Ep.9 ハナレ村の殺人④(脚本)
〇村の眺望
マカロン「古い映画の話なんだけど・・・ プレデターって知ってる?」
マカロン「プレデターはね、狩猟のためにエイリアンを培養してるの」
マカロン「狩猟と言っても食べるためじゃなくて 狩るため、戦うため・・・」
澤井龍弥「なんだよテメェ 何が言いたいんだァ?」
澤井龍弥「やっぱオメェ家畜の側か?」
マカロン「彼らが危険を冒してまでエイリアンに挑むのは・・・ それが彼らにとっての通過儀礼だから」
マカロン「強い敵を用意して、それを狩る そこに戦士としての喜びがある」
マカロン「・・・ 私もその喜びを享受する側らしい」
澤井龍弥「よくわかんねーけど殺すかァ!?」
澤井龍弥「ってあれ・・・あいつら呼べねぇ」
澤井龍弥「身体も動かねぇ・・・」
マカロン「これは私にとっての通過儀礼 ミッションとはそういうこと・・・」
マカロン「・・・」
マカロン「君たちがエイリアンなら 私はプレデターだね」
澤井龍弥「ちょっまっ」
【メデューサの瞳】
最後に目が合った対象を
100秒間行動不能にする
対象:全て
使用可能回数:使い切り
澤井龍弥「く・・・くそ・・・」
【ハンドガン】
対象:全て
弾数:15発
マカロン「ばいばい」
澤井龍弥「おい!お前やめろ!見逃すから!な?」
澤井龍弥「ゔ」
マカロン「ふぅ」
マカロン「あんまり期待してなかったけど」
マカロン「わりと面白そうじゃん・・・この世界」
〇寂れた村
鶴見健太郎「んじゃ〜さよなら」
アリス「・・・!」
鶴見健太郎「あ?」
???「お前が鬼かアホンダラァ!」
倉木響「ついに正体現しやがったなァ! てめぇの悪行もそこまでだァ!」
綾瀬天紀「いいですねそのセリフ 今度ワタクシも使っていいですか?」
倉木響「ちょっ茶化さないでくださいよ 今俺の人生で最も輝いてる瞬間なんですから」
鶴見健太郎「何でお前らここにいるんだ?」
鶴見健太郎「龍弥はどうした? お前らの後をつけていたはずだが」
倉木響「そいつならマカロンの姉貴が相手してるさ」
綾瀬天紀「えぇ、彼女ならあの悪しき鬼を討ち滅ぼすことも可能でしょう」
倉木響「そうだ!姉貴の手にかかれば鬼なんてちょちょいのちょいだ!」
鶴見健太郎「鬼ってなんだよ!クソ!」
アリス「マカロンちゃん鬼と戦ってるの〜? すご〜い!」
鶴見健太郎「うるせぇメスガキ!黙ってろ!」
アリス「・・・」
倉木響「女の子に向かってその言い方はないな〜 お前、男として終わってるわ」
綾瀬天紀「アリスさん! 今のうちにこちらへ!」
アリス「うん!」
鶴見健太郎「くそが・・・」
倉木響「お前が俺らの「敵」だっていうなら もう躊躇はいらねぇ・・・」
倉木響「いっちょ鬼退治と洒落込むぜ!」
倉木響「覚悟しろ!」
アリス「覚悟しろ〜」
鶴見健太郎「はあ・・・」
倉木響「なっ・・・効かねえだと!?」
綾瀬天紀「・・・アイテムですか」
鶴見健太郎「ふん」
鶴見健太郎「そんな雑魚武器でやられるほど僕は甘くないですよ」
きゅいーーん
鶴見健太郎「そいつら全員殺せ!」
鶴見健太郎「ぐちゃぐちゃのめちゃくちゃになるまで切り刻め!」
「きゅいーん」
綾瀬天紀「ど、どうしますか倉木さん」
倉木響「しゃあねえ! こっちもフルパワーで迎え撃つ!」
【ホーリー・ステッキ】
対象に光属性のダメージを与える
対象:人間以外
使用可能回数:9/10回
