読切(脚本)
〇広い廊下
瀬菜祐介「お!?希美じゃん!!この時間学校居るの珍しくね!?今から帰り?」
一ノ瀬 希美「え?祐介!下校時刻すぎてるけど今までなにしてたの?」
瀬菜祐介「俺は別にテストの補習この時間まで受けていただけ」
瀬菜祐介「お前の方こそこの時間までなにやってたんだよ?」
一ノ瀬 希美「私は委員会の仕事が残ってたからそれで・・・」
瀬菜祐介「じゃあ今から帰るとこ?」
一ノ瀬 希美「そうだけど」
瀬菜祐介「なら一緒に帰らねぇ?」
一ノ瀬 希美「いいよ~」
〇通学路
瀬菜祐介「それでその先生がさ~マジでバカみたいで・・・」
一ノ瀬 希美「あっ!私お母さんのお見舞い行くの忘れてた!ごめん!その話はまた今度聞かせて!!じゃあまた明日!」
瀬菜祐介「ん じゃあまた明日な~!」
〇病室
一ノ瀬 希美「ごめん!ちょっと遅れちゃった!!」
医者A「あ!ちょうど今連絡しようと思っていたところだったんですけど・・・」
一ノ瀬 希美「どうしたんですか?」
医者A「さっき一ノ瀬さんからナースコールがあったので来てみたのですが・・・」
医者A「死亡が確認されました」
一ノ瀬 希美「え」
その言葉を聞いて世界が真っ黒に染まった
その後数週間はお葬式の準備などで忙しかったがあまりのショックでその間の記憶がない
〇教室
数週間後
清水紗愛「そっか・・・それは大変だったね」
一ノ瀬 希美「でも私はそこまで気にしてないから大丈夫だよ!」
清水紗愛「・・・」
クラスメイトA「一ノ瀬!隣のクラスの瀬菜が呼んでるけどー」
一ノ瀬 希美「ごめん呼ばれたみたいだからちょっと行ってくるね!」
清水紗愛「うん・・・」
一ノ瀬 希美「教室まで来てどうしたの?」
瀬菜祐介「いきなりでごめんな?ここだとちょっと話ずらいし屋上いこうぜ!」
一ノ瀬 希美「わかった」
〇学校の屋上
一ノ瀬 希美「で?話ってなに?」
瀬菜祐介「お前の母親のことなんだけど・・・」
一ノ瀬 希美「なんだ!その事か~!」
一ノ瀬 希美「この前のお葬式来てくれてありがとね」
瀬菜祐介「あのときお前が泣いてたから大丈夫かな~って思って」
一ノ瀬 希美「その事なら私は大丈夫だよ!全然気にしてないし!」
瀬菜祐介「またそれか」
一ノ瀬 希美「え?」
瀬菜祐介「気にしてるのに気にしてないふりをして笑ってること 俺は知ってるからな?」
一ノ瀬 希美「べ、別に無理に笑ってないけど・・・」
瀬菜祐介「もういいから」
瀬菜祐介「本当は悲しいんだろ?気にしてるんだろ?それが言えないほど俺って頼りない?」
一ノ瀬 希美「ちがうよ!祐介は全然頼りあるよ!!」
瀬菜祐介「だったら・・・だったら頼れよ!俺がどれだけお前のその表情見てきたと思ってるんだよ!」
瀬菜祐介「いつも隠れて泣いていること知っててそれを見るたびお前から頼ってきたら思いっきり慰めてやろうって思ってて」
瀬菜祐介「この前の葬式で人前で泣くお前を見てからそばに寄り添って一番近くで慰めて守ってやりたいと思ったし」
一ノ瀬 希美「え?それって・・・」
瀬菜祐介「!?あれ、俺今なんて・・・」
瀬菜祐介「まぁ、 改めて言わせてもらうと」
瀬菜祐介「これからも一番近くで希美を守っていきたいしなんでも頼れるような存在になりたいと思っている」
瀬菜祐介「希美のこと守ってやりたい 俺と付き合ってくれないか?」
一ノ瀬 希美「え!」
一ノ瀬 希美「こちらこそ、 よろしく、おねがいします」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
瀬菜祐介「じゃ、じゃあこれからは一番近くで支えていってやるよ」
それがきっかけで私たちは付き合った
いろいろな困難もあったけど相手が祐介でよかったと今でも心から思える
ヒロインちゃんが悩んでいる所に、手を差し伸べる彼がかっこよかったです!タイトルもシンプルながらも、彼の思いが伝わってきます。素敵な物語ありがとうございます!!
実際にはなかなか言えない台詞ですよね。相手の気持ちを理解できてないとなかなか。これほどストレートに自信を持って言えるって事は、じっと見守っていたんだろうな~。
本当に悲しい時に支えられる関係なら、きっとこれからも仲良く歩いて行ける気がします。
シナリオにしっかりとアップダウンを設けて、キュンのシチュエーションでまとめる。短いながらも構成がちゃんと組まれた作品だなと思いました。
希美が無理して笑っていたことに気付いた祐介、ナイスですね!そしてうっかり想いを伝えてしまう祐介にキュンとしました😆
この先、希美は祐介の前では素の自分でいられるのでしょうね。そして祐介なら、きっとどんな希美でも包み込んでくれるのだろうなぁ。
二人の未来を想像して、胸が温かくなるストーリーでした。ありがとうございました😊✨