俺様男だって恋をする!

宇野木真帆

小悪魔ちゃんに翻弄される恋の行方!!(脚本)

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宇野木真帆

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〇桜並木
「え!?ほんとに着いてきてんの!?」
桐矢「ちげーよ、桜観に来ただけだ」
絵梨奈「あんたは明日もシフト入ってたじゃない!」
桐矢「今日は4月1日だぞ」
絵梨奈「嘘の日ね」
桐矢「年度始めに観る桜なんて、きっと良いことが起こる前触れに」
絵梨奈「うるさい」
絵梨奈「メイドで嫌な事あったから、桜でも観ようと思ったのに」
絵梨奈「あんたと二人なんてね!」
桐矢「それはこっち」
絵梨奈「ほんっっっと! 友達呼んでおいて良かった!」
桐矢「お前のヒステリックで桜が散る」
絵梨奈「はぁ!?なんだって!?」
絵梨奈「あ!こっちこっち!」
「桐矢くん!?」
桐矢「お久しぶりです」
桐矢「まさか春休み中に会えるなんて」
「私もびっくり。 絵梨奈ちゃん、桐矢くんとはね」
絵梨奈「その喋り方なに」
桐矢「ご一緒できて嬉しいです!」
絵梨奈「あんたは違うわよ!」
絵梨奈「あっち行こ」
「えーっと」
「みんな知り合いなら..」
桐矢「ぜひそうしましょう!」
絵梨奈「勝手に決めんな!」
桐矢「さぁ、こっちですよ」
絵梨奈「先行くなー!」

〇桜並木
絵梨奈「仕方なくなのよ。 綺麗に桜見える所知ってるって言うから」
桐矢「そっち危ないですよ」
桐矢「こちらどうぞ!」
絵梨奈「その気遣い私にもみせろ」
桐矢「だ・ま・れ」
桐矢「それにしても良い時期に来られましたね」
絵梨奈「あんたのせいで時期わるいわよ」
桐矢「今日は桜が満開です」
「そ、そうですね..」
絵梨奈「もう!また無視した!」
桐矢「んだよ。 静かに桜も観れねえのか」
絵梨奈「今日の洋服ペアルックなんだぁー!」
桐矢「ち、違いますよ! こいつが勝手に言ってるだけで」
「本当だ。ブルーがお揃い」
桐矢「本当に。たまたまですよ」
桐矢「おい、マジでふざけんな」
絵梨奈「動揺するなんて珍しい~♪」
桐矢「お前、肩に虫が!」
絵梨奈「うそっ!?」
絵梨奈「やだやだやだ!!」
桐矢「ちょっと失礼しますね~♪」

〇桜並木
絵梨奈「とって!とってよ!!」
桐矢「んなもんねーよ」
絵梨奈「はぁ!?」
絵梨奈「あんた絶対ころす」
桐矢「それはこっちだ」
桐矢「俺は、あの人が..」
桐矢「...」
絵梨奈「うそでしょ!?」
桐矢「なんだよ」
絵梨奈「すき、って感情ちゃんと分かりますか?」
桐矢「あの人を前にすると、胸がぎゅってなる」
絵梨奈「キモい」
絵梨奈「でもしょうがない。助けてやるか」
絵梨奈「ただし、私の話には全部、YESって言うのよ」
桐矢「そ、それは、どういう」
絵梨奈「それじゃあ、レッツ・ゴー♪」

〇桜並木
絵梨奈「ごめん!お待たせー!」
桐矢「足大丈夫ですか? あと少しですよ」
絵梨奈「今日はね!桐矢が誘ってくれたの!」
絵梨奈「桜観に行こうね、って」
「そ、そうなんだ..」
絵梨奈「今度は一緒に遊園地も」
絵梨奈「約束したんだよね」
桐矢「あ、あぁ..」
「そうなんだ。それは楽しみだね」
絵梨奈「うん!」

〇桜の見える丘
絵梨奈「着いたー!ほんときれいー!」
絵梨奈「ねぇ!山の方まで桜咲いてるよ!」
絵梨奈「デートスポットなのもわかるねー!」
桐矢「あの、その..」
桐矢「さっきのは全部嘘で」
絵梨奈「待て!早まるな!」
桐矢「俺はずっと、あなたのこと」
絵梨奈「桐矢!こっち来てー!」
絵梨奈「ちょっと待っててね~♪」

〇桜の見える丘
絵梨奈「なに早まってんだよ!」
桐矢「それはお前が変な話するからだろ!」
絵梨奈「これだから素人は」
絵梨奈「あの子ね、引っ込み思案だから分かりづらいけど」
絵梨奈「あんたのこと意識してるのよ」
桐矢「それって」
絵梨奈「可能性はあるかもね」
絵梨奈「それじゃぁ私帰るから」
絵梨奈「桜観たし、なんか寒くなってきたし」
桐矢「待て!お前がいないと..」
絵梨奈「そんなセリフ、私に言ってどうする」
絵梨奈「あとは二人で頑張ってね~♪」
「あ!ちゃんと誤解もとくのよー!」

