長い両片想いの行方は・・・(脚本)
〇ライブハウスのステージ
side あなた
私は今、兄のバンドのライブに来ている
そして、兄の昔からの親友であり、私の小さい頃からの好きな人・・・
律さんに目が釘付けになっていた
あなた(うぅっ・・・いつもカッコいいけど、律さんのドラムやってる姿ヤバすぎる・・・)
あなた(見てると・・・ドキドキしちゃう!!)
目があって、微笑まれたような気がして、キュンとしてしまう。
あなた(私のこと見てたなんて勘違いしちゃダメ!!)
あなた(でも、このまま律さんのことだけ見つめ過ぎると、心臓に悪い・・・)
あなた(あ、そーだ!他のメンバーさんを見て心を落ち着けよう・・・)
私は曲のサビになった瞬間に、目線をボーカルさんにうつした
私は心臓が落ち着くまで、他のメンバーさんや兄のことを見ることにした。
あなた(それにしてもこの曲凄く良い曲・・・ 律さんのこと見たくなる・・・)
一ノ瀬 律「・・・・・・」
あなた(ってあれ?なんか律さん凄く不機嫌そう!!・・・さてはお腹減っちゃった!?)
前回、バンドのメンバー全員分の弁当を作ってきたのだが
律さんは、なんと兄の分以外の弁当3個分を一人で全部食べてしまったのだ。
あなた(きっと、今日も物凄くお腹が減ってるんだ・・・)
あなた(ライブ終わったら、早く手作り弁当控え室まで持っていってあげなきゃ!!)
一ノ瀬 律「・・・他の奴のことばっか見てんじゃねーよ」
〇ライブハウスの控室
side 一ノ瀬 律
一ノ瀬 律(3.2.1そろそろ来る)
あなた「こんにちは!ライブおつかれさまでした!差し入れ持ってきましたよー!」
バンドの控室に入ってきたお前の顔を見て、やっぱりな。と俺は自分の予想が当たったことに少し得意げに笑った。
あなた「ってあれ?律さんしかいない?なんで? お兄ちゃんも、他のメンバーさんもいない!」
一ノ瀬 律「もう俺以外の奴らみんな帰ったぞ」
俺は簡潔に現状を伝えた。
一ノ瀬 律「ライブの打ち上げするってよ。・・・あの様子だと、朝までコースだな」
一ノ瀬 律(・・・まぁ。ホントはお前の家に行かないように)
一ノ瀬 律(他の奴らが外で打ち上げするように誘導したんだけどな)
あなた「えぇっ!!お兄ちゃんから何も聞いてない!!」
あなた「せっかく全員分のお弁当を作って持ってきたのに・・・」
メンバー全員分の4つの弁当を見せられた。
前回と同じく一つだけ俺の大好物である唐揚げがたっぷり入っている
一ノ瀬 律「俺が全部食うよ」
あなた「律さん・・・いくらなんでも全部は食べ過ぎなんじゃ・・・この間も──」
一ノ瀬 律(あいつらにお前の手料理食わせたくねぇんだよ。ったくほんと鈍いな)
一ノ瀬 律「お前の手料理食えるのは俺の特権なんだよ。・・・まぁギリギリ、兄までは許すけど」
あなた「・・・また、律さんそういうドキッとさせること言うんだから・・・」
一ノ瀬 律「おい。何ぼーっとしてんだよ。 ・・・お前の家で食べるから俺たちも行くぞ」
あなた「・・・うん!!」
〇綺麗なダイニング
side あなた
律さんと久しぶりに家で2人きりになっていることにドキドキしながらも、私は律さんのお弁当の食べっぷりに驚いていた。
一ノ瀬 律「ごちそうさま。めっちゃ美味かった」
あなた「良かった!!嬉しい!!」
あなた(全部食べちゃった!!しかもお兄ちゃんの分も・・・)
あなた(まぁでも今日打ち上げ行ってるし、帰ってきてからもお腹いっぱいなはずだからいっか!)
