰宅後

〇女の子の一人部屋
草間 葵「はぁ 斎藤さん優しかったなぁ」

〇女の子の一人部屋
　　悪かったと思うなら仕事で返せかぁ

〇事務所

〇女の子の一人部屋

〇マンションの共用廊下

〇女の子の一人部屋

〇女の子の一人部屋

〇事務所
　　斎藤さん

〇ゆめかわ
　　キュン

〇女の子の一人部屋
　　?

〇ゆめかわ
　　まさか・・・ね