倉木響「光属性のダメージとあるが、これ一発で化け物を消滅させられることはさっきので実証済みだ!」
綾瀬天紀「マカロンさんに頂いたやつですね!」
鶴見健太郎「・・・」
鶴見健太郎「無駄なことを」
「きゅいーん」
〇寂れた村
倉木響「くそ!」
鶴見健太郎「フフフ」
鶴見健太郎「だから無駄だって言ってるじゃないですか」
「きゅいーん」
倉木響「ダメだ、キリがねぇ・・・」
綾瀬天紀「鬼は化け物を無限に呼ぶことができるのでしょうか」
倉木響「さすがに無限ってことはないだろうが、限りがあったとして・・・ こっちのアイテムが尽きる方が先だろうな」
アリス「そのステッキ、鬼には効かないの?」
倉木響「え?」
綾瀬天紀「あ、アリスさん、鬼というのはですね あくまでワタクシたちがそう呼んでるだけで・・・」
倉木響「いやアリスちゃん、それナイスは発想かもしれないぜ」
倉木響(いつか陽がこんなこと言ってたっけな)
〇教室
倉木響「あーもうまた負けた!」
桐谷凍夜「お前授業中からずっとやってるな 面白いのかそのゲーム?」
倉木響「いや、特別面白いわけじゃないんだが 何故かやってしまう」
桐谷凍夜「なんだそりゃ」
倉木響「気に入ってるキャラがいてよー なんとかそいつを使いこなそうと頑張ってるんだが、中々上手くいかねー」
倉木響「他のキャラが強すぎるんだよな〜」
桐谷凍夜「そのキャラが弱いんじゃねーの」
倉木響「まぁ、確かにそれはあるんだが・・・ 好きなんだよな〜このキャラ」
倉木響「弱いのは分かってるが、なんとか勝たせてやりてぇ」
風見陽「・・・」
倉木響「風見さん?」
風見陽「貸してみそ」
倉木響「・・・はい」
風見陽「・・・」
「・・・」
風見陽「勝ったよ」
倉木響「うお!すげぇ! しかも全機残しのパーフェクトゲーム!」
風見陽「倉木くん」
倉木響「・・・はい」
風見陽「ゲームにはね、ゲームバランスがあるんだ」
風見陽「完全な下位互換・上位互換というのは稀で、使い方次第では弱いキャラでも強いキャラに勝てるように設定されてる」
風見陽「このゲームはそこら辺上手く調整されてるから、相手のキャラの弱点を突く形でこちらのキャラの強みを押し付ければ勝てる」
倉木響「なるほど?」
風見陽「要はね、君の知らない強みがこのキャラには隠されているのだよ!」
倉木響「俺の知らない強み・・・」
桐谷凍夜「ゲームバランスとか言うけど たまにそれ自体が崩壊してるクソゲーもあるけどな」
風見陽「そういうゲームでは強いと言われてるキャラを素直に使えばいいんじゃない?」
風見陽「私今クソゲーの話してないけど」
桐谷凍夜「・・・」
倉木響「そうか 俺の知らない強みが隠されているのか」
風見陽「逆に敵自身も知らない弱点があるかもしれないのだ!」
倉木響「弱点・・・か」
〇寂れた村
倉木響(敵自身も知らない・・・敵の弱点)
対象:人間以外
倉木響(「襲う側」と「襲われる側」に分かれているこのゲーム・・・ 表面だけ見れば明らかに「襲われる側」が不利だ)
倉木響(何せ「襲う側」は化け物も呼べて、さらにアイテムだって「襲われる側」と同じように使うことができるから)
倉木響(だが、その認識に誤りがあるとするなら・・・)
倉木響「鬼の弱点が分かったかもしれない」
綾瀬天紀「なんですかそれは!」
ミッション「敵を殲滅せよ」
現在11周目
生存者299名
よよ!
なるほど、プレデターと考えると攻守逆転しますねー
パワーバランスのシーソーゲームが面白い!