一ノ瀬 律「お礼させて。何か欲しいものとか、して欲しいこととかあるか?」
あなた「えっ・・・」
あなた(どうしよう・・・ずっと前から律さんと2人で星空見に行きたいって思ってたけど・・・)
一ノ瀬 律「どーした?なんでも言ってみろよ」
あなた(・・・伝えてみようかな)
あなた「実は、律さんと星空を見に行ってみたいの!」
一ノ瀬 律「星空か。いいな。実は俺も──」
あなた「バ・・・バンドのみんなと一緒でいいから!!」
あなた(照れ隠しでみんなでって言っちゃった・・・ ん?律さん何か言おうとしてた!?)
一ノ瀬 律「・・・バンドのみんなと?」
あなた「あ。えーと・・・」
一ノ瀬 律「おい。今から行くぞ」
あなた「へっ!?」
一ノ瀬 律「俺と2人じゃ嫌なのかよ」
あなた「まさか!!嬉しいよ!!」
一ノ瀬 律「よし。じゃあ俺が運転するから」
あなた「うんっ!!」
一ノ瀬 律「ほらっ。行くぞ」
私は律さんと2人で星空を見に行けることが嬉し過ぎて、はしゃぎながら律さんの車に飛び乗った
〇山の展望台(鍵無し)
side 一ノ瀬 律
車の運転を初めて1時間半後、俺がずっとお前を連れてきたかった星空が見える場所に着いた。
一ノ瀬 律「着いたな」
あなた「すごいー!すっごくきれーーーい!」
感動している様子を見て、俺も嬉しくなる。
だが次の瞬間、俺は驚くことになった。
あなた「うっ・・・うぅー」
思いきりはしゃいでいたのに、いきなりお前は泣き始めたのだ。
一ノ瀬 律「お・・・おい!泣いてるのか!?どうした!?」
あなた「ごめんなさい〜だって綺麗すぎて・・・」
一ノ瀬 律「綺麗すぎたら泣くのかよ?・・・大丈夫か?」
俺は戸惑いながらも、泣いてるお前を見て、思わず抱き締めていた。
あなた「律さん・・・律さん・・・」
一ノ瀬 律「なんだよ?」
あなた「なんか、今までのたくさんの想いが溢れてきちゃって・・・」
一ノ瀬 律「・・・言ってみろよ」
あなた「私・・・律さんのことが・・・大好き」
一ノ瀬 律「・・・お前なぁ」
一ノ瀬 律「俺の方が、お前のこと大好きだ」
──しばらく経つと、お前は落ち着いたようで、顔をあげてきた。
あなた「・・・あ・・・あの・・・」
一ノ瀬 律「・・・なんだよ」
あなた「恥ずかしくなってきて・・・」
俺は左手でお前の腰を強く抱き締めながら
右手でお前の顔を俺と見つめ合えるように、近くに引き寄せた。
一ノ瀬 律「やっと誰にも邪魔されない場所にいるんだ」
一ノ瀬 律「お前はずっとこうして・・・」
一ノ瀬 律「俺だけを見ろよ」
fin♡
彼の独占欲や、彼女が思いを伝える所に、キュンが過ぎるあまり、悶えすぎて思わず変な声が出てしまいました!題名も、王道の少女漫画っぽくって好きです!素敵な物語ありがとうございます!!
二人が思いを伝えられて、本当によかった...いつまでも見守っていたいと、そう思える素敵な作品でした。
視点が何回か変わるので、お互いの胸の内にニマニマしながら拝読させていただきました。
鈍感すぎるヒロインも可愛いし、独占欲駄々もれの律さんもかっこよかったです~!
お弁当作ってくる健気なヒロイン、そしてそれを全部食べちゃう律さんとか可愛すぎるし、ラストシーンのさらっと独占欲丸出しな上に自信たっぷりな律さんにキュンキュンしました❤
楽しかったです~、ありがとうございました😊