〇桜の見える丘
桐矢「ごめんなさい、待たせちゃって」
「いえ」
桐矢「あいつは用事あるって、先に..」
「そうですか」
桐矢「寒いですか?」
「え?」
桐矢「なにか体温めるもの..」
「ふふ、遠足のお菓子みたい」
桐矢「食べます?」
桐矢「こういうちょっとしたお菓子すきで」
桐矢「って、そうじゃない!体温まるもの..」
「いえ。大丈夫です」
桐矢「周りのマネ、してもいいですか?」
「え?」
桐矢「今からめっちゃハズいことしますけど」
桐矢「何も言わないでくださいね」
「!!?」
桐矢「周りもみんなやってるから」
桐矢「このまま抱きしめられてください」
桐矢「ん..」
桐矢「あ!違いますよ!」
桐矢「むしろ逆で、その..」
桐矢「めっちゃいい匂いします」
「え!?」
桐矢「す、すみません!変なこと!」
桐矢「香水ですよね」
「いいえ」
桐矢「あ、じゃぁ、シャンプーだ」
「無香料です」
「というかダメですよ。こんな事したら」
「桐矢くんには、他に好きな人」
桐矢「違いますよ!」
桐矢「あれはあいつの嘘で、そんなんじゃ全然..」
桐矢「むしろ俺は、あなたのこと..」
桐矢「ずっと好きでした」
「...」
「ごめんなさい」
「去年の今日、そうやって嘘つかれたんです」
「クラス一緒だから知ってますよね? はい、とか、そう、しか今日だって言ってないし」
「私なんかに構うより、もっと楽しい子の方が」
桐矢「それは」
「それに、顔だって、」
「顔だけじゃないですよ。私の一体どこが」
桐矢「待って」
桐矢「それ以上はだめだ」
「え?」
桐矢「それを決めるのは”俺”ですよ」
桐矢「誰といて楽しい、とか、誰が可愛いとか」
桐矢「俺にとってあなたはとても魅力的です」
桐矢「だから、俺は、その..」
桐矢「あー!」
桐矢「どうやったら信じてもらえるんだ」
桐矢「嫌だったら」
桐矢「顔そらしてください」

〇桜の見える丘
桐矢「帰りましょう。風が強くなってきた」
「はい..」
桐矢「...」
桐矢「あの」
桐矢「最後にお願い、聞いてもらえますか?」
「?」
桐矢「笑ってください」
「!?」
桐矢「そんな顔のまま、行かせられない」
桐矢「俺も笑うんで」
桐矢「笑顔で別れましょう」
「...」
桐矢「俺、あなたの笑顔見ると元気もらえるから」
桐矢「一緒にいると、ほんと幸せで」
桐矢「だからこんなに..」
桐矢「俺、ずっとすきですから、」
桐矢「明日も明後日もすきですから。 忘れないでください」
「その言葉」
「また明日も聞かせてもらえますか?」
桐矢「もちろん!」

〇メイド喫茶
絵梨奈(はぁ。昨日でバイト最後だったのに)
絵梨奈(断れないよなー。代わりって)
絵梨奈「お帰りなさいませ!ごしゅじん」
絵梨奈「え!?どうしたの!?」
「き、桐矢くんに呼ばれて..」
桐矢「来てくれたんですね!」
絵梨奈「あんたはキッチンでしょ!」
桐矢「今日は俺のお客様だ」
桐矢「これどうぞ!」
「!?」
絵梨奈「でかい。絶対店長に怒られる」
桐矢「本望だ」
桐矢「それじゃぁ!おまじないかけますよー!」
桐矢「もえもえキューン☆」
桐矢「だーいすき♡」

コメント

  • 将来的に三角関係的な発展がありそうだと予感しました。彼女の事を純粋に好きという気持ちと、絵梨奈ちゃんとの気を使わないでいい関係、どちらが俺様の好みにぴったりとはまるのか!

  • 立場やその人のキャラとか何も関係なくただその人が 好きって気持ちってとっても素敵ですよね、彼の言葉や彼女の言葉が素直に伝わってきてよかったです。

  • 誰が好きか、どこが好きか、決めるのは自分ですよね。桐矢のセリフに共感しました。
    絵梨奈が能動的によく動いていて内面も描写されていて魅力的なキャラに感じたので主人公っぽく感じました。桐矢の絵梨奈に対する態度みたいなところや「私」の性格をこれから見せ合っていきそうな、未来を想像できる春らしさがいいなあと思いました